アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト支援
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第33回アイデア対決 全国高等専門学校 ロボットコンテスト 第33回アイデア対決 全国高等専門学校 ロボットコンテスト

INTRODUCTION

コロナ禍で史上初のオンライン開催
学生たちのアイデアが
たくさんの“ハッピー”を届ける!

“高専生の甲子園”ともいわれる「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」。学生に“発想することの大切さ”、“ものづくりの素晴らしさ”を共有してもらう場として1988年に始まった、伝統ある競技大会だ。

Hondaは、“夢をもつこと、モノづくりの楽しさを、ともに未来へ伝えていきたい”という想いから、次世代を担うエンジニアである学生たちの「モノづくり」への情熱とチャレンジを全力で応援。2002年から特別協賛を続けている。そして全国大会では、ロボットづくりに独創的なアイデアや工夫が光るチームには毎年「Honda賞」を贈呈している。



33回目を迎えた今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場に集まることはせず、参加学生の自宅や学校からロボットのパフォーマンスを披露してもらうという、大会史上初の「オンラインロボコン」形式に。全国の高等専門学校53校58キャンパスから計146チームが全国8地区で実施された地区大会に出場。そこで選抜された28チームが全国大会への出場を決め、11月29日、全国大会のために設けられた「バーチャル両国国技館」にネットを介して集結した。

大会形式とともに、特徴的だったのが競技課題だ。例年であれば、定められた競技テーマを通じてその成果を競うが、コロナ禍でのロボットづくりの環境は間違いなく平等ではない。だからこそ今年はテーマ設定も含めての『アイデア対決』となった。競技課題は「だれかをハッピーにするロボットを作ってキラリ輝くパフォーマンスを自慢しちゃおうコンテスト」(略称:はぴ☆ロボ自慢)。暮らしを豊かに、人々を幸せにするアイデアを自分たちで導き出すことが求められた。そこには、コロナが世の中に暗い影を落とし、新しい生活スタイルが必要とされる今、学生たちが培ってきた技術とアイデアを駆使したロボットで、世界中にハッピーや感動を届けてほしいという想いが込められている。

千差万別のパフォーマンスは
ドキドキ、ワクワクの連続!

各チームがそれぞれ考えた“ハッピー”は、コロナ禍の不便を解決するアイデアや、ステイホームしながらレジャーを楽しむアイデア、疲れた心を癒やすアイデア、中止となった伝統行事を復活させるアイデアなど、心に響くものばかり。また、撮影も学生たち自身で行っており、工夫を凝らした演出は、ギャラリーの“ドキドキ、ワクワク”をいっそう盛り上げてくれる。そして何より、ハレの舞台で懸命にチャレンジする学生たちの姿をオンラインで間近で見られることも、本大会の大きな見どころに違いない。

大会開催への喜びが爆発!
全力で楽しむ姿に感動

「休校やオンライン授業、活動制限など例年とは違う慣れない環境の中で、今日まで世界中の人々をハッピーにするロボットをつくってきました。大会が行えるようご尽力いただいた方々、活動を支えてくださった方々への感謝の気持ちを忘れずに、キラリ輝くパフォーマンを精一杯自慢することを誓います!」
明石高専の神馬綾乃さんによる選手宣誓の言葉をはじめ、参加した学生たちの姿からは、大会に参加できたことの喜び、そして少しでも多くのハッピーを届けたいという熱意がひしひしと伝わってきた。また、ギャラリーはバーチャル両国国技館にアバター(仮想空間に表示される分身)として入ることができ、オンラインとは思えない一体感を味わいながら応援。さらにチャット機能でコメント欄もリアルタイムで盛り上がるなど、特別な熱気を感じる大会となった。

AWARD

ロボコン大賞

沼津工業高専
メンバー:渡邊敬矢 (3年)、草茅新太(3年)、横山義希(3年)、三枝祐旗(3年)、陣内康輔(3年)、
小林拓馬(3年)、藤崎義治(3年)、尾崎優太(3年) ロボット名:チャリモ

自宅でコントローラーとなる自転車をこぎ、外にある「チャリモ」を遠隔操縦。搭載されたカメラからの映像を見ながらサイクリング気分を楽しむという、コロナ禍に嬉しいロボット。地区大会では補助輪を使用していたが、全国大会では補助輪を外しての二輪自立走行を実現。短期間でのレベルアップも会場の驚きを集めた。コンテスト2位に贈られる「超はぴ☆ロボ賞」も受賞。 「沼津高専は全国大会に出場できない期間が続いており、1年の頃から悔しい思いをしてきました。今年は自分たちが主役の代なのにロボコンすらできないのではないかという焦燥感がありましたが、オンラインでの大会の開催が決まり、更にチームメンバーで協力してきたことや今まで培ってきたことが、こうした形で実を結ぶことができて良かったです。自慢のポイントは、チャリモが自転車と連動し、あたかも自転車のように自立して走る点。四輪の方が安定するという意見もありましたが、実際の自転車のように走行する点は理屈を抜きにしてロマンといいますか、面白いアイデアだったと思います」とメンバーは受賞の喜びを話してくれた。

Honda賞

長野高専D
メンバー:宮川玲成(3年)、新村奨(3年)、柄澤亮文(3年)、間淵節(1年)、
山浦智秀(2年)、内藤さくら(2年) ロボット名:どんちゃか龍舞(りゅうまい)

操縦者5人がそれぞれ10km以上離れた場所にいながら、龍のロボットを遠隔操作。コロナの影響で開催できなかった「信州御代田龍神まつり」をロボットで再現した。「離れた場所から一つのものをみんなで動かすことにロマンがあると感じました」とメンバー。遠隔地のため1秒以上の時間の遅れが生じるも、先読み制御で見事な“龍のうねり”を表現。3台のカメラを使用し、操縦者とロボットの動きをリアルに見せたことで、迫力も満点!

INTERVIEW

Honda賞受賞 
長野高専D

Honda賞をいただくことができ、非常に嬉しいです。全チームで唯一、遠隔操縦が可能なロボットであることと、御代田の龍神まつりの再現性を評価していただけたと思っています。龍は5台のロボットで動かしました。ロボットにはRaspberry Piというシングルボードコンピュータを搭載し、5台それぞれでサーバーを立ててデータを受信するなど、インターネット通信の技術を組み込んでいます。インターネットがつながる場所なら全世界どこからでも操縦できる、高専ロボコン史上初のオンライン操縦が私たちのロボットの大きな特徴です。



開発の中で特に苦労したのは、メンバーの仕事の割り振りです。夏休み期間中は学校へ登校出来ませんでしたので、各メンバーとも自宅での個人製作が続きました。工具や工作機械を自宅へ移動させ、ボール盤や3Dプリンタなどを使って部品を製作し、できあがった部品は組み立てを担当するメンバーの自宅へ郵送するという流れでしたが、工作機械を持っているメンバーに加工が集中したり、作業の様子も見えず、とても苦労しました。そのため、毎日30分のミーティングを行い、情報共有して対応しました。

ハードの精度の高さが受賞のポイント

株式会社本田技術研究所 執行役員 先進技術研究所担当
小川 厚さん

1秒以上の時間の遅れのある中での遠隔操作を具現化するためには、先読み制御そのものだけではなく、エレキやメカといったハードがしっかりと作られていたことも大きなポイントだと思います。その精度の高さから、Honda賞に選ばせていただきました。

Honda賞受賞 長野高専 Honda賞受賞 長野高専

UNIQUE ROBOT

面白ロボット紹介

圧倒的なインパクト
小山工業高専「シンクロシスターズ♪」

延期となった東京での国際大会。楽しみにしていた人たちをハッピーにしたいと、考えたのがロボットでのシンクロナイズドスイミング(現競技名:アーティスティックスイミング)。地面を水面に見立て、顔半分のロボット3台と、足のロボット3台を規則的に動かすというアイデアが見る人の度肝を抜いた! なめらかな足の動きは、関節にロボットを組み込んだ成果。目がウインクする、ライトが点灯するなど工夫も随所に。コンテスト1位に贈られる超優秀賞を受賞!

美しい音色と光にうっとり
福島高専「鈴音(すずね)」

「今年は人に直接会えない分、目に見えない大切な“つながり”を感じ、ハッピーになれた1年でした。その気持ちを、パフォーマンスを通してみなさんと共有したい」と、わずか2名のメンバーで参戦を決めた福島高専。「コロナ禍ならではの挑戦を」と、ロボット4台による“無接触”での美しいハンドベル演奏と、自動疑似玉乗りロボットによる演出で、ギャラリーをほっこりさせる不思議で優しい世界をつくり上げた。デザイン賞を受賞。

いつだって誕生日はハッピーに♪
都城高専「とどけ!ケーキゴーランド!」

「どんな時でも誕生日はハッピーな1日であってほしい」という想いが散りばめられたユニークなロボット。飛沫を気にすることなくロウソクを消すことができ、ケーキを切って皿にのせるのも全自動。パーティの主役への配膳もサーボモーターで素早く完了。これならコロナ禍でも楽しい誕生日パーティができそうだ。楽しそうにパフォーマンスするメンバーたちの姿も、あったかいハッピーを届ける一因に。

MESSAGE

Honda審査員からのメッセージ

だみいハードの精度の高さが受賞のポイント

株式会社本田技術研究所 執行役員 先進技術研究所担当
小川厚さん

各チームともアイデア出しから技術実証するところまで、「誰かをハッピーにする」というテーマがブレずにしっかり表現できていたかなと思います。また、自分たちで撮影したことで、パフォーマンスがユーザー視点、お客様視点でよく考えられており、可能性を感じさせてくれました。これからソフトだけでなくハード、また製造技術も進化していきますが、その中で自分たちしかできないもの、自分たちにしかできない技術は何なのか、それを身につけるにはどうしたらいいのかを真剣に考えて、具現化していってほしいですね。また、“作り”の部分だけでなく、例えば「通信とどう組み合わせるか」など、より新しい視点でのゲームチェンジまで視野を広げて考えていただきたいと思います。

RESULT

大会結果

全国大会 大会結果

地区大会のHonda賞受賞校

  • 北海道
    函館高専B
  • 東海北陸
    福井高専A
  • 近畿
    近畿大学高専B
  • 四国
    香川高専(高松)C
  • 東北
    一関高専A
  • 関東甲信越
    茨城高専B
  • 中国
    宇部高専B
  • 九州沖縄
    北九州高専A
どんな時代でも、
若きエンジニアたちの夢を応援

休校や活動自粛などで準備時間が足りない。大会の形式が例年と大きく異なる、など
厳しい条件を挙げれば切りがなかった今年の高専ロボコン。
しかし、参加した学生たちは、それぞれが想う「ハッピー」を
たくさんの人に届けるべく、独創的なアイデアを考え、
培った技術とチームワークでロボットを作り、見事なパフォーマンスを披露してくれた。

コロナ禍の課題に果敢に挑み、
「どんな時代でも、チャレンジはできる。未来は明るい」
という希望を見せてくれた若きエンジニアたち。
Hondaは、これからも高専ロボコンを通じて、
夢を追い続ける未来のエンジニアたちを応援してまいります。