衝突軽減ブレーキ(CMBS)✤
自車が、前方の車両のほぼ真後ろから追突するおそれがあるときや、対向車に正面から衝突するおそれがあるときおよび歩行者に衝突するおそれがあるときに、運転者のブレーキ操作を支援し、衝突を回避したり衝撃を軽減するシステムです。
- 警告
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)は、あらゆる状況で衝突を回避できるシステムではありません。レーダーやカメラは天候や速度、路面状況によって検知しにくいことがあります。
取扱説明書に従い使用しないと、衝突などの事故につながり、死亡または重大な傷害にいたるおそれがあります。
周囲の状況を確認し、十分な車間距離を保ち安全運転を行ってください。
- さらに詳しく
-
フロントロアグリルの周囲に強い衝撃を与えないようにしてください。フロントガラス上部に装備されているカメラの取り扱いについては下記を参照してください。
EPS警告灯が点灯しているときは、ステアリング振動による警告は作動しません。以下の場合、CMBSが自動的に停止し、警告灯が点灯することがあります。- 山岳路や悪路を長時間走行したとき
- パーキングブレーキをかけて走行したとき
- 雨、霧、雪などの悪天候になったとき
- カメラの温度が高温になっているとき
- フロントロアグリルまたはフロントガラスがほこり、泥、落ち葉、湿った雪などで覆われているとき
- タイヤの異常を検出したとき
パワーモードをONモードにするときは、車を静止させてください。駐車場のターンテーブル上など、車両が動いているときにパワーモードをONモードにすると、CMBSが作動しない場合があります。車両の整備や検査の際に、シャシーダイナモやフリーローラーを使用するときはCMBSをOFFにしてください。システムを正しく作動させるために、必ず次のことをお守りください。- フロントロアグリルは常にきれいにしておく
- フロントロアグリルのお手入れにベンジン、シンナー類、クレンザーなどの磨き粉類を使わない
- フロントロアグリルにステッカーを貼らない
- フロントロアグリルを交換しない
次の場合は、Honda販売店にご相談ください。- レーダーセンサーおよびカメラに衝撃が加わったとき
- フロントロアグリルやカメラ周辺の修理を行うとき
頻繁に警報が作動するなど、システムに異常を感じたときは、Honda販売店で点検を受けてください。以下のときは、レーダーセンサーが正常に作動しなくなる場合があるため、Honda販売店で点検を受けてください。- フロントロアグリルが段差、縁石、輪留め、盛り土などに接触したとき
- 深い水たまりに進入したとき
- 車両前方が衝突、接触したとき
サスペンションの改造はしないでください。システムが正常に作動しないおそれがあります。タイヤは、四輪とも同一指定サイズ、同一種類、同一銘柄および摩耗差のないタイヤをお使いください。サイズ、種類、銘柄や摩耗度合の異なるタイヤを使用すると、システムが正常に作動しないおそれがあります。
システムの作動

CMBSの警告のしかた

CMBSの警報距離をFar・Normal・Nearの3段階から選択することができます。
FarはNormalに対して遠くで警告します。NearはNormalに対して近くで警告します。
ステアリング振動による警告について
対向車に対して衝突のおそれがあるときは、視覚への警告に加え、ハンドルに短時間の弱い振動を発生させて運転者に注意を喚起します。
- ブレーキやハンドルを操作するなどの適切な行動で衝突を回避してください。
CMBS作動の流れ
CMBSの作動には衝突の可能性に応じ3つの段階があります。しかし、状況によっては途中の段階から作動することがあります。
車両と自車の距離
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状況
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ブザーと表示による警告
|
ステアリング
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ブレーキ
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第1
段階 |
![]() |
車両への衝突のおそれがでてきた状況
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警告表示が2回点滅する
さらに接近すると、警告表示およびブザーによる警報を行う
|
対向車の場合、ハンドルに短時間の弱い振動が発生
|
─
|
第2
段階 |
![]() |
衝突の危険が増し、衝突するまでの余裕が少なくなった状況
|
警告表示およびブザーによる警報を行う
|
─
|
軽い
ブレーキ |
第3
段階 |
![]() |
回避が困難な状況
|
強い
ブレーキ |
※:CMBSによるブレーキが作動しているときは制動灯が点灯します。
CMBSのONとOFF
- CMBS OFFスイッチを「ピーッ」とブザーが鳴るまで押すことで、システムのONとOFFを切り換えます。
CMBS がOFFに切り換わったときCMBS警告灯が点灯し、マルチインフォメーションディスプレイに「CMBS OFF」とメッセージが表示されます。
CMBSをOFFにした状態でパワーシステムを停止すると、再起動時にCMBSはOFFとなっています。 -
次のような場合、レーダーセンサーやカメラが車両、歩行者や路面状況を検知できず、CMBSが正常に作動しない場合があります。
自車の状態によりレーダーセンサーやカメラが正しく検知できない事例
- フロントロアグリルが汚れているとき
- フロントガラスの曇り、雨粒、シール等でカメラ前方が覆われているとき
- カーゴスペースやセカンドシート、サードシート✤に重い荷物を積んで、車が傾いているとき
- 適正なタイヤを使用していないとき
- タイヤチェーンを装着しているとき
環境によりレーダーセンサーやカメラが正しく検知できない事例
- 雨、霧、雪などの悪天候
- 夜間やトンネル内等の暗いところ
- トンネルの出入り口や、木、建物の影などで明るさが変化したとき
- 逆光のとき
- 強い光が車両や歩行者、路面に反射しているとき
- 前方の車両による水しぶきや雪の巻上げがあるとき
道路の状態によりレーダーセンサーやカメラが正しく検知できない事例
- カーブ、うねった道路、坂道などのとき
- 路面に水溜りや水膜があるとき
- 雪道や未舗装路などわだちのある道路のとき
- 狭い鉄橋を走行しているときなど、車両や歩行者の周囲に電波を強く反射する物があるとき
前方の車両や対向車、歩行者の状態によりレーダーセンサーやカメラが正しく検知できない事例
- 前方の車両や歩行者との距離が極端に短いとき
- 自車の前方に車両が急に割り込んだとき
- 自車の前方に対向車や歩行者が飛び出したとき
- 歩行者の一部(頭や手足など)が荷物等によりかくれているとき
- 歩行者が背景に紛れて、カメラが歩行者を検知できないとき
- 歩行者が前かがみやしゃがんだ姿勢をとっているとき、手を挙げたり、走っているとき
- 歩行者の身長が約1m以下、または約2m以上のとき
- 歩行者が集団で前方にいるとき
- 暗がりで前方の車両が無灯火のとき
その他、作動できない事例
- 衝突を回避しようとして、運転者がブレーキやハンドルを操作したとき
- 急加速やハンドル操作をしながら、前方の車両や対向車、歩行者に接近したとき
- 前方の車両や対向車、歩行者が自車の正面にいないとき
- 前方の車両や歩行者との速度差が大きいとき
- 前方の車両が急減速したとき
- 自転車や二輪車、車いす、特殊な形状の車両などのとき
- 交差点などで自車の前方に車両が飛び出したとき
- 歩行者のかたちとしてカメラが正しく検知できないとき
衝突の可能性のない場合の作動について
衝突の可能性がなくても、以下のとき、CMBSが作動することがあります。
- 左折、または右折している前方車両がいるとき
- 追い越し時に前方の車両や交差点などで対向車に接近して走行するとき
- 低いゲートや狭いゲートなどの間を規制速度を越えるような速度で通過しようとするとき
- 段差のある道路、線路、工事の鉄板などの上を走行するとき
- カーブ途中の道路脇に標識やガードレールなどがあるとき
- カーブ走行などで自車の正面に対向車がいるとき
- 駐車時など、停止している車両や壁に接近するとき
誤発進抑制機能
停車時や約10km/h以下で走行しているとき、自車のほぼ真正面の近距離に車両などの障害物があるにもかかわらず、アクセルペダルを踏み込んだ場合に、パワーシステム出力を抑制し、急な発進を防止するとともに、音と表示等で接近を知らせる機能です。
なお、急な坂道やシフトポジションがP、R、Nのときは、作動しません。

- 警告
-
あらゆる状況でアクセルペダルの踏み過ぎによる衝突を軽減したり防止できるものではありません。運転者が常に周囲の状況を確認し、安全運転を心がけ走行して下さい。
- さらに詳しく
-
誤発進抑制機能は、CMBSと同じセンサーを使用しています。CMBSをOFFにしているときは、誤発進抑制機能は作動しません。また、誤発進抑制機能を正常に作動させるために守ること、正常な作動ができない状況、衝突の可能性のない場合の作動やレーダーセンサーの取り扱いなどは、CMBSと同じです。踏切内に閉じ込められたときは、遮断機を障害物として検知することがあります。そのときは、慌てずにアクセルペダルを踏み続けるか、CMBSをOFFにして遮断機を押しのけてください。
作動解除の条件
- アクセルペダルを離したとき
- アクセルペダルを約4秒間踏み続けたとき
- ブレーキペダルを踏んだとき
- ハンドルを操作して、衝突を避けようとしたとき
✤:タイプやオプションなどにより、装備が異なります。
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