e:HEV
e:HEV 車は、モーターとガソリンエンジンを搭載しており、その両方を動力源として使用します。そして、モーターは高電圧バッテリーやジェネレーター(発電機モーター)から供給された電気により駆動します。高電圧バッテリーは、エンジンとジェネレーターによる発電、または回生ブレーキにより充電されます。充電された程度に応じて、電力のみで走行することができます。
モーター、ガソリンエンジン、ハイブリッド(モーターとエンジン)による走行の、合計 3 種類の走行状態があります。どのような運転が適切かをシステムが判断し、走行状態を自動的に選択します。
• エネルギー効率について
通常のガソリンエンジン搭載車と同じように、この車の燃費や航続可能距離は、運転のしかたによって大きく左右されます。急加速や高速で走行すると、動力源がエンジンへ切り換わりやすくなります。また暖房負荷や冷房負荷が高いとき、航続可能距離が短くなります。いずれの場合も高
電圧バッテリーの残量は早く低下します。
• バッテリーのタイプ
2種類のバッテリーが装備されています。エアバッグ、ライト類や電気アクセサリーを使用するための12Vバッテリーと、モーターの駆動と12Vバッテリーを充電する高電圧バッテリーです。
ハイブリッド車について
高電圧部位や高電圧配線部は電磁シールド構造になっています。
従来の車や家電製品と比べて電磁波が多いということはありません。
e:HEV の構成部品
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- 高電圧バッテリー
- ジェネレーターとモーター
- エンジン
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エンジン ‒ ジェネレーターを回します。状況によっては車軸を直接駆動することもあります。
ジェネレーター ‒ エンジンを始動します。エンジンが作動中はジェネレーターで発電してモーターに電力を供給したり、高電圧バッテリーを充電します。
モーター ‒ 車軸を直接駆動します(状況によってはエンジンと連動します)。また回生ブレーキで得た電気を高電圧バッテリーへ供給します。
高電圧バッテリー ‒ 電気をためておき、モーターに電気を供給します。
高電圧バッテリーの特性を理解しておくことが、EV 走行の距離を伸ばすことにつながります。高電圧バッテリーの特性

走行モード | EV 走行 | ハイブリッド走行 | エンジン走行 (直接駆動) |
回生 |
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走行状態 | 停車中または低速走行中
|
走行中かつ強い負荷がかかっているとき(加速中や登坂中など)
|
高速走行中かつ負荷が少ないとき
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減速中かつアクセルペダルも操作していないとき
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パワー フロー モニター | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
モーター | 停止 / 作動 | 作動 | 発電 / 作動 | 回生 |
ジェネレーター | 停止 | 発電 | 出力なし | 停止 / 出力なし |
エンジン | 停止 | 作動 | 作動 | 停止 / 出力なし |
高電圧 バッテリー | 放電 | 充電 / 放電 | 充電 / 放電 | 充電 |
回生エネルギーと回生ブレーキ
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減速時または下り坂では、モーターは発電機として働き、加速時に使った電気を取り戻します。
この回生ブレーキ機能は、エンジンブレーキと同じような働きをし、減速セレクターを操作して、減速の強さを変更できます。 -
- モーター
- 高電圧バッテリー
エンジンは自動で停止/始動します
エンジンが自動的に始動や停止します。そのため、停車時にエンジンが停止状態から始動することがあります。特に、次のようなときは、エンジンが自動的に停止しないことがあります。
- 急加速、登坂、高速走行時など、瞬間的に駆動力が足りず補助が必要なとき
- 暖房負荷や冷房負荷が高いとき
- 高電圧バッテリーの温度が高いとき、または低いとき
- 高電圧バッテリーの充電状態が非常に低いとき
ハイブリッド車特有の音について
パワーシステム起動時や走行中に、次のような音が聞こえることがありますが、異常ではありません。
聞こえるとき | 状況 |
---|---|
エンジンの始動・停止時 | トランスミッションの作動音が車両前方から聞こえます。 |
加速時 | モーター作動音、エンジン作動音がエンジンルーム内から聞こえます。 |
減速時 | エネルギーを回生するために、モーター回生動作音がエンジンルーム内から聞こえます。 また、低速走行でブレーキを踏んだときやブレーキシステムが切り換わるときにブレーキ装置から、音が聞こえることがありますが、異常ではありません。 |
エアコン、ヒーター作動時 | コンプレッサーやヒーターシステムの作動音がエンジンルーム内から聞こえます。 |
ご使用時の注意
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高電圧システムには触れない
高電圧システムを分解や配線取り外しなどを行うと感電するおそれがあります。点検・修理は、必ずHonda 販売店にご相談ください。
事故が起きたとき
● 感電に注意する
- 車体が大きく破損・変形するような事故が起きたときは、感電するおそれがあります。高電圧部位やそれらを接続する配線(オレンジ色)には、絶対に触れないでください。
- 高電圧バッテリー液がもれているときは、バッテリー液が目や皮膚に付くとその部分が侵されますので、十分に注意してください。万一付着したときは、すぐに清浄な水で数分間洗浄した後、ただちに医師の診察を受けてください。
- 少量の水での消火は、かえって危険な場合がありますので、水はかけないでください。
- 車体が損傷を受けたときは、必ずHonda 販売店で修理を受けてください。
高電圧遮断システム
事故などにより車体が衝撃を受けたときに、高電圧遮断システムが作動する場合があります。システムが作動すると、高電圧システムが自動的にOFFになり、走行可能状態になりません。高電圧システムを再始動するには、指定のHonda販売店にご連絡ください。
高電圧バッテリーは、リチウムイオンバッテリーを使用しています。廃棄処分については特別な取り扱いが必要です。廃車するときは、Honda 販売店にご相談ください。
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冷却風取り入れ口をふさがない- 冷却風取り入れ口(後席下)
冷却風取り入れ口がふさがれると高電圧バッテリーの温度が上昇するおそれがあります。高電圧バッテリーを保護するために出力が制限され、パワーシステム警告灯や12V バッテリー充電警告灯が点灯することがあります。