高さ・背もたれ・素材、
キャンプ用チェアの
スタイル別の特徴

1日中アウトドアで過ごすキャンプでは座り心地のいいチェアがほしいもの。座面の高さや座面の張りによってくつろぎ度が異なりますし、組み立て・撤収の手間も考慮すべきポイントとなります。スタイル別にチェアの特徴をまとめてみました。

更新日:2023.04.19

自分に合った
キャンプ用チェアを選ぶポイント

キャンプ用のチェアがあれば、地面からの冷えや湿気を気にすることなくくつろげます。
似たようなデザインのチェアでも、背もたれの角度や座面の張り具合は好みがわかれるもの。また、体格や姿勢によってはフレームが身体に触れる場合があり、これが長時間座っていると気になってきます。

チェア選びでは実際に座り比べるのが一番ですが、チェアの種類は非常に多く、すべてを座り比べるわけにはいきません。
スタイルごとの特徴を押さえることで、候補をグッと絞ることができます。

座面の高さで考える

チェアを座面高でざっくりわけると、45cm以上がハイチェア、それ以下はローチェア、そして脚のないものを座椅子と分類されます。

ハイチェア

ハイチェアは座面高が45〜50cm程度。座るのも立ち上がるのも楽で、腰や膝に負担がかかりません。
ハイテーブルと組み合わせるときちんとした姿勢で食事や作業ができるのもポイントです。ワーケーションにおいてはパソコン作業もしやすいでしょう。

ローチェア

ローチェアの座面高は25〜35cmが主流。足を投げ出すように座るのでくつろぎ重視ですし、地面に近いので焚き火作業にも向いています。

ただし、座面が低いほど立ち上がるのが億劫になります。また、シェルター内に並べても圧迫感はありませんが、テーブルの下に足をいれづらいため案外場所を取ってしまうので注意が必要です。

子どもとチェアを共用できることもメリットのひとつ。
ベンチタイプであれば小さな子といっしょに座れ、ケアできますし、ひとりでゆったり座ることだって可能です。

なかには座面高20cm程度のチェアもあります。
ここまで座面が低いとローテーブルの下に足が入りますし、あぐらをかくようにも座れます。

なお、一般的なローチェアよりもやや座面高が高い40cm前後のものは、膝下をまっすぐおろした姿勢も、足を投げ出すくつろぎ姿勢もどちらも可能。子どもが無理なく座れますし、ワーケーションにも使えます。

座椅子

アウトドア用の座椅子は、簡単に言えば背もたれ付きのマット。テント内(車中泊なら車内)でくつろぐ時に適しています。
マット部分のクッション性は低いですが、軽く、どこにでも持ち運べますし、小さな子が座っても転がり落ちる心配がなく、ぶつかっても痛くありません。

組み立て方によって変わる座り心地

組み立て・たたみ方には、2〜3つに折りたたんで薄く持ち運べる「折りたたみ式」、フレームを中心に向かってまとめる「収束式」、フレームと座面を分けてコンパクトにたためる「組み立て式」があります。

※写真一番右のチェアは2枚のフレームを組み合わせるので折りたたみ式とは言えませんが、収納状態は極めて折りたたみ式に近い形状ですので参考にしてください。

折りたたみ式

折りたたみ式は座面や背もたれに張りがあり、しっかりした座り心地が好きな人向き。収納時は平べったくはなるものの、意外とかさばります。

組み立て式

組み立て式のチェアはフレームに生地をひっかける構造のものが多く、包み込むような座り心地。収束式に似ていますが、よりハンモックに近いゆらぎがあります。

収束式

収束式はしなやかさをいかした座り心地。組み立て式よりも太目のフレームを用いているため安定感があります。

背もたれの角度と高さをチェック

背もたれが大きく倒れるほどゆったりくつろげます。
近年は2段階〜無段階にリクライニングできるチェアも増えています。リクライニングチェアの場合は、調節の仕方が簡単なのか、壊れにくい素材かもチェックしておきましょう。

座面と背もたれがほぼ直角のチェア。きちんとした姿勢ですが、背もたれと座面が伸縮性があるものであれば疲労感はありません。

背もたれが後傾しているチェアはゆったり過ごせます。背もたれが頭まで支えるものであればチェアに身を預けられます。

一般に、座面が広く、背もたれが高い(ハイバック)ほどゆったりできますが、その分、収納サイズが大きく、重くなります。家族分をまとめるとかなりのスペースをとってしまうのでバランスのよいものを選びましょう。

肘掛けは身体にあったものを

肘掛けは好みがわかれるところ。
肘掛けがないチェアは脚にフレームがあたることがなく、開放的です。

一方、アームレストと言うとおり、肘掛けがあれば腕が疲れにくくなります。肘掛けの高さや自然に腕が沿う角度になっているか、そして手触りにもこだわりたいところです。

座面の素材は肌触りと蒸れにくさをチェック

長時間座っていると、いつの間にか蒸れて背中やおしりに汗がたまっていることがあります。蒸れを避けるならメッシュを使った座面がいいでしょう。

メッシュ

メッシュは通気性がよく、水着など濡れたまま座っても染みになることはありません。
半面、冬は寒いのでブランケットや中綿入りのカバーをかけるなど工夫が必要です。

化繊

化繊は軽くて丈夫。カラフルでプリント柄も多く、デザイン製の高さもポイントです。
ただし、蒸れやすく、火の粉にはめっぽう弱い傾向にあります。火の粉に弱いのはメッシュも同様。

焚き火のそばで使う場合は、難燃素材のカバーをかけるほうがいいでしょう。ちなみに難燃をうたう素材がありますが、燃え広がりはしないものの、一定以上の時間、火や炭のかけらが触れた場合には焦げ跡が残るものがほとんどです。

コットン

コットンは風合いがよく、メッシュほどではありませんが通気性があります。長く使っていると味わいが増すのも人気の理由。
ただ、一度濡れるとなかなか乾きませんし、変な風に染みが残ることも。また、チェアに用いられているコットンは厚手のため、どうしても重くなりがちです。

安価なものが多く、気軽に手に取れるチェアですが、じつは身体にあった座り心地のよいチェアを見つけるのは至難の業。
チェアの種類と性質を踏まえておくと、座ったときの違和感の正体に気づきやすく、ベストな1脚に近づけますよ。

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※このコンテンツは、2023年04月の情報をもとに作成しております。