冬キャンプの2大スタイル!
「2ルームテント」と「シェルター
+テント」の使い勝手の違い

日中は焚き火にあたりながらゆっくり過ごせる冬のキャンプですが、太陽が沈むといくら焚き火があっても風が冷たくて外では過ごせません。あたたかく過ごすためには風や冷気の対策が必須で、「2ルームテント」と「シェルター+テント」が2大スタイルとなります。それぞれのスタイルの使い勝手や違いをご紹介します。

更新日:2022.01.12

「2ルームテント」と「シェルター+テント」が、
冬キャンプの2大スタイル!

キャンプで快適に過ごすにはさまざまな条件がありますが、冬キャンプでは風や冷気が入りにくい寝室とリビングを作ることが大きなウエイトを占めます。

というのも、基本的にテントやシェルターでは火器(バーナーやストーブ、燃焼系ランタンなど)を使えないため、隙間風がピューピュー入ってくる寝室や吹きさらしのリビングでは寒さがこたえ、寝袋に潜り込むしかありません。これではキャンプ=楽しいことではなくなってしまいます。

快適な空間を生み出す方法として代表的なスタイルが2つあり、ひとつは家族みんながくつろげる大きさのリビングをもつ2ルームテントを使うこと。もうひとつはテントとシェルターを組み合わせて使うことです。
冬キャンプの2大スタイルとも言える「2ルームテント」と「シェルター+テント」、それぞれのスタイルの使い勝手を考えてみましょう。

昔ながらの区画サイトなら
2ルームテントがおすすめ!

現在のキャンプスタイルの主流は、ひとつのテントに寝室とリビングが付いている2ルームテントです。

2ルームテントの利点はなんといっても1張りで寝室とリビングを作れること。しかも、寝室とリビングに嫌な隙間が生まれず、雨や風が浸入しません。

接続不要だから設営が簡単!

寝室のドアパネルはスッキリ。シェルターとテントを接続する場合はテントのドア部分が大きくリビングに侵食することがありますが、2ルームテントではその心配はありません。とにかく簡単です!

一方で大型2ルームテントはフレームが長くなりがちで、生地も重くなるため、設営に手間取ることも。狭い区画サイトや木が密集した林間サイトでは入りきらない場合もあります。また、大型2ルームテントは夏は涼しくていいのですが2〜3人の家族では広すぎてかえって寒く感じることも。冬は使用人数に合った、ほどほどのサイズを用意しましょう。

リビングが水浸しになりにくい!

寝室とリビングの間に隙間がないので、隙間を伝って雨が入ってリビングが水浸しになりにくいというところもメリットと言えます。

テントが吊り下げ式であれば、雨や雪の日は寝室(インナーテント)を先にたたむことができます。濡れものを最小限にできるのは便利です。

いつもは家族4人だけれどたまにはソロキャンプやデュオキャンプ、というような場合は、付属インナーではなくソロ用のテントを中に入れるカンガルースタイルにしてあたたかく眠るなんていうアレンジも可能です。

カンガルースタイルについてはこちら
話題のカンガルースタイルのメリットをチェック!

2ルームテントのメリット・デメリット
1張りで設営できる
隙間がないためリビングに雨が浸入してこない
サイトによっては建てられない場合がある
1張りにリビング部分もあるので、収納もかさばり重い

アレンジを楽しむなら
シェルター+テント

シェルターとテントの組み合わせは根強い人気のスタイルです。
シェルターと同じブランドのテントを選べば、ぴったり接続できるものが多く、2ルーム感覚のサイトにするのがスタンダードな使い方とも言えます。

最近はあえてテントと組み合わせずにコットを入れてシェルター単独で使う、小型テントを丸ごとシェルター内に入れるカンガルースタイルなど、さまざまなアレンジを楽しめる点がベテランを中心に評価されています。

接続方法を事前に把握しておく必要あり!

同一シリーズのテントをピタッと接続できるものが多く、雨や雪、隙間風の浸入を極力抑えられます。サイズが合えば別ブランドのテントとも接続できますが、その場合は隙間が生じる場合があります。冬キャンプでは現地で隙間に気づいても遅いので、事前に試し張りをしておきましょう。

また、写真のテントやシェルターとは異なる非自立型(カマボコ型やワンポール、2ポールなど)のテントやシェルターの場合、位置の微調整が簡単ではありません。

極寒のフィールドで何度もやり直すのは大変ですから、非自立型を接続させる場合はある程度練習して距離感やコツをつかんでおきましょう。

狭い場所でも対応できる!

林間のフリーサイトなど狭い場所しか残っていない場合は、テントとシェルターを別々に建てて対応できます。また、テントとシェルターの接続方法によりますが、テントを少しシェルター内に深く押し込むことで木立に干渉させず設営できることも。

こうした2ルームテントにはない対処方法ができることもシェルター利用のメリットでしょう。

また、どちらかにフレーム破損などの不具合が生じた場合でも、シェルターまたはテント内でやり過ごせることも利点と言えます。

シェルター+テントのメリット・デメリット
アレンジしやすい
シェルターとテントをそれぞれ単独でも使え、扱いやすい
設営に2張り必要
シェルターとテントを接続する場合は事前準備やコツがいる
隙間を完全になくすことは難しい

1年を通して使うなら?

2ルームテントの場合

2ルームテントはスカートが冬を快適に、大きなメッシュパネルがあれば夏も快適に過ごせます。

吊り下げ式のインナーテントであれば、インナーテントなしで大型シェルターとして利用OK。3世代キャンプなど大人数でのキャンプに対応できます。

シェルター+テントの場合

シェルターとテントを別々に用意するスタイルは、夏はシェルターをタープに変え、気候がよくて雨の心配がない日は軽快にテントのみといった具合にアレンジが可能です。

2張り設営しなくてはいけませんが、ファミリー用のテントやシェルターであってもフレームの長さはほどほどで扱いやすいため苦にはなりません。


あれこれアレンジを考えるよりも一発でピタッとサイトを作りたい人は2ルームテント、その時の環境によって最適解を考えるのが好きな人はシェルター+テントが向いていると言えそうです。

撮影協力:
カンセキWILD-1事業部 https://www.tent-mark.com
PICAさがみ湖 https://www.pica-resort.jp/sagamiko/
ロゴスコーポレーション https://www.logos.ne.jp/
※このコンテンツは、2022年1月の情報をもとに作成しております。