肉がおいしく仕上がる!
ミニ鉄板の使い方と手入れのコツ

BBQグリル付属の大型鉄板は豪快な鉄板料理を楽しめますが、少人数のコンパクトなキャンプではなかなか出番がありません。その点、手のひらサイズのミニ鉄板は焚き火だけでなくダッチオーブン対応のバーナーでも使えますし、ひとりひとりにサーブして熱々を食べられるのも魅力です。この記事では、ミニ鉄板でおいしく調理するためのポイントや手入れ方法などをご紹介します。

更新日:2021.10.06

厚手で蓄熱性の高いミニ鉄板は、
肉をおいしく焼き上げる!

フライパンや鉄鍋もそうですが、厚手の鉄板は蓄熱性が高く、むらなく焼き上げられるのが魅力です。

特にステーキ肉などは、火加減を上手にコントロールしないと表面だけ焦げて中は生のままなんてことがありますが、厚手の鉄板なら弱火でジワジワ加熱するだけで中心までふっくら。旨みを逃がさず、表面はほどよい焼き色になります。

鉄板は厚いほど肉をおいしく焼き上げるとも言われていますが、いくらミニ鉄板であっても厚いと重く、持ち運びが大変。厚みと持ち運びやすさを考慮して選ぶ必要があります。

無理なく持ち運ぶのであれば、重量は1kg程度が目安。1kg程度であれば、焚き火台からおろして卓上に置く、手入れのために炊事場まで持っていくのも無理がありません。

種類はフチなしのシンプルなものから、旨みを受け止めるフチあり、溝あり、香ばしい焼色がつく波型などいろいろなものがあります。
手入れを考えればフチなしが一番ですが、フチや溝、波型は汚れが残らないようにするひと手間が必要ながら、旨みを受け止めたり焼き色がついたり、フチなしにはない魅力があります。一長一短なので、目指す“焼き具合”と“手入れ”のバランスを考えて選びましょう。

厚手の鉄板は、焚き火や炭火にかけてもゆがむことはありません。

コンパクトなので、ダッチオーブン対応のバーナーで使えます。

注意したいのがガス缶直結のシングルバーナーです。これらは鉄板からの輻射熱で燃料に熱が伝わる危険がありますので、使用しないでください。分離型のシングルバーナーであれば、ミニ鉄板を載せられるものもありますが、鉄板がガス缶や燃料ボトルの上にかからないようにしましょう。

おいしく焼くコツ

ミニ鉄板でおいしく食材を焼くための秘訣は、しっかり熱を蓄えることと、弱火でジワジワ加熱すること。

中火で鉄板を加熱し、十分熱を蓄えたら油をなじませます。食材をのせたら弱火に変えて、時間をかけて芯まで加熱しましょう。

ごく弱火でジワジワ加熱するだけで、レアなステーキが完成。安い赤身のステーキ肉であっても、肉汁を逃がすことなく驚くほどおいしく仕上がります。

ちなみに強火で加熱すると、いくら分厚い鉄板であっても表面が焦げ、旨みが飛んでしまいます。弱火でジワジワ加熱を忘れずに。

購入直後の準備

鉄製品は最初が肝心です。とはいえ鉄板表面の錆止めを落とすだけ。気負わず錆落としをしましょう。製品によって最初の手入れの仕方は異なりますが、基本は火で焼き切る→洗剤で洗い流す→水気を切って油を塗る、の3ステップです。

1. 火で焼き切る

鉄板全体を火にかけて表面の錆止め、油を焼き切ります。
鉄板の色が変わり、煙が出なくなるまで加熱します。写真は古い家庭用ガスコンロなので中〜強火のまま長時間加熱できますが、最新の家庭用ガスコンロに鉄板をかけると安全装置が働いて火が消えてしまい、うまく焼き切ることができません。その場合はダッチオーブン対応のキャンプ用バーナーやBBQグリル(炭火)を使ってください。

前後左右、まんべんなく加熱して錆止め、油を焼き切ったら、しばらく放置して鉄板を冷まします。この際、熱い鉄板に水をかけるのはNG。放置して自然に冷めるのを待ちましょう。

2. 洗剤で洗い流す

手で持てるくらいまで冷めたら洗剤ですみずみまで洗います。火傷にはくれぐれも気をつけて。

3. 水気を切って油を塗る

洗剤が残らないよう流水でよくすすいだら再び火にかけて水分を飛ばし、あたたかいうちに食用油を塗り広げます。あればトングや耐熱グローブを着用して作業すると安全です。

この後、鉄板を煙が出るまで火にかけて冷まし、食用油を塗るという手順を2〜3回繰り返して油をなじませたら準備は完了。鉄板料理を楽しみましょう。

調理後の手入れ

鉄板が熱いうちに、金属や竹のヘラで汚れをこそげ落としておきます。溝やフチ、凹凸付きの鉄板は、汚れが残らないよう細いブラシを使うのもいいでしょう。
その後はペーパー類で拭き取り、ぬるま湯〜熱湯でサッと表面を流します。

火にかけて水分をしっかり飛ばし、鉄板があたたかいうちに食用油を薄く塗ります。
あたたかいうちに新聞紙にくるむと結露で錆びやすくなります。火からおろして自然に冷めるまで待ち、新聞紙やペーパーでくるんで保管しましょう。

ミニ鉄板は滅多に壊れることがありませんし、たとえ錆びてもリセットできます。気負うことなく手にしてみましょう。

取材協力:PICA相模湖 https://www.pica-resort.jp/sagamiko/
※このコンテンツは、2021年10月の情報をもとに作成しております。