キャンプで扱いやすいタイプは?
ホットサンドメーカーの選び方

ホットサンドメーカーは好きな具材をパンに挟んで焼く調理器具ですが、その使い道はホットサンドを作るだけにあらず。小さなフライパンとしても活用できるため、ソロキャンプで使用する人も増えています。今回はそんな便利な調理器具、ホットサンドメーカーの種類や選び方をご紹介。キャンプではどのようなタイプのものが扱いやすいのでしょうか?

更新日:2021.04.14

ホットサンドメーカーの
メリット・デメリット

ホットサンドメーカーは焼き面が両面あるということが一番の特徴です。たとえばフライパンでオムレツやお好み焼きを焼くには、形を崩さないよう慎重にひっくり返す必要があります。ところがホットサンドメーカーであれば、両面が焼面のため、ホットサンドメーカーごとひっくり返すだけで形を崩すことなく両面を焼けます。

ただし、上下ともに同じカタチなので、液体を流して焼けば、すべて同じ形になります。挟み込むため、ホットケーキもオムレツも同じような見た目になるわけです。それも愛嬌といえば済む話しかもしれませんが、料理の見た目に関しては融通が利きません。

焼面が2面ある特殊な形状ですが、上側を開けば小さなフライパンとして食材を焼くことができます。基本的にパンにムラなく熱を通せるよう、ホットサンドメーカーはどれも厚手。そのため、肉をじっくりおいしく焼き上げられることもメリットでしょう。

ホットサンドメーカー
選びのポイント

素材はフッ素加工の有無に注目

焼面は鉄やステンレス、アルミなど、ほかのクッカーと同じような素材が使われています。アルミにフッ素加工を施しているものもあり、これは汚れがつきにくくてアウトドア向きに思えますが、高温に弱く空焼き厳禁。また、傷がつくとかえって焦げ付きやすくなるので、ラフに使いたい人には向きません。

加工していないアルミや鉄は使い始めに油をなじませる手間がかかりますが、だんだん使いやすくなる成長ぶりを愛でる楽しみ方があります。

キャンプでは分離型が人気

ホットサンドメーカーは2枚のフライパンが組み合わせられた調理器具ですが、キャンプでは2枚のフライパンに分離できるものが人気。ソロキャンプであれば、ほかにフライパンを用意しなくてもよく、少しの肉を焼くなんてときに重宝します。
一体型でも開けば同じように使えますが、分離できると細かなところまで洗えることも利点です。

ただし、分離型は接続部分の構造に注意が必要です。組み合わせて使っているときに万一接続部分が外れてしまった場合、接続部分に触れなくても組み合わせられるものであればいいのですが、凹になっている側と凸になっている側をかみ合わせてからスライドし接合させるような複雑な構造だとやっかい。料理中に組み合わせることができず、作り途中の料理が台無しになってしまうこともあるので、その構造を確認、理解してから手に入れましょう。

ハンドルが長いと焚き火向き、短いとバーナー向き

ハンドルの長さは、焚き火とバーナー、メインで使用する熱源を基準に選ぶと良いでしょう。

ハンドルが長いものは焚き火向き。椅子に座ったまま焚き火にかざすことができます。とはいえハンドルが長いと持ち運びが不便になりますので、ハンドルはねじ込み式のものがベストです。

一方、バーナーを使うならハンドルが短めのほうが邪魔になりません。焚き火にせよバーナーにせよ、ゴトクに載せた状態で使うならハンドルが短いほうがバランスを取りやすく、安定します。

ハンドルを折り畳めるものはコンパクトに持ち運べるのが特徴。持ち運びは便利ですが、可動式のためちゃんとロックできるかを確かめておきましょう。

焼き上がりのフチの有無は好みで

ホットサンドメーカーには、焼面の周囲が平らになっているフチありのタイプ(写真左)と、フチ無しのタイプ(写真右)があります。

フチありのタイプは、フチをカリッと焼き上げることがきます(写真内左側)。また、このタイプは前夜のカレーやチリコンカンなど、とろみのある具を挟んでホットサンドを作っても流れ出ることがありません。
反対にフチ無しのタイプ(写真内右側)は全体にふんわり仕上がり、端の方まで具をたっぷりのせられます。

好みで選べばいいですが、小さな子といっしょなら具がこぼれにくいフチありタイプのほうが食べさせやすいと言えます。

ホットサンドメーカーを
使う前の準備と使用後のお手入れ

食材を載せる前にプレヒートを忘れずに

フッ素加工を施したホットサンドメーカーはプレヒート不要ですが、そうでないものは焼き面を温めてからオイルを薄く塗ることが大切です。焦げ付きにくくなりますし、焼きムラができにくくなります。
*事前に必ずホットサンドメーカーの説明書を確認してください。

ホットサンドなら基本的に具はそのままでも食べられる状態ですので、パン表面に焼き色がつけば大丈夫。温めておくことで出来上がりまでの時間が短縮され、パン生地のしっとり感も残ります。

目玉焼きもこのとおり。黄身が崩れることなく、こびりつくこともなく、ホットサンドメーカーごとひっくり返すだけで半熟にできました。

また、パンに塗るだけでアレンジができる、子どもたちが大好きな味付きショートニングも、サッと両面に焼き色をつけてサクサクに仕上げられます。

焚き火やバーナーを使った焼き方

四角い調理器具は四隅に熱が通りにくいのが難点ですが、焚き火や炭火であればホットサンドメーカーをカバーできる大きさまで熾を広げることで均一に焼き上がります。
熱で溶けたり焼けたりするパーツがないものであれば、焚き火台のゴトクに載せたままでも大丈夫。

バーナーの場合、弱火でじっくり。弱火が苦手なバーナーや炎が中央に集中するバーナーの場合は、ゴトクに乗せっぱなしにせず、こまめに炎に当たる場所を変え、距離を調節して均一な焼き加減を目指しましょう。バーナーとホットサンドメーカーにはそれぞれ癖があるので、何枚か焼いて見極める必要があります。

手入れはほかのクッカーと同じ

使用後は柔らかいスポンジで汚れを落として乾燥させます。鉄製なら火にかけてしっかり水分を飛ばし、薄く油を塗っておきます。手入れはほかのクッカーと同じです。クッカーとしても優秀なホットサンドメーカーは、手入れをすることで長く愛用できますよ。

※このコンテンツは、2021年4月の情報をもとに作成しております。