寒いキャンプで何かと役立つ
「湯たんぽ」活用法

テントの中が寒いとき、安全性と快適さを両立するためには、火を使わず体を温めることが第一の条件です。テント内でストーブを使うキャンパーが増えていますが、これは一酸化炭素中毒ややけどの危険がつきものです。AC電源を利用して電気毛布を使うと快適ですが、行きたいキャンプ場に必ずしもAC電源サイトがあるとは限りません。そこで役に立つのが「湯たんぽ」。テント内で使っても空気はクリーン、指先やおなかをじんわり温めてくれます。今回は、そんな「湯たんぽ」の活用法をご紹介します。

更新日:2020.02.19

コストパフォーマンス抜群で
思いのほかパワフル!

電源も熱源も不要、持っているだけで温かい湯たんぽは、寒い時期のキャンプに持っていくと手離せなくなるアイテムです。ランニングコストは湯を沸かす燃料代くらい。冬はもちろん、朝晩に冷える春先や秋口など、結構長いシーズンで使えるので、コストパフォーマンスは抜群です。
ストーブとは違って空気が汚れませんし、肌が乾燥することもありません。なにより思いのほかパワフル。さすがに翌朝には湯が冷めていますが、ジャグから注ぐ冷水とは違ってほんのり温かく感じるので、湯たんぽの中の水を使えば朝の洗顔だって苦になりません。
湯を注ぐときには注意が必要ですが、火を使わないので小さな子どもやペットがいるキャンプサイトでも安心して使えます。これも大きなメリットでしょう。

キャンプ用の湯たんぽは
金属製か樹脂製がおすすめ!

湯たんぽには金属製、陶器製、樹脂製などがあります。陶器は保温力が高いのですが割れる心配があるので、持ち運ぶことを考えると、金属製や樹脂製が扱いやすいでしょう。
樹脂製の湯たんぽには、ハードタイプのものと、くにゃくにゃしたソフトタイプがあります。触れても違和感が少なく、コンパクトに収納できるのはソフトタイプです。金属製もそうですが、昔ながらのデザインをしたハードタイプの樹脂製湯たんぽは中がデコボコしているので水が残りやすい面も。使用後の水切れがいいものを選ぶとカビや錆の不安を軽減できます。
いずれの湯たんぽでも、大容量であるほど保温時間は長くなりますし、フタが大きいほど湯を注ぎやすいので湯たんぽ選びの参考にしてください。

使い方はシンプル。ケトルでたっぷり湯を沸かし、湯たんぽの中に注ぎます。このとき、やけどをしないよう耐熱グローブをはめ、湯がこぼれてもいいよう屋外で作業しましょう。
金属製の湯たんぽには、一部、フタをはずした状態で火にかけられるものがあります。火にかけられるものであれば、ケトルから湯たんぽに移し替える手間がかかりません。

専用の袋やタオル、毛布に包めば準備完了です。

湯たんぽを忘れた、または足りないといった場合は、ペットボトルや熱湯対応のボトルで代用できます。熱湯を注ぎ、タオルなどに包んで持てば、湯たんぽのようにじんわりあたたかさが伝わってきます。
ただし、熱湯を注ぐのでペットボトルはホット対応(オレンジのキャップのものが多い)のものを使いましょう。

また、ボトルは写真右のダブルウォールのものではなく、写真左のような薄手のものにします。ダブルウォールのボトルは保温性が高く、中に入れた湯が長時間冷めないのが利点ですが、ボトルの外側には熱がほとんど伝わりません。
写真左のようなシングルウォールのボトルであれば、熱い湯を入れると熱くてボトルを持てなくなるほど熱がよく伝わります。湯たんぽに湯を注ぐときと同じで、やけどに注意して作業しましょう。

どこを温めればいい?

一番冷えを感じるのは手や足の先だと思いますが、まずはおなかを温めることが第一。
人間には体温を一定に保とうとする性質があると言われており、寒い場所では、大切な臓器が詰まった体の中心部の体温を優先的に保とうと血液が集まるため、手先、足先の血行が悪くなり、手足の先端が冷えやすいのだそう。もちろん、ストレスなどによる自律神経の乱れ、きつい靴下を履いているなど他の原因もありますが、まずはおなかを温めることが第一なんです。

薄くて大きなブランケットを、おなかの位置にくるよう湯たんぽを包んでから下半身にかけます。ブランケットだけをかけるよりも、積極的におなかを温めることで手先・足先も冷えにくくなります。

おなかを温めても足先が冷えるようなら、小さめの湯たんぽの上に足を乗せます。足の上に毛布をかけると足の甲までじんわり温かい!

ローテーブルに大きめのブランケットをかけた簡易コタツ。この中に大きめの湯たんぽを入れて、みんなで足先でつつくのもいいですね。

寝袋に潜り込む前に湯たんぽを足先やおなかのあたりに入れておきます。こうすると冷たい寝袋に入って眠気が覚めるなんてことがありません。わかりやすいよう写真では寝袋の上に湯たんぽを置いていますが、寝袋で湯たんぽを包んで温めてください。
湯たんぽ入りの簡易コタツを作るなら、簡易コタツの中に寝袋を入れて温めてもいいですね。

古くからある湯たんぽですが、最近はそのよさが見直され、いろいろなメーカーからかわいいカバー付きや、カッコいいデザインの金属製湯たんぽが販売されています。秋〜春のキャンプで役立つうえ、エコな暮らし、災害時にも頼りになります。工夫次第でとってもパワフルに体を温めてくれる湯たんぽ、ぜひ活用してみてくださいね。

※このコンテンツは、2020年2月の情報をもとに作成しております。