はっ水剤をかける前のひと手間で性能が持続!
テントを長持ちさせる
メンテナンス法

最初はきれいな水玉で雨をはじいていたテントやタープも、次第にはっ水性が落ちてしまいます。そこではっ水剤を吹き付けるわけですが、その前にひと手間かけることで本来の性能を維持・復活できるんです。今回は、その方法をご紹介します。

更新日:2017.10.11

はっ水剤を吹きかける前に
目に見えない汚れもしっかり落とそう!

目で見ても気づきませんが、テントやタープは雨や雪、風に混じっている細かな汚れ、また汗や皮脂などによっても思っている以上に汚れています。汚れの上にはっ水剤をかけても、うまく定着できません。まずは、こうした見えない汚れをしっかり落としましょう。

1.無添加の中性洗剤を用意

洗剤は蛍光剤や漂白剤、香料などが入っていない無添加のものを使用。「ギア用」「テント用」と記された洗剤も販売されています。

2.コーティングを落とさないよう、やさしくていねいに汚れを落とす

テントのアウターやタープは、全体に水をかけながらやさしく洗います。ひどい汚れは中性洗剤を使います。生地の防水コーティングを傷つけないように気をつけましょう。テントのフロアは皮脂や食べ物の汚れが付着しがちなので、こちらも忘れずに洗います。
テントのフロアは平らな床に広げて、テントのアウターやタープはベランダや庭に建てて作業するとやりやすいです。なお、洗浄剤によってはシミになる場合があるので、目立たないところで試しておくことも重要です。

3.水でしっかり洗剤を流す

洗剤が残っているとはっ水剤が定着しづらいので、流水で念入りにすすぎます。

4.はっ水剤をかける

汚れが落ちたら、いよいよはっ水剤を吹き付けます。乾燥させた生地に吹き付けるタイプと、濡れた生地にかけるタイプがあるので、どちらなのかを確認しましょう。
ちなみに、はっ水剤はシリコン系とフッ素系があり、シリコン系のほうが効果が持続しやすく、フッ素系は防水透湿素材にも使えるなど特徴があります。自分のテントの素材にあったものを用意しましょう。

5.陰干しをして乾かしてから収納

テントやタープは湿気が残っているとカビやコーティングが劣化する原因になります。こうなると手に負えません。きちんと乾いてから、風通しがよく、高温にならない場所で保管しましょう。

メンテナンス後のテントに水をかけてみると、この通り。水玉が復活し、軽くテントを揺らすだけで水分が落ちるようになりました。

フレームやファスナーは
汚れを落としてから潤滑油を!

フレーム類

フレームや張り綱も汚れを落として陰干し。フレームのショックコードが伸びたり切れたりしていたら、交換しましょう。フレームのジョイント部についた埃をよく拭き取ってから、潤滑油を噴霧しておくと、しっかり接続できます。

ファスナー

出入り口のファスナーの動きが悪いとストレスがたまります。砂や糸がはさまっていないか確認し、ファスナーにも潤滑油を塗布しておきましょう。

破れやシームシールのはがれはリペアキットで補修

万一、テントやタープが破れていたり、シームシール(縫い目の防水テープ)がはがれていたりしたら、専用リペアキットを使って補修します。生地の補修は、シールを貼り付けるタイプのものが手軽です。貼り付ける部分の汚れを落とし、シールの角を丸くすることがポイント。

しまいっぱなしはNG!
半年に1度は広げて確認しよう

以前は2〜3人用テントを使っていたけれど、子どもが増えたので大型テントを購入した、冬キャンプ用の2ルームテントを買い増ししたなど、家族構成や遊び方が変化すると、それに合わせてテントが増えてしまうものです。テントを複数持っている場合は、クローゼットに入れっぱなしにするのではなく、半年に1度くらいの頻度で広げて、隅々まで状態を確認しましょう。

しまいっぱなしにすると、写真のように劣化して生地同士がくっついてしまいます。生地に施されたコーティングが湿気と反応して加水分解したり、経年劣化によってこのようなべたつきが出てしまいます。
軽度のべたつき(指で触れるとペタペタする程度)なら、メンテナンス専門店で対応できる場合もあるので、早めに相談しましょう。

※このコンテンツは、2017年10月の情報をもとに作成しております。