長方形をしたレクタングラータープは、ベーシックな形ゆえに好きなところで折りたため、ポールや張り綱の位置を工夫することで、いろいろな形にアレンジできます。今回は、そんな工夫のし甲斐があるレクタングラータープの天候にあわせたアレンジ術をご紹介します。
更新日:2017.09.29
レクタングラータープは、一番長いメインポールで中央を持ち上げ、両サイドを低いサブポールで立ち上げたスタイルが基本です。広く、端のほうでも圧迫感を感じない開放感がなんといっても魅力。複数チームでのキャンプでは、互いのサイトに行き来しやすいことも大きな利点となります。
デメリットは、全体的に屋根が平坦なため雨がたまりやすいことと、夕方の強い日差しを受けやすいこと。ただ、それらも張り方をアレンジすることである程度は対処が可能です。
レクタングラータープを購入すると、2本のメインポールだけでなく、4本のサブポールが付属されている場合が多いので、わざわざ買い足さなくても付属品だけでいろいろなアレンジができます。
雨対策に有効なのは、写真のように張り綱で一カ所を引っ張って一部分を低くし、雨の通り道を作ってやること。タープに雨がたまりにくくなります。
グロメットのついていないタープの場合は、小石やボタンなどを幕体で包み込んで出っ張りを作り、そこをストッパー代わりにすれば張り綱をとめることができます。ただし、石などゴツゴツした素材は生地を傷める危険があります。市販のタープ用クリップがあると安心です。
日差しは、片側を低くすることで解消できます。傾斜が大きくなるので、少しくらいの雨ならこれだけでも対応できますね。ただし、中央のリビングスペースの広さはさほど変わりませんが、端の方は圧迫感を感じてしまいます。
内部にコードが入っていて分離できないポールの場合は、折りたたんだ部分を写真のようにロープでまとめておくとつまずく心配がありません。
なるべく広々としたリビングをキープしたいなら、サブポールの位置を少し内側に移動。タープの端を垂らすようにすれば夕方のまぶしい日差しが入りにくくなります。
かなり変則的ですが、こんなスタイルも日差し避けに有効です。メインポールをテント側、サブポールは反対端と、中心からずらした場所にセットしています。テント側が高くなっているので、出入りがスムーズです。ただし、風や雨には弱いので、急な雨風には片側を直接ペグダウンをして、傾斜を急にして雨の流れをつくってあげたり、全体を低くしてあおられにくくするなど工夫が必要です。
あまりに風が強い日はタープをたたむしかありませんが、張り綱の多いレクタングラータープなら高さを抑えることである程度対応できます。
110cmくらいにしたメインポールを中央寄りに建て、周りを直接ペグダウンすれば、このようにフルクローズにすることもできます。荷物置き場や子どもの隠れ家に使えますが、タープのポールがあたる場所は力がかかるので、生地が傷みやすいのが難点。必ず当て布をして設営しましょう。稜線部分にあらかじめ補強布付きのループがあるものだと扱いやすいですね。
このアレンジは、ソロや2人程度の簡易テントとしても使えます。手前を跳ね上げ、蚊帳と併用すれば、思った以上に快適に過ごせます。
最後の簡易テントは、長方形や正方形以外のタープではちょっと難しいですが、そのほかのアレンジはウイングやヘキサタープでも同じ手法で対応できます。ただし、メインポールしか標準装備されていないので、サブポールやトレッキングポールをプラスして、天候・状況に応じた形に変えてみましょう。
※このコンテンツは、2017年9月の情報をもとに作成しております。