保冷剤の効率的な入れ方を解説!
クーラーボックスの上手な使い方

気温が高い夏は、生鮮食品の管理が大変です。そこで今回は、ハードクーラー、ソフトクーラー、それぞれの使い方や保冷剤の効率的な入れ方、食品保管のコツを解説。クーラーボックスの特性を知り、安全に食品を保管する方法を身につけましょう。

更新日:2017.07.14

ソフトとハード、どう使い分ければいい?

クーラーボックスには、ハードクーラーとソフトクーラーがあります。周囲だけでなく、底もフタも分厚い断熱材に囲まれたハードクーラーの方が、一般的に保冷力は良好です。
クーラーボックスも家庭の冷蔵庫と同じで、開けるたびに中の温度が上がります。これは、フタを開けると中の冷たい空気が外に流れ出て、外からあたたかい空気が流入するためで、開いている時間が長いほど影響が大きくなります。保冷力持続には、いかに開いている状態を少なくするかも大きなポイント。その点、ハードクーラーはパタンとフタを閉められるので、ファスナーで開閉するソフトクーラーよりも時間のロスが少なくて済み、これも保冷力持続の理由のひとつとなります。

一方、ソフトクーラーは名前の通り、しなやかな素材で作られていて、使わないときは畳むことができます。家庭での収納スペースが少なくて済むこと、またバッグのようになっているので持ち運びがしやすい点が大きな利点となります。

ハードクーラー(左)とソフトクーラー(右)。特性にあわせて食品を保管しましょう。

ソフトクーラーの特性

ソフトクーラーの開口部はファスナー式が主流です。そのため、どうしてもファスナー部分は断熱材が薄く、また、開閉に時間がかかります。コンパクトに畳めて持ち運びに便利なソフトクーラーですが、一般的に保冷力はハードクーラーに分があるとされています。

ソフトクーラーでも保冷力が高いものはありますが、夏場は特に、缶・瓶入りの飲み物や、皮をむく前のフルーツなど、多少ぬるくなっても衛生的に問題がないものを保管するようにしましょう。

ハードクーラーの特性

ハードクーラーは分厚い断熱材に囲まれています。家族4~5人の1泊キャンプであれば、容量40~50Lが目安となります。

ハードクーラーは抜群の保冷力を生かし、生鮮食品の保管に向いています。

クーラーボックスの上手な使い方

凍らせた水や食品も保冷剤代わりにしよう

冷たい空気は上から下に降りていきます。そのため、保冷剤は食品の上部に載せると効果的です。とはいえ、上に載せていると食品を取り出すときにいちいち保冷剤を取り出さなければいけません。これでは開閉時間が増えてしまう恐れがあります。

そこで、効率的な保冷剤の入れ方をひとつご紹介しましょう。まずは底に1~2枚敷き、2~3枚を凍らせたボトルとともに立てて置きます。そして、1~2枚を上に載せます。そんなに保冷剤が必要なの!? と驚くかもしれませんが、容量50LのクーラーボックスならA5よりひとまわり大きいサイズの保冷剤が5~6枚は必要です。

保冷剤単独の使用では本領を発揮しません。ブロック氷や凍らせたペットボトルなどと組み合わせましょう。

中に入れる食品は、冷蔵庫で冷やしたものを入れます。写真のエビや、シーフードミックス、コーン、冷凍麺など、すぐに溶ける食材は凍らせた状態で保管。冷凍したブロック肉はなかなか溶けないので、一泊キャンプでは持っていかない方が無難です。

時間が経って底に水がたまったら、ドレンから抜くようにしましょう。そのほうが氷が長持ちします。

何より大切なのが、クーラーボックスの保管場所。写真のように炎天下に置くのはNG。

タープ下など涼しい日陰に、台に乗せて保管します。台に乗せることで下部を風が通り抜けますし、地熱の影響を受けずに済みます。

食品保管時のポイント

野菜などの食材は冷やしすぎないようにしよう

つい、食材は冷やせば冷やすほどいいと考えがちですが、氷点下となる強力な保冷剤に直接触れると冷凍焼けのような状態になることもあります。家庭の冷蔵庫でも野菜室は10℃程度です。新聞紙や容器でカバーして、なるべく氷や保冷剤に直接触れないようにしましょう。

ちょっとわかりづらいですが、セロリは茎の部分を新聞紙でくるんで、氷に触れないようにしています。肉や魚も新聞紙にくるんだ上でビニール袋に入れます。なお、レタスもそうですが、野菜は育っている環境と同じ状態にすることでストレスがかかりません。レタスやセロリ、キュウリなどは立てた状態でクーラーに入れましょう。

保冷剤や氷に触れないようにするために、あらかじめ容器に移し替えておくのもおすすめ。写真のジャバラ型の容器は畳んで持ち帰れます。また、余ったモノを持ち帰る際にもこの容器は便利です。

クーラー内は常に衛生的にしよう

万一、肉や魚のドリップが漏れていたら、きちんと拭き取って、生で食べる野菜類は洗い流しましょう。
また、食品をすべて使い切れればいいのですが、生鮮食品が余ってしまうことも。帰りに保冷剤がぬるくなっている、または氷がなくなってしまった場合は「ま、いいか」と考えず、管理棟やスーパーでブロック氷を手に入れてクーラー内の温度が高くならないように管理しましょう。帰りに地元の新鮮野菜などの食料品を買って帰るときにも役に立ちます。

帰宅するまでクーラー内を衛生的に保ち、キャンプで体調を崩さないように気をつけましょう。

※このコンテンツは、2017年7月の情報をもとに作成しております。