新しいテントを購入し、最初の設営。説明書を見ながら、試行錯誤して建てたテントは感無量です。
でも、しわが寄ったり、張り綱を張り忘れたりすると、テント本来の耐候性が損なわれる場合があるんです。テントを美しく張れれば機能も活きる。その基本を解説します。
更新日:2017.04.19
購入して初めて建てるテント、そのできあがりの姿を知っていますか?
ファミリー用テントは大きくて複雑そうに思えますが、パッケージやカタログでできあがりの姿を確認しておきましょう。その写真からフレームがどのように交差しているか、そして、どれがもっとも力がかかるメインフレームなのかがわかります。
「説明書の用語がわからないから、どうすれば良いのかわからない」なんてことを避けられますし、キャンプに慣れた人なら、完成写真だけで説明書がなくてもおおよその組み立て方を知ることができます。
できあがりの姿を理解したら、あとは説明書通りにフレームを通してペグで固定するのみ。慣れれば簡単です。
注意すべきポイントは2つ。
まず、フレームの扱いです。一般的なテントのフレームは、中にコードやチェーンが通っていて簡単に接続できます。けれど、スリーブ(フレームを通す袋状の道)を通すときに引っ張ると、簡単にスリーブの中で接続が外れてしまいます。途中で外れたフレームを取り出すのは、案外面倒なので必ず「押す」ようにしましょう。
もうひとつはペグダウン(ペグでテント、張り綱を固定すること)。位置と順番、そして均等に引っ張りながら、力をかけていくことで、しわのない美しいテントに仕上がります。どんなに高機能のテントでも、しわが寄っているとばたついて、インナーテントとフライシートがくっついて雨が漏れたり、風の力で壊れたりするんです。
これらのことに気をつけて、カタログのように美しくテントを建ててください。
1.インナーテントを広げる
まず、インナーテントを広げ、前・後ろを確認します。もし、風が強いようなら、1カ所だけペグでとめておくと安心です。
2.フレームを並べる
フレームを伸ばして、長さ・色ごとに分けましょう。このとき、フレームがきちんと接続しているか確認を。フレームが折れる原因となります。
3.メインフレームを組み立てる
POINT:フレームは「押す」に限る!
メインフレームを組み立てます。写真のようにスリーブに通すタイプは、フレームを押し込むように通していきます。反対側から引っ張ると、フレームがばらばらになるのでやめましょう。
4.フレームをピンに差し込む
フレームの端っこにピンを差し込みます。1本目のフレームをピンに差すと、インナーテントが半分に折りたたまれます。2本目のフレームのピンを差すときは、足で裾を押さえておくと作業がスムーズです。
(フック式の場合は、先にフレームにピンを差し込んでから、インナーテントにフックを引っかけていきます。このとき、一番上から下に向かって引っかけていくと無理な力がかかりません)
ひとりで設営するときは
ひとりで設営する場合は、2本目のフレームを通す際、交差部分をつかんでフレームを押し出すと、無理がありません。
5.インナーの完成! 仮止めを忘れずに
メインフレームを通した状態です。風が強い日は、この状態で4カ所、ペグで仮止めしておきましょう。あとはキャノピーポールやバイザーポールなどを装着していくだけです。
インナーが完成したときにフックが間違っていないか確認を
有名メーカーのテントであれば、フレームとスリーブやフックなどの色がそろっているので、間違いなくセットできます。
6.フライを広げて入り口を確認
フライシートを広げて、前・後ろを確認します。一般に、メーカーのロゴがついているほうが前です。また、ファスナーが2本で張り上げられるようになっているほうが前であることが多いようです。
7.フライをかける(裏にベルクロがあるものは忘れずに)
フライシートをインナーテントの上にかけます。すそにフックやバックルがあるので、止めていきましょう。また、フライシートの内側にベルクロテープがついているものもあり、フライシートをフレームに固定できるようになっています。これを固定することで、フライシートが正しい位置に収まり、また、耐候性の高いテントになります。面倒くさがらず、裏側もきっちり止めましょう。
8.ペグダウン開始!
いよいよペグダウンです。写真では、地面が固いので金属製のハンマーを使っていますが、通常、プラスチックペグの場合は、プラスチックやラバー製のハンマーを用います。
POINT:テンションのかかるペグダウンの順番を伝授!
ペグダウンをしていく順番は重要です。上図の順にペグダウンしていきましょう。
1.インナーテントの4隅(1~4)。1カ所をとめたら、隣の隅に移動し、フロアの生地がピンとのびるように引っ張ってからペグダウン。これを繰り返します。
2.インナーテントの残りの部分(5〜6)をペグで固定。
3.最後はフライシート。前室部分(7〜8)を止めたら、後室(9)。サイド(10〜11)も対角ごとにぴっちり張りながらペグダウンしていきます。大きなしわがなければOKです。
9.張り綱を固定する
POINT:張り綱とテントの距離は統一を
張り綱をペグで固定します。これも対角ごとにペグダウンしていきます。フライシートからおおよそ1m程度離れた場所に統一しましょう。このとき、テントの中心や縫い目に沿ってまっすぐ張り綱を伸ばすと風に対して効果的です。
10.完成!
できあがり。きちんと美しく建てることで、テントが持つ耐候性を最大限に発揮できます。
※このコンテンツは、2017年4月の情報をもとに作成しております。