#5
SOLOCAMP STYLE - ソロキャンプスタイル

ソロキャンプ
× サーフスケート

更新日:2021.11.24
ソロキャンプと一緒に楽しめるアクティビティの魅力を、体当たりで探っていく企画。
1年間365日のうち、180日以上をキャンプ場で過ごすキャンプライターの佐久間亮介さんが、ソロキャンプと組み合わせて、様々なアウトドアアクティビティにチャレンジ。普段は、焚き火をして自然の中でのんびりと自由気ままに過ごすのがスタイルだというハードキャンパーが、ソロキャンプの新境地発掘に挑みます。
「ソロキャンプ」だからこそ、自分の楽しみたいことを我慢せずに、自由気ままに遊べる。
キャンプの楽しさ、遊びの幅が広がる「ソロキャンプ × アクティビティ」をご紹介します。

絶景に向かって滑る爽快!
スケートボードをサーフィンのように乗りこなす!

今回ソロキャンプと組み合わせて楽しむのは、ここ数年参加人口が増え続けているスケートボード。
スケートボードといっても、多くの人がイメージするようなスケートパークで飛んだり跳ねたりしてトリック(技)を決めることを楽しむものではない。
「サーフスケート」という、サーフィンのようにして滑る遊びだ。
サーフスケートはスケートボード1台とスニーカー、そしてフラットな地面さえあれば遊ぶには充分。難しい技を決めることが目的ではないから、年齢・性別問わず楽しめて、気持ちよく滑れるようになるまでにそれほど時間もかからない。

デッキに乗って、身体の力を抜く。
地面を片足で蹴る「プッシュ」をして前へ進み、波に乗るようにターンする。
最初はうまくいかなくとも、感覚をつかみはじめるとどんどん気持ちよく滑れるようになっていって、うまくなればなるほど達成感も得られる。

そして何より、風を感じながら絶景に向かって疾走する爽快感を堪能できる。
今回の遊び場は、長野県白馬村。
白馬三山の神々しさすら感じる景色を目の前に、風を切るようにして気持ちよく滑るだけ。

スケートボード1台と美しい景色。
シンプルな気持ちよさが、この遊びにはある。

持っていった遊び道具&
ソロキャンプ道具

今回使用したスケートボードと靴。
スケートボードにはいくつか種類があるが、今回楽しんだのは「サーフスケート」。サーフィンの陸上トレーニングに用いられたことがその始まりのため、動きが波に乗っている動作と似ている。特徴は、ウィール(タイヤ)が柔らかく滑りやすいことや、トラックといわれるデッキ(板)とウィールをつなぐパーツの可動域が広く、動きの自由度が高いこと。
靴は、靴底が平面なスニーカーの方がデッキを踏み込みやすく相性がよい。「スケシュー」といわれるスケートボード向きのスニーカーもあるが、手持ちのスニーカーから始めても問題ない。
ビギナーは、ヘルメットと手首・肘・膝を保護するプロテクターを装着した方が安心だ。
撮影協力:YOW(ヤウ)
今回撮影に協力いただいたのは、スペイン発のストリートスタイルのサーフスケート「YOW(ヤウ)」。世界中のサーフスポットが商品名やボードのコンセプトになっており、グラフィックや形でその土地の波や文化を表している。デザイン性も高く、インテリア的な要素も備えているあたりもキャンパー向き。
積み込んできた主なソロキャンプ道具。
今回は最小限のアイテムでシンプルにキャンプを楽しむスタイル。透明度の高い青木湖の湖畔で、のんびりとキャンプの時間を味わう。
今回使用したクルマは、スタイリッシュなデザインながら、遊び道具もたくさん載せられるシャトル。
大きくて使いやすい荷室には、一人分のキャンプ道具とスケートボードが余裕をもって積み込める。スケートボードが縦に積載できて、とても便利なクルマだ。

今回の遊び場

松川河川公園(長野県白馬村)
スケートボードは、スケートパークやスケートボードの使用が禁止されていない公園、河川敷などで遊べる。今回遊び場として選んだのは、白馬三山を源にする松川の河川敷に位置する「松川河川公園」横の舗装路。よく晴れた日には白馬三山が望める絶景スポットだ。凸凹や砂利が少なく、また程よい傾斜のため、スケートボードを楽しむのに最適。自転車やジョギング利用者などと譲り合って楽しもう。

寝床にするキャンプ場は、この公園からクルマで約25分のところにある「ライジングフィールド白馬」。朝一番でサーフスケートを楽しみ、昼過ぎにはキャンプ場へ移動。青木湖の湖畔にテントを張り、ソロキャンプを楽しむ。
CHALLENGING

朝一番。
澄み切った空気の中、滑り出す

朝7時、気温は5度。キリッとした空気が気持ちのいい朝。

目の前に望むのは、秋が来て、平地よりも一足先に冬へと向かう白馬三山。前日まで山にかかっていた雨雲が、白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳を見事に白く染め上げた。

神々しさすら感じるこの景色を舞台にしてスケートボードを滑るのが、今回の遊びの目的だ。
誰もいない河川敷で一人、スケートボードを滑らせる。

片足をデッキにのせて、もう片方の足で地面を蹴って前へ進むことを「プッシュ」という。
スケートボードを始めたばかりの頃はこのプッシュでさえもままならないが、日々ボードに乗っているとだんだんと慣れてきて、プッシュで自由に滑れるようになるだけでも楽しく感じられるからおもしろい。
プッシュができてデッキに乗れるようになってくると、次はターンが楽しくなる。
傾斜をゆっくり滑りながら、右へ左へと自分の好きなところへボードを動かしていく。

もちろん慣れるまでには少しばかり時間が必要だが、トリック(技)を決めるスケートボードのようにデッキを浮かせて回転させるなど、難しい動きはそれほど多くない。

リラックスをして体重移動がうまくできるようになればすぐに滑れるようになる。
すでにサーフィンやスノーボードを楽しんでいる人は、ほとんど同じ感覚なのですぐに楽しめるようになるはずだ。
右に左にジグザグと好きなようにボードを操り、風を切るようにして進む気持ちよさ。

歩いたり走ったりするのとも違う、クルマやバイクで移動しながら見るのともまた違った気持ちよさ。

全身を使って風を切るようにして進むからこそ感じる爽快感がたまらないのだ。
風を感じながら白馬の山々の絶景を眺める。
白馬鑓ヶ岳の上には月が見えていた。

スケートボードは仲間との
コミュニケーションツール

しばらくして、今回の監修を務めてくれたプロスノーボーダーの藤田一茂さんたちと合流。
もちろん一人でも気軽に遊べるが、スケートボードを楽しむ人(スケーター)同士が集まって、スケートボードを楽しむ時間を共有するのもこの遊びの魅力のひとつだ。
スケートボードを楽しめる場所には、自ずとスケーターが集まってくる。
仕事の前に滑りに来る人もいれば、仕事終わりに来る人もいて、楽しむタイミングは人それぞれ。

事前に連絡を取っていなくとも、タイミングが合えば一緒に滑る。その自由さもスケートボードカルチャーのいいところだ。
キャンプにも通ずるが、共通の趣味をもつ仲間との会話は楽しいし、一緒にいて居心地がいい。
上級者の仲間がいれば、どうすればもっとうまく滑れるのかアドバイスを貰える。
乗れるようになればなるほど、もっとうまく乗りこなしたいと思えてきて、どんどんとスケートボードが楽しくなっていく。
藤田一茂さんに、サーフスケートの魅力を聞いた。

「サーフスケートは年齢や性別、運動能力に関係なく、数時間練習すれば誰でも乗れるようになって、すぐに楽しめるのが大きな魅力。
“飛んだりデッキを回したりするのが難しそう”って思われていたスケートボードを、より身近な存在にしたのがこのサーフスケートなんだ」

青木湖の湖畔で
“一人時間”を満喫

絶景を前にして滑ったあとはソロキャンプの時間だ。場所を青木湖に移し、湖畔にテントを張り、道具を展開する。
キャンプサイトが一通りできあがったら、チェアを持って湖畔へ。この日のキャンプ場は、他に誰も利用者がいない、いわゆる“完ソロ”の状態。
メスティンでパエリアを作り、食べて
ナイフで薪を割り、焚き火をする。
誰もいない静かな湖畔で一人の時間を満喫する。
白馬の山を初めて見たとき、険しくもあり美しくもあるその姿に、「日本にこんな場所があるんだ!」と驚いたことがある。

その美しい山や自然を、キャンプ場からのんびりと眺めるだけでなく、また、山の中をハイキングしたり頂上を目指したりするでもない、新しい自然の楽しみ方をスケートボードが教えてくれた気がする。

ボードに乗りながら、五感をフル稼働させる。
風を切る気持ちよさを肌で感じ、美しい景色を目で楽しむ。

いつものキャンプ道具にスケートボードを1台加えておくだけで、どこでも楽しめるこの遊び。

次はどこの絶景を舞台にして滑ろうか。
遊び場
松川河川公園
〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村八方
キャンプ場
ライジングフィールド白馬
〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉山国有林2129
https://www.rising-field.com/rfh-main
※特別な許可をいただいてクルマを湖畔まで乗り入れて撮影しています。
佐久間亮介
佐久間亮介
月間最高80万PVのキャンプブログ「camp-in-japan.com」を運営するブロガー、ライター。
1年中、キャンプにまつわる仕事をしているにも関わらず、ぽっかり休みができるとソロキャンプへ出かけるほどのキャンプ好き。
現在は、キャンプ場の新規開業に向けて準備中。
監修:藤田一茂
撮影協力:
YOW surfskate (アドバンスマーケティング株式会社)
187 Killer Pads (アドバンスマーケティング株式会社)
tadppole craft
今回登場したクルマ:シャトル

  • ※このコンテンツは、2021年11月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。