プッシュができてデッキに乗れるようになってくると、次はターンが楽しくなる。
傾斜をゆっくり滑りながら、右へ左へと自分の好きなところへボードを動かしていく。
もちろん慣れるまでには少しばかり時間が必要だが、トリック(技)を決めるスケートボードのようにデッキを浮かせて回転させるなど、難しい動きはそれほど多くない。
リラックスをして体重移動がうまくできるようになればすぐに滑れるようになる。
すでにサーフィンやスノーボードを楽しんでいる人は、ほとんど同じ感覚なのですぐに楽しめるようになるはずだ。
右に左にジグザグと好きなようにボードを操り、風を切るようにして進む気持ちよさ。
歩いたり走ったりするのとも違う、クルマやバイクで移動しながら見るのともまた違った気持ちよさ。
全身を使って風を切るようにして進むからこそ感じる爽快感がたまらないのだ。
風を感じながら白馬の山々の絶景を眺める。
白馬鑓ヶ岳の上には月が見えていた。
スケートボードは仲間との
コミュニケーションツール
しばらくして、今回の監修を務めてくれたプロスノーボーダーの藤田一茂さんたちと合流。
もちろん一人でも気軽に遊べるが、スケートボードを楽しむ人(スケーター)同士が集まって、スケートボードを楽しむ時間を共有するのもこの遊びの魅力のひとつだ。
スケートボードを楽しめる場所には、自ずとスケーターが集まってくる。
仕事の前に滑りに来る人もいれば、仕事終わりに来る人もいて、楽しむタイミングは人それぞれ。
事前に連絡を取っていなくとも、タイミングが合えば一緒に滑る。その自由さもスケートボードカルチャーのいいところだ。
キャンプにも通ずるが、共通の趣味をもつ仲間との会話は楽しいし、一緒にいて居心地がいい。
上級者の仲間がいれば、どうすればもっとうまく滑れるのかアドバイスを貰える。
乗れるようになればなるほど、もっとうまく乗りこなしたいと思えてきて、どんどんとスケートボードが楽しくなっていく。
藤田一茂さんに、サーフスケートの魅力を聞いた。
「サーフスケートは年齢や性別、運動能力に関係なく、数時間練習すれば誰でも乗れるようになって、すぐに楽しめるのが大きな魅力。
“飛んだりデッキを回したりするのが難しそう”って思われていたスケートボードを、より身近な存在にしたのがこのサーフスケートなんだ」
青木湖の湖畔で
“一人時間”を満喫
絶景を前にして滑ったあとはソロキャンプの時間だ。場所を青木湖に移し、湖畔にテントを張り、道具を展開する。
キャンプサイトが一通りできあがったら、チェアを持って湖畔へ。この日のキャンプ場は、他に誰も利用者がいない、いわゆる“完ソロ”の状態。