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SOLOCAMP STYLE - ソロキャンプスタイル

ソロキャンプ
× マウンテンバイク

更新日:2019.11.27
ソロキャンプと一緒に楽しめるアクティビティの魅力を、体当たりで探っていく企画。
1年間365日のうち、180日以上をキャンプ場で過ごすキャンプライターの佐久間亮介さんが、ソロキャンプと組み合わせて、様々なアウトドアアクティビティにチャレンジ。普段は、焚き火をして自然の中でのんびりと自由気ままに過ごすのがスタイルだというハードキャンパーが、ソロキャンプの新境地発掘に挑みます。
「ソロキャンプ」だからこそ、自分の楽しみたいことを我慢せずに、自由気ままに遊べる。
キャンプの楽しさ、遊びの幅が広がる「ソロキャンプ × アクティビティ」をご紹介します。

登山に通じる達成感と自然の中を駆け下りるスリル

今回、ソロキャンプと一緒に楽しむのは「マウンテンバイク」。
マウンテンバイクに乗るのは小学生の頃以来だ。学校が終わるとすぐにランドセルを家に置いて、自分のマウンテンバイクにまたがって、友達と公園へ遊びに駆けていったのを思い出す。
マウンテンバイクを楽しむといっても、ただキャンプ場の周辺をサイクリングするわけではない。
マウンテンバイクを楽しむためのコースが、日本全国に存在する。
冬はゲレンデで、夏だけマウンテンバイクコースとして営業しているところもあれば、年間を通して楽しめるところもある。

マウンテンバイクの楽しみは「ダウンヒル」と言われる、坂を下るスリル。
デコボコとした林道、オフロードをマウンテンバイクのサスペンション、ブレーキ、肩や肘、膝をうまく使い分けながら、下っていく。
もちろん、斜面だからスピードも出る。
危険性がないとは言えないが、危険性があるからこそ、そこにはスリルがあり、楽しみがある。
そんなマウンテンバイクの世界に、足を踏み入れてみようではないか。

持っていった遊び道具&
ソロキャンプ道具

今回使用したマウンテンバイクの道具。
マウンテンバイクの基本的な道具は、バイクとヘルメット、肘や膝などを守るプロテクター、グローブ。
ウェアは、バイク専用のウェアもあるが、アウトドアでよく着る速乾性の高いもの、靴はハイキング用のシューズなどでも代用できる。
サドルの微調整や修理が必要な場合に使う工具なども持っているといいだろう。
レンタルバイクを貸し出しているマウンテンバイクコースもたくさんあるので、まずはレンタルから楽しんでみるのもアリだ。
積み込んできた主なソロキャンプ道具。
マウンテンバイクで遊ぶとはいえ、ソロキャンプも楽しみたいので、テーブルやラックなどの大きめなキャンプ道具も持ってきた。
今回使用したクルマは、フリード クロスター。
ミニバンの利便性とSUVのタフネスをクロスオーバーさせたこのクルマは、道具がたくさん積載できるだけに留まらず、数々の専用装備により“フィールド映え”も申し分なし。ソロキャンプにおいても趣味カーとしてアクティブに動ける。
マウンテンバイクは前輪を外して後輪と一緒にバンドで留めれば、大きくバラすことなく、そのまま積み込める。

今回の遊び場

御殿場 MTB&RUN パーク FUTAGO
静岡県御殿場市にあるMTB(マウンテンバイク)&トレイルランニングコース。東名高速道路の御殿場ICから10分ほどでアクセスできる。
持ち込みバイクでのコース周遊のほか、電動アシストつきマウンテンバイクの貸し出しなどもある。通年営業。
今回は、このコースからクルマで約1時間のところにあるPICA 富士西湖を寝床に。まずキャンプ場へ向かい、テントを先に設営してからコースへ出かける算段だ。
CHALLENGING

キャンプ場からフィールドへ。

マウンテンバイクで遊ぶ前にキャンプ場へ立ち寄り、テントを建てる。
ソロキャンプ用のテントだから、コンパクトですぐに建てられる。このテントが今回の遊びの寝床だ。
ソロに限らず、キャンプは道具選びも楽しい。
今回は、遊びがスポーツ性の高いマウンテンバイクだったから、スタイリッシュな軽量のテントを選択した。
フィールドへと向かう。
もちろんマウンテンバイクは荷室に積んである。自分の道具を持って、フィールドへ遊びに行く高揚感は、きっと年齢が何歳になっても変わらないのだろう。
マウンテンバイクコースに到着して早速、バイクウェアに着替えた。
マウンテンバイクを降ろして前輪を取り付ける。
レンタルバイクでも充分楽しいのだが、やっぱり自分の道具があると気持ちが高ぶる。

このコースには、オフロードが初めての人でも楽しめる初心者向けコースや、中・上級者向きの激しい勾配、ダウン、アップが楽しめるコースまである。

山を登った先にある絶景。

まずは、登る。
グっとペダルを踏み込むと、マウンテンバイクならではの太いタイヤの溝が、デコボコになっている地面の土をしっかりと捉えてグリップする。
ペダルを漕ぐたびに、少しづつでも登っている実感がある。
一般的に、登りは辛いイメージだが、自分の足で坂道の林道を駆け上がるのは、悪路の中でも頂上を目指す登山に近いものを感じる。
登り着いた先に、展望台があった。
ベンチに腰掛ける。遠くをみると山々のきれいな稜線が望める。
この日は残念ながら雲に隠れてしまっていた富士山。
この展望台には、春になると桜が咲くらしい。
今度は季節を変えて、またここに遊びに来よう。その時は富士山が見られることを望んで。
いよいよ坂を下る。だいぶマウンテンバイクの感覚が“戻って”きた。
ブレーキに指をかけ、体全体をやや後方に、そして低い姿勢を保つ。
肩や膝のクッションを使いながらスピードと衝撃をコントロールして走る。
道の状況を読み、コース取りを考える。
傾斜の激しいところは、ちょっとした恐怖心が芽生えるほど、スピードが出る。
でも、それが「スリル」。
マウンテンバイクの楽しさだ。
ところどころに設置された起伏を使ってジャンプ。
体重移動、ブレーキ、サスペンション。
体全体を使って、前輪を持ち上げる。
サスペンションがしっかりとしている、マウンテンバイクならではの遊び方。
最後は、青空の下、山を眺めつつ走る。
林間の中を速く駆け抜けるのもいいし、青々とした空を全身に感じながらのんびりと走るのもいい。
坂を下っているときに感じた「スリル」の余韻に浸りながら、タイヤに付いた泥を落とす。
下りきった達成感のまま、キャンプ場へと戻る。

ソロ、キャンプ、ギア、
メンテナンス。

キャンプ場に戻って、メンテナンスがてらマウンテンバイクをクルマから降ろす。
ブレーキの効きやサスペンション、サドルの位置。
道具のメンテナンスも、アウトドア遊びの楽しみの一つ。
安全に、よりたくさん、自然の中で遊ぶためには、キャンプであれマウンテンバイクであれ、道具のメンテナンスは欠かせない。
いじればいじるほど、道具への愛着が湧いてくるものだ。
マウンテンバイクは、何もコースで使うだけではない。
キャンプ場の散策に持ち出してもいい。
広々としたキャンプ場内では、徒歩だといける範囲が限られてくるが、マウンテンバイクだからこそ行ける場所もあって、より自然を楽しめる。
夕暮れ前に焚き火の準備に入る。
最近、新調した切れ味のいいナイフ。道具がいいと使いたくなる。
バトニングをして、焚付用にフェザースティックも作った。
だんだんと日が傾いてくる。寒くなる前に火をつけてしまおう。
太陽が山に隠れると一気に肌寒くなり、焚き火の暖かさが身に沁みる。
チェアに座り、焚き火台に薪をくべながら、一息つく。
昼間のマウンテンバイクの疲れを感じた。
しかし、それはとても心地の良い疲労感。
ランタンに明かりを灯す。
ガソリンランタン独特のかすかに聞こえる燃焼音と、オレンジ色の優しい明かり。
ソロキャンプなら、小さいランタンと焚き火の明かりで充分だ。
ゆらめく炎を眺めながら、日中のことを思い起こす。
「もっと高くジャンプできたはず」「次はサスペンションをより活用してみよう」
焚き火の前では、反省と妄想は尽きない。

外気温がだいぶ下がってきて、周りはだんだんと静かになっていく。
夕食を食べて、体を温めてからテントの中に入ろう。

マウンテンバイクでいつもよりも体を動かしたから、今日はぐっすりと眠りにつけそうだ。
マウンテンバイクコース
御殿場MTB&RUN パーク FUTAGO
〒412-0032 静岡県御殿場市二子275-2
https://www.tokinosumika.com/mtb/
キャンプ場
PICA 富士西湖
〒401-0332 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068-1
https://www.pica-resort.jp/saiko/
佐久間亮介
佐久間亮介
月間最高80万PVのキャンプブログ「camp-in-japan.com」を運営するブロガー、ライター。
1年中、キャンプにまつわる仕事をしているにも関わらず、ぽっかり休みができるとソロキャンプへ出かけるほどのキャンプ好き。
現在は、キャンプ場の新規開業に向けて準備中。
マウンテンバイク監修:山下晃和
機材協力:MTB / THOMPSON、タイヤ/シュワルベ
今回登場したクルマ:フリード

  • ※このコンテンツは、2019年11月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。