焼き芋の一番おいしい焼き方は?!
徹底検証してみました!

更新日:2016.12.13

こいしゆうか
おいしい焼き方を徹底検証するべく
焼き芋キャンプをしてきました!

こんにちは!こいしゆうかです。

みなさま、焼き芋はお好きですか?わたしは大好きです!
寒くなってくると、あたたかくてほっこりした焼き芋が恋しくなってきますよね。冬キャンプのひんやりした空気の中でほおばるアツアツの焼き芋は、たまらないものがあります。

家でつくる場合でも、オーブンやグリルなど、さまざまな焼き方がある焼き芋の世界。この季節になると、レシピサイトなどでも話題になりますよね。
キャンプでは、芋をアルミホイルでぐるぐるっと巻いてから焚き火で焼いたり、ダッチオーブンで焼き芋をつくっているのも見かけます。
でも、うっかり焦がしてしまったり、甘みが足りなかったりして、キャンプでの焼き芋はなかなか難しい。一体どうやったら、本当においしい焼き芋に仕上がるのでしょう?

そこで今回は、焼き芋のおいしい焼き方を徹底検証するべく「焼き芋キャンプ」をしてきました!

アドバイザーとして、農園クリエイターである宮原さんにもお越しいただきました。焼き芋をおいしく焼くコツも、教えてもらっちゃいます!

宮原さんは、農業の楽しさや食の大切さを伝えるため、さまざまな貸し農園や観光農園をプロデュースする農園クリエイター。味噌作りなどの食農イベントもたくさん開催しています。
外遊びにも精通し、キャンプ、自転車、釣りやハンティングまで、自然を楽しむオールラウンダー。

3種の焼き方×4種の芋でチャレンジ!

  

焼き方

今回は、3つの方法で焼き芋をつくってみます。

焚き火で焼き芋

焚き火台で焚き火を使って焼き芋をします。一番ポピュラーなやり方ですね。

ダッチオーブンで焼き芋

どんな食材もおいしくしてしまう魔法の鍋・ダッチオーブンを使います。

石で焼き芋

あの「いしーやーきいもー♫」と同じ製法で、石を使って焼き芋をします。

  

芋の種類

さらに、芋の種類によっても差が出るかもしれないので、 4種類の芋を用意。
味の系統は、主に「ねっとり系」「ほくほく系」に分かれます。

紅はるか(ねっとり系/とても甘い/後味すっきり)

安納芋(ねっとり系/オレンジ色っぽい黄色/甘い)

紅あずま(ほくほく系/さつまいもの定番品種/黄色)

鳴門金時(ほくほく系/クリーム色)

この3種の焼き方と4種の芋で、一番おいしい焼き芋がつくれる方法はどれか?!を検証していきます。

先生、さっそくですが、おいしい焼き芋を焼くポイントってあるんですか?

「温度」と「水分」だね。
低温でじっくり焼いて、適度に水分を飛ばす。
具体的には、実際に焼いてみながら説明しようか。

ぜひぜひお願いします!

うーん、お腹がすいてきた!!

さっそく検証開始です!

1. 焚き火で焼き芋

まずは定番、焚き火を使って焼き芋をつくろう。

昔よく漫画とかで見た、落ち葉で焚き火ですか!?

落ち葉で焚き火をすると、低温調理でおいしくできあがるんだけど、2時間くらいかかるんだ。
それに、落ち葉がない場所もあるから、今回はどのキャンプ場でもできる方法でやってみよう。

焚き火で焼き芋

【用意するもの】

焚き火台
トング

アルミホイル

1. まず、焚き火を「熾火」の状態にします。
(熾火:焚き火が燃えて赤くなったもの)

2. 芋が焦げるのを防ぐため、芋の表面をよく濡らし、アルミホイルで芋を包みます。

包むのは、一回りで大丈夫。何重にも重ねて巻く必要はありません。
ただし、芋の端までしっかり巻きましょう。そうしないと、アルミホイルからはみ出た部分が生焼けになってしまいます。

3. 芋を網の上に乗せます。

乗せる場所は、火力が強い真ん中ではなく、なるべくはじっこに寄せて。少し遠火にして、芋の内側からじっくりと遠赤外線によって焼いていくのが目的です。

4. 火が全体にまんべんなく通るよう、15分くらいごとにひっくり返します。

風向きなどによって火のあたりが強い芋と弱い芋があるので、それによりできあがり時間も変わりますが、目安はだいたい30分~40分。芋に串をさしてみて、まだ固いようであれば、さらに30分ほど焼きましょう。こうすることで、アルミホイルごしに芋がじっくりと加熱されていきます。

  

できあがり!

紅あずま、ほくほくしてる!焼き芋の香りだぁ。
15分ごとにひっくり返したり、火の当たり具合のバラつきを調整したり、ちょこっと手間はかかるけど、焚き火を楽しみながらだったらちょうどいいかも。

さつまいもそのものにも糖(ショ糖)はあるんだけど、60℃くらいの温度で加熱すると、酵素の力で芋のでんぷんが分解されて麦芽糖に変わるんだ。これが焼き芋の甘さにつながるんだよ。
ただし、温度が70℃を超えると、その酵素が壊れてしまうんだ。だから、火力は強すぎたらダメ。それに、麦芽糖に変えられる力にも限度があるから、長く火にかければいいってわけでもないんだよね。

熾火は遠赤外線効果もあるから、中からじんわり温まって、焼き芋にぴったりなんですね。
直接火にかけるっていうより、遠火にするイメージ!

2. ダッチオーブンで焼き芋

次は、どんな食材もおいしく調理できちゃうダッチオーブン!蓋付きで密封性が高く、鍋全体が温まることで、安定した火力で調理ができる魔法の鍋です。
これなら、簡単においしい焼き芋ができちゃうかも!?期待大です!

ダッチオーブンで焼き芋

【用意するもの】

ダッチオーブン
バーナー

1. ダッチオーブンの中に、そのまま芋を並べます。

2. 蓋を閉め、中火で40分ほど待ちます。

3. 串がすんなり通ったら、完成です。

  

できあがり!

ダッチオーブンは魔法の鍋!!なんでもおいしくしちゃうんだもんねー。
温度も一定に保てるし、これは大成功なんじゃない!?

うーん。

いっただっきまーす!

!!!!!!

焼き芋をおいしくするポイントは「温度」と「水分」だって言ったよね。
まず甘くするためには、さっきも話したように、でんぷんを分解して麦芽糖に変えることが必要。そのためには、60℃~70℃の温度で、どれだけ長く低温調理をできるかがポイントなんだ。
だから、一定の温度に保てるダッチオーブンは最適と思いがちなんだけど… 問題は「水分」。芋のなかにある水分を15~30%ほど抜くことが、甘さの秘訣なんだよね。

つまりダッチオーブンだと、温度はよかったけど水分が飛ばなかったから、甘さがたりなかったってことですか?

そもそもダッチオーブンは蒸気を逃がさない仕組みになっているから、「焼き」というより「蒸し」に近いよね。
中に溜まった蒸気で一気に加熱されてしまったのが、よくなかったね。

3. 石で焼き芋

「いーしーやーきいもー♫」の、石焼き芋屋さんの焼き方です!
河原とかに落ちている石を洗って使用するのもいいらしいのですが、市販されている「丸石」というのが遠赤外線が出るとのことなので、今回はそれを買ってみました。
お店の味が、キャンプでできたらうれしいなぁ。

石で焼き芋

【用意するもの】


鍋(蓋つき)
炭火(またはバーナーでも可能)

1. 鍋に石を入れ、芋を並べます。

2. 火をつけ、中火にします。

石が温まるのに時間がかかるので、ゆっくり待ちます。
芋の大きさによって時間は変わりますが、だいたい1時間~1時間半、じっくり温めていきます。

3. 串がすんなり通ったら、完成です。

  

できあがり!

あっまい!!!
安納芋、パクパクいける!!!
紅はるかが、スイートポテトになってる!

石が温まるまで時間がかかったけど、それがよかったんですかねぇ。

そう、低温加熱でじっくり時間をかけたから、水分を適度に飛ばせたんだね。
ポイントとしては、芋の種類によって加熱時間を調整すること。ねっとり系とほくほく系で、水分を飛ばす最適な量が変わってくるんだ。
紅あずまや鳴門金時など、水分の少ないほくほく系の芋は加熱時間を少し短く。安納芋や紅はるかなど、水分の多いねっとり系の芋は、加熱時間を少し長くして水分をもう少し飛ばす。そうしたことで甘さも出て、しっとりおいしくなったね。

焼き芋の焼き方、総合結果発表!

3種の焼き方の検証を終え、おいしさの総合結果は…

焚き火

:○

ダッチオーブン

:△

石焼き

:◎

石焼き芋はさすがお店の味って感じだったけど、わざわざ石を用意するのがネックですね。
気軽さだと、やっぱり焚き火のほうが上かなぁ。

焚き火で焼き芋をする場合は、しっかり見ていないといけないから、ちょっと手間はかかる。
だけど、焚き火を楽しみながらだったら問題ないわけだしね。

というわけで、ふつうと違うものがやりたいこだわり派には石焼きがベスト!
もっと気軽にキャンプで焼き芋を楽しみたいなら、焚き火がおすすめです!先生のポイントをしっかりふまえて、風向きや火の加減に注意しながら、ていねーいにつくってみてくださいね。

ちなみに今回は4種類の芋で検証をしましたが、「この芋ならこの焼き方」という芋の種類と焼き方の相性は特になさそう。
芋の種類は、味の好みで決めていいと思います!

【まとめ】焼き芋をおいしく焼くコツ

焚き火

・アルミホイルは、芋がはみ出さないように巻く。
・火力が強い真ん中ではなく、なるべく網のはじっこで焼く。
・15分くらいごとにひっくり返す。

石焼き

・紅あずまや鳴門金時など、ほくほく系の芋は加熱時間を少し短く。
・安納芋や紅はるかなど、ねっとり系の芋は加熱時間を少し長く。

芋の種類は、味の好みで決めてOK!

※ダッチオーブンは、水分が抜けないため、甘くなりにくい。

キャンプ終了、撤収…のはずが!

さっき石焼き芋で使った炭、再利用するために「炭消し壺」に入れるんだけど…
炭って遠赤外線だし、これでも焼き芋がつくれるんじゃない!?

できなくはなさそうだね。やってみる?

炭消し壺の中に、使用済みの炭と芋を入れたら、勝手に焼き芋ができあがるのではないか?!
こいしの考案のもと、実験してみました!

炭消し壺で焼き芋

【用意するもの】

炭消し壺

アルミホイル

炭消し壺の中に、使い終わった炭とアルミホイルで巻いた芋を入れ、約40分放置します。

  

できあがり

できた!!

炭消し壺があまり大きくないので、小さくカットした芋を炭の上に乗せると、いい具合の焼き芋ができました。
炭の量や火力にもよりますが、アツアツの炭を消し壺に入れるくらいがちょうどいいです。

ダッチオーブンよりはおいしくできたけど、撤収した後に焼き芋ができてしまうので、おすすめはしません…。

キャンプが終わってからできあがる焼き芋は、

需要ナシ。

今回ご紹介したキャンプ場

鬼怒川温泉オートキャンプ場
〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝1053
TEL:0288-77-2334
http://www.kinugawa-camp.jp/

※このコンテンツは、2016年12月の情報をもとに作成しております。