シマゲンゴロウ

- 学 名
- Hydaticus bowringi
- 分 類
- コウチュウ目ゲンゴロウ科
シマゲンゴロウ属
- 似たような種類
- コシマゲンゴロウ、ウスイロシマゲンゴロウ、オオイチモンジシマゲンゴロウなど。
- 見つかる場所は?
- 水田、休耕田(きゅうこうでん)、溜め池、沼地など。
- 分布
- 北海道、本州、四国、九州。
- 大きさ
- 体長12~14mm。
- 見られる時期
- 4~9月。10月以降はこつ然と水辺から姿を消すことから、陸上で越冬していると考えられる。
- 生活史
- 4~6月にかけて交尾し、メスは水草の表面などに産卵する。幼虫はおもに水田で確認され、陸上で蛹(サナギ)になり7月ごろ新成虫が確認される。成虫で越冬する。
- エサ
- 成虫はほかのゲンゴロウ類と同様に動物の死体や弱った魚類、オタマジャクシを食べる。前脚でつかめるものであれば、元気なボウフラやアカムシも捕獲して食べる。幼虫はミジンコ、水生昆虫、小さめのオタマジャクシを大アゴで捕獲して食べる。
- 特徴
- 上翅(じょうし:上の硬いはね)に体側に沿った4本の黄色い縞模様があり、上翅の付け根付近に2つの紋がある。オスの前脚には吸盤が付いているので、比較的簡単に雌雄を見分けられる。
- その他
- 都市近郊では大変少なく、里山的環境の良好な地域でないと確認できない。生息地の護岸工事や水質汚染も減少要因として考えられる。アキアカネ、ガムシ、ミズカマキリなどと同様に、水田への箱苗剤の施用以降、急激に個体数を減らしている。現在、14都道県で地方版レッドデータブックに記載されている。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。
監修者

大庭 伸也(おおば しんや)
2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞
監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)