ノコギリクワガタ
- 学 名
- Prosopocoilus inclinatus
- 分 類
- コウチュウ目クワガタムシ科
ノコギリクワガタ属
- 似たような種類
- ノコギリクワガタは現在5亜種に分類される。亜種は以下のように、島の名前が頭に付いている。クロシマノコギリクワガタ、ミシマイオウノコギリクワガタ、クチノエラブノコギリクワガタ、ミヤケノコギリクワガタ。
- 見つかる場所は?
- 平地から山地までの広葉樹の森林、都市郊外の小規模の林。
- 分布
- 北海道、本州、四国、九州。日本国内に広く生息している代表的なクワガタムシ。
- 大きさ
- 体長はオス26~74mm、メス25~40mm。
- 見られる時期
- 成虫は、活動期が6月上旬から10月である。昼夜を問わず樹液を吸っている。
- 生活史
- 夏に孵化した幼虫は、1~3齢幼虫で1年目の冬を越し、翌年に蛹化(ようか)するものが多い。オスの大型個体は幼虫でもう1年をすごし、2年目の冬を3齢ですごした後に蛹化する。幼虫は根食いで、各種広葉樹の切り株根部に多い。蛹(サナギ)になるのは土の中。幼虫期間は1、2年。
- エサ
- 成虫は広葉樹の樹液などをエサとしていて、クヌギ、コナラ、ミズナラ、ヤナギ、ハンノキ、ニレ、イチョウ、クリなどに集まる。幼虫は立ち枯れの広葉樹の根元や倒木を食べる。
- 特徴
- オスはサイズによって変異が大きく、大型個体は大きく湾曲した長い大アゴを持つが、中型個体では大アゴの曲がりがゆるやかになる。小型個体は大アゴが直線的で、内歯(内側のトゲ)は均一なノコギリ状となる。体色は赤褐色から黒褐色である。大型個体の大アゴは「水牛」に例えられることもある。メスの体は厚みがあり、体色は赤褐色(まれに黒色)で、足も全体的に赤い。
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体のサイズによって、大アゴの大きさや形も異なる。こちらは小さな個体で、大アゴはあまり湾曲せず、ノコギリ状の大アゴを持つ
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監修者
大庭 伸也(おおば しんや)
2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞
監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)