ニホンマムシ

学 名
Gloydius blomhoffii
分 類
有鱗目クサリヘビ科
マムシ属
危険!(有毒)
似たような種類
シマヘビやアオダイショウの幼体は本種とよく見間違われる。
見つかる場所は?
山間部の水田や小さな川周辺、田畑にも出現する。湿った溝や河川の草むらを好む。夜には道路にじっとしていることもある。
分布
北海道、本州、四国、九州。日本固有種。
大きさ
全長45~65cm。
注意する時期
毒蛇として知られる。5月ごろから水田に出現し、10月ごろまで活動する。おとなしいヘビだが、水田脇などでとぐろを巻いてじっとしていることが多いので、気づかずに踏むと噛みつく。マムシがいそうな場所に出かける際には足を守るために長靴を履くのが基本。危険を感じると尾を細かくふるわせて威嚇するが、それ以上近寄らずに無視して遠巻きに通り過ぎればほとんど害はない。
生活史
繁殖は卵胎生で、夏に交尾する。翌年の8~10月に2~15匹の幼ヘビを産む。2、3年に1度のペースで繁殖を行なう。野外での寿命は不明だが、飼育下では12年生きた記録がある。
エサ
生きたネズミやトカゲ、カエルなどを食べる。
特徴
全長に対して胴が太く、体形は太短い。三角形の頭が特徴で、瞳が縦に長い大きな目とピット(熱感知器官)を持つ。夜間でもこのピットでエサ動物の体温を感じ、その位置を正確に把握して捕えることができる。
咬まれた時の対処
マムシは体が小さく毒の量が少ないが、年間10名程度が被害を受けて亡くなっている。もしマムシに咬まれたら、口を使わずに傷口から毒を絞り出す。毒が急激に回ることはないので、あわてずに医者の診断を受ける。咬まれたことで気が動転し、走るなどして激しく身体を動かすのはよくない。体液の循環が促進され、その分毒の回りが早くなる。速やかに処置可能な医療機関でマムシ抗毒素血清投与などの治療を受ける。
  • 自然豊かな里山には多いヘビなので、要注意。ほかのヘビは人が近づくと逃げることが多いが、ニホンマムシはとぐろを巻いてじっとしていることが多く、誤って踏んでしまうこともある

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)