ナミテントウ

学 名
Harmonia axyridis
分 類
コウチュウ目テントウムシ科
Harmonia属
似たような種類
ナナホシテントウ。ナミテントウは上翅(じょうし:上の硬いはね)の色や斑紋は多様で、別種と見間違われることも多い。人家の庭などではナナホシテントウより多い。
見つかる場所は?
住宅地から山地まで普通に見られる。成虫も幼虫も植物に付くアブラムシを食べるので、アブラムシが付いている草を捜せば見つかる。越冬のために人家に入ってくることもある。
分布
北海道、本州、四国、九州、南西諸島。
大きさ
体長は4.7~8.2mm。
見られる時期
3~11月。ただし、暑い時期には個体数が減り、採集が難しくなる。
生活史
成虫は3月から11月まで活動するが、7月から9月上旬の暑い時期には見かけなくなる。20~40個の卵を産む。幼虫は4齢を経て、葉の裏側などで蛹(サナギ)になる。卵から成虫までの期間は約1ヵ月で、成虫は羽化後2週間で産卵可能になる。成長期間が短いため、1年に何度も世代を繰り返す。11月くらいに越冬のため、白い建物に集まる。集団で越冬することにより、1匹で越冬するよりも生存率が高くなる。
エサ
幼虫・成虫ともに肉食性で、作物害虫のアブラムシを捕食する益虫(えきちゅう)。エサが尽きるとほかの幼虫や蛹を共食いすることもある。
特徴
成虫は半球形の体型で、脚や触角は短い。幼虫・成虫とも素手でつかむと死んだふりをし、さらに関節部から黄色の液体を分泌する。この液体には強い異臭と苦味があり、外敵を撃退する役目がある。
その他
アブラムシの天敵として期待されるが、エサのアブラムシが少なくなるとどこかに飛んで行ってしまうことが利用上の問題であった。飛翔できないテントウムシを作るのを目指し、応用研究がすすめられている。
  • 見た目は区別できないが、こちらは品種改良により飛べなくなったナミテントウ

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)