モリアオガエル

学 名
Rhacophorus arboreus
分 類
無尾目アオガエル科
アオガエル属
似たような種類
緑色のカエルのアマガエル、シュレーゲルアオガエルなど。シュレーゲルアオガエルの目の周り(虹彩とよばれる)は黄色だが、本種はより赤みがかっていることで識別可能。
見つかる場所は?
繁殖期の4~7月は、里山の池や沼の周囲で見られる。それ以外は森林にいるので、見つけにくい。
分布
本州、佐渡島。
大きさ
オスは体長40~70mm。メスは60~80mmになる。
見られる時期
4~7月に水辺で見られる。
生活史
おもに森林に生息する。4、5月には池や沼に集まり、交尾を行なう。卵を産むのは、水面にせりでた木や草の上で、まれに水田近くの木に産むこともある。孵化したオタマジャクシは、そのまま下に落下して泳ぎ出す。カエルはほとんどが水中で産卵するので、この習性はめずらしい。オタマジャクシは1ヵ月ほどでカエルの姿になり、やがて森林生活に入っていく。
エサ
樹上にいるバッタ類やチョウ類などの昆虫をエサにする。
特徴
日本では、泡状の卵塊を産むのは本種のほかシュレーゲルアオガエルのみ。シュレーゲルアオガエルは地中に産むのに対し、モリアオガエルは目立つ樹上に産むことが多い。森林生活のために吸盤が発達しているのも特徴。オスは「コロロロロ、コロロロロ」と鳴く。
その他
生息場所の森林に人の手が入り、また近くに湖沼のある森林も減っているために数を減らしている。奈良では絶滅寸前の絶滅危惧I類、千葉、兵庫では絶滅危惧II類、山形、新潟、群馬、栃木、東京、長野、静岡、三重、大阪、和歌山、岡山、島根、山口では準絶滅危惧種に指定されている。
  • モリアオガエルの卵は、池の上に張り出した木や草などに産みつけられる

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)