マイマイカブリ

学 名
Damaster blaptoides
分 類
コウチュウ目オサムシ科
マイマイカブリ属
見つかる場所は?
森林とその周辺に生息し、春から秋まで見られる。おもに地上を歩き回るが、木に登ることもある。夏にはクワガタムシやカブトムシと同様に、雑木林の樹液に集まることもある。また本来は夜行性だが、日陰の多い林道などでは日中でもたまに歩き回る成虫が見られる。冬は成虫または終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)で越冬し、朽ち木の内部や落ち葉、石の下などでじっとしている。
分布
北海道、本州、四国、九州、屋久島に分布するが、地域ごとに分化が進んでいて10亜種がみとめられる。
大きさ
体長32~65mm。
捕れる時期
5~9月。
捕まえるコツは?
地面すれすれの高さにコップの口が来るようにして埋め、落とし穴式のピットフォールトラップで採取するのが有効。中にエサ(サナギ粉や魚肉ソーセージなど)を入れておくと誘引力が高まるが、エサを入れると哺乳類に荒らされることもある。数多く仕掛けると採集できる確率が高まる。
生活史
5~7月に交尾を終えたメスが土中に産卵する。幼虫は地面を徘徊しながらカタツムリを捕食する。1齢幼虫は5日間くらいで土中に潜り、脱皮して2齢(終齢)幼虫になる。さらに2週間後には土中に潜りこんで蛹(サナギ)になる。成虫・幼虫は、土や朽ち木に潜りこんで越冬する。
エサ
成虫・幼虫ともに地面を徘徊しながらカタツムリを捜す。見つけると大アゴで軟体部に咬みつき、消化液を注入して消化して溶けた軟体部を食べる。成虫は肉食性が強いものの落下果実や樹液も摂食する。カタツムリを中心に、ほかの昆虫やミミズなどさまざまな動物質のエサを捕食する。
特徴
成虫は細長いヒョウタン型をしている。長い触角と脚(あし)が生え、頭部と前胸部は前方に細長く伸び、大アゴが発達する。マイマイカブリという和名の由来は諸説ある。カタツムリの殻に頭部を突っ込んで捕食するさまが「マイマイ(カタツムリ)をかぶっている」ように見えることから名づけられたという説と、「マイマイにかぶりつく」からという説もある。成虫の前方に細くなった頭部と前胸部は、殻の中に引っ込んだカタツムリを食べるために発達した適応とみられる。
その他
日本の固有種で飛ぶことができないため、地域変異が大きく、多くの亜種に分化している。危険を感じると尾部から強い酸臭のある液体を噴射する。この液体は刺激が強く、手はともかく目に入ると大変な痛みを感じ、炎症を起こす。むやみに手で抑えつけたり顔を近づけたりしないよう注意が必要である。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)