クサガメ

- 学 名
- Chinemys reevesii
- 分 類
- カメ目イシガメ科
クサガメ属
- 似たような種類
- イシガメ
- 見つかる場所は?
- 流れのゆるやかな河川、湖、池沼、湿地、水田など。里山環境では道路を歩いていることもある。
- 分布
- 本州、四国、九州、佐渡島、隠岐、見島、対馬、壱岐、淡路島、五島列島。
- 大きさ
- 甲長18~25mm。
- 見られる時期
- 冬期以外。
- 生活史
- 6~8月に水辺から離れた土中や、水田のあぜの中などに産卵する。卵はおよそ2ヵ月で孵化するが、幼体はそのまま翌年の春まで産卵巣の中で越冬する。一部、孵化した年の秋に土から出てくる個体もいる。年間に1~3回産卵し、4~11卵を産む。寿命は長く、20~40年。
- エサ
- 雑食性でアメリカザリガニや水生昆虫、オタマジャクシ、魚類、水草を食べる。最近では水田に生息するスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の増殖を抑えることが分かってきた。
- 特徴
- メスはオスよりも大きく、首に黄色いストライプ模様が入る。成熟したオスは真っ黒になる。クサガメとは「臭いカメ」という意味で、捕まえられると臭腺(しゅうせん)から臭いニオイを放つことに由来する。幼体はゼニガメと呼ばれる。
- その他
- 地域によっては溜め池などに放たれた外来魚の捕食などにより個体数を減らしている。長野県、高知県では準絶滅危惧種に指定されている。
産卵のようすは、めったに見ることができない
監修者

大庭 伸也(おおば しんや)
2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞
監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)