カラスアゲハ

学 名
Papilio bianor
分 類
チョウ目アゲハチョウ科
アゲハチョウ属
似たような種類
ミヤマカラスアゲハ、モンキアゲハが知られる。
見つかる場所は?
都会には少なく、郊外でよく見られる。カラスザンショウなどの食草(幼虫が食べる草)さえあれば、市街地でも見ることができる。シバザクラやレンゲツツジ、ツツジ、ユリやアザミの花を吸蜜する。川岸などの水気を含んだ砂地にも飛来して給水する。
分布
北海道、本州、四国、九州、沖縄。
大きさ
前翅長(ぜんしちょう)45~80mm。開長(かいちょう)80~120mm。

チョウの仲間の大きさについて

前翅長は、前翅の付け根から一番遠い所までの長さ。開長は開きぐあいによって変わるため、測りにくい

見られる時期
成虫は4~9月。
生活史
本州では年2回、九州では年3回世代、南西諸島では年4世代を繰り返すといわれている。成虫はミカン科の樹に産卵するが、品種改良したミカン科は好まないようだ。幼虫はミカン科の葉っぱを食べながら育ち、5回の脱皮を経て蛹(サナギ)になる。
特徴
オスには前翅(ぜんし:前のはね)に黒いビロード状の毛があるが、メスにはない。また、メスはオスに比べて後翅(こうし:後ろのはね)の赤斑が目立つ。夏に出現する成虫は春に出現する成虫より大型になる。
その他
香川県では森林開発、およびスギ、ヒノキなどの植林による広葉樹林の減少、吸蜜植物の減少により個体数を減らし、準絶滅危惧種に指定されている。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)