ヘイケボタル

学 名
Luciola lateralis
分 類
コウチュウ目ホタル科
ゲンジボタル属
似たような種類
ゲンジボタルに似ているが、本種はより小型である。オスの光の点滅はゲンジボタルより早い。
見つかる場所は?
ゲンジボタルよりも汚れた水域にも生息し、平地から丘陵部まで広く見られる。水田、湿原といった止水域を主たる繁殖地としているので、河川よりも水田などで見かける。日本ではゲンジボタルと並んで、身近な光るホタルである。
分布
北海道、本州、四国、九州。
大きさ
体長7~10mm。
捕れる時期
早い場所では4月から見られ、10月ごろまで続く。ゲンジボタルが6月ごろに集中的に出現するのに比べ、本種の出現期は長い。
捕まえるコツは?
オスは発光しながら飛翔する一方で、体の大きなメスは川辺の草の上などに止まって発光している。光っている個体を網ですくえば簡単に捕れるが、夜間採集には危険が伴うので注意が必要である。また、夜間に車のハザードランプに寄ってくることもある。
生活史
6、7月に水際のコケや草の根本に100個前後産卵する。20日前後で幼虫が孵化し、幼虫で冬を越す。翌年の5、6月に水際の斜面に土繭(つちマユ)を作り蛹(サナギ)になる。20日前後に成虫が羽化する。約1年で成虫になる。
エサ
幼虫のおもなエサになるのは、止水に生息するモノアラガイなどである。ヒラマキミズマイマイ、ヒメモノアラガイ、外来種のサカマキガイなどの貝類、水生昆虫の幼虫、弱ったオタマジャクシ、ミミズなども食べる。ゲンジボタルに比べ、いろいろなものを食べる。
特徴
胸部の黒い模様がゲンジボタルでは+であるが、ヘイケボタルでは-になっているので見分けがつく。山間部の農村では、水田周辺に本種が、河川付近にゲンジボタルが発生し、実際には両者が一部で入り交じって発光する。ただし、ゲンジボタルのように短い期間に集中的に発生することが少なく、発生は長期に渡るが密度は高くならないのが普通である。
その他
ゲンジボタルが各地で保護活動の対象とされるのに対して、ヘイケボタルの保護をうたう活動はほとんどない。かつては水田周辺ではどこでも簡単に見られたが、水田への農薬散布や水田周辺の環境変化に伴い、生息環境が狭められている。現在東京では絶滅危惧I類、千葉と長崎では絶滅危惧II類、栃木、群馬、埼玉、神奈川、静岡、香川、宮崎で準絶滅危惧種に指定されている。
  • ヘイケボタルの幼虫は、水中にいて、成虫の姿とはだいぶ異なる

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)