ハンミョウ

- 学 名
- Cicindela chinensis japonica
- 分 類
- コウチュウ目ハンミョウ科
- 似たような種類
- ニワハンミョウ、カワラハンミョウ、ヒメハンミョウ、コハンミョウなどが知られるが、ハンミョウが最も大型。かつ色彩豊かで美しい。
- 見つかる場所は?
- 成虫は、湿っていて日当りのよい砂地や道路、林道や川原などで見られる。公園など都市部にもいる。幼虫はおもに小川べりの暗く湿った粘土質の土壌中に生息する。土中に縦長の穴を掘り、頭を上にした姿勢ですごす。
- 分布
- 本州、四国、九州、対馬、種子島、屋久島。
- 大きさ
- 体長20mm前後。
- 見られる時期
- 4~10月。
- 生活史
- 初夏に成虫が産卵管で地面に穴を開け、1卵ずつ産みつける。幼虫で越冬し、3回の脱皮を経て蛹(サナギ)になり、翌年または2年目の夏ごろに成虫になる。冬は成虫で、土中で集団越冬する。
- エサ
- 成虫・幼虫ともに鋭い大アゴを持ち、ほかの昆虫を捕らえて食べる。成虫は動物の死体を食べることもある。
- 特徴
- 全身が赤、青、緑に輝く、脚(あし)の長い美しい甲虫。人が近づくと飛んで逃げるが、数m飛んですぐに着地し、ときどき後ろを振り返る。これが繰り返されるため「ミチシルベ」、「ミチオシエ」という別名がある。体には独特の香りがある。幼虫は地面に縦穴を掘って隠れ、近くを通りかかるほかの虫に食いつき、穴に引き込んで食べる。幼虫の巣穴にニラの葉を差し込むと、幼虫が葉に食いついて釣れるのでニラムシの名もある。
- その他
- 近年、生息地が著しく減少している。群馬、佐賀では絶滅危惧II類、青森、栃木、東京では準絶滅危惧種に指定されている。
監修者

大庭 伸也(おおば しんや)
2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞
監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)