ゲンジボタル

- 学 名
- Luciola cruciata
- 分 類
- コウチュウ目ホタル科
ゲンジボタル属
- 似たような種類
- 本種よりも一回り小さなヘイケボタルがいる。
- 見つかる場所は?
- 里山環境の小川や水路付近。
- 分布
- 本州、四国、九州に分布する。
- 大きさ
- 成虫の体長は12~15mm。
- 見られる時期
- 成虫は5、6月に、里山的環境の小川の周りで夜間に光っている。
- 生活史
- 5、6月に出現した成虫は発光コミュニケーションにより雌雄間で交信を行なう。交尾を終えたメスは川岸の石に生えたコケの中に産卵する。約1ヵ月後に卵が孵化し、幼虫は川の中で冬をすごし、春になって充分に成長した幼虫は雨の日の夜に川岸に上陸する。川岸の柔らかい土に潜り込み、周囲の泥を固めて繭(マユ)を作り、その中で蛹(サナギ)になる。成虫、卵、幼虫、蛹ともに発光することができる。
- エサ
- 成虫はエサを食べず、水分のみを補給する。幼虫は肉食で、カワニナを捕食する。
- 特徴
- 初夏の夜に光りながら飛ぶことから、日本人に古くから親しまれてきた代表的な昆虫。一般に日本でホタルと呼ばれるのはゲンジボタルのことである。光のパターンは西日本と東日本で異なり、西日本のほうが発光のテンポが早い。現段階では、このような発光周期の差がなぜ生じたかはっきりしてない。
- その他
- ゲンジボタルは環境のよさをアピールする目的で、人為的に移入・放流されることがある。これはその地域固有の遺伝子汚染の可能性もあるため、安易な導入・放流は避けるべきだろう。
監修者

大庭 伸也(おおば しんや)
2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞
監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)