ゲンゴロウ

学 名
Cybister chinensis
(Cybister japonensis)
分 類
コウチュウ目ゲンゴロウ科
ゲンゴロウ属
似たような種類
日本には○○ゲンゴロウと呼ばれる種類が約140種知られている。ゲンゴロウ類の総称としてのゲンゴロウと区別するために、本種をナミゲンゴロウやオオゲンゴロウと呼ぶこともある。
見つかる場所は?
自然が多く残った里山の池や沼。幼虫は大型魚類が生息しない溜め池や水田で見つかる。
分布
北海道から九州。
大きさ
成虫は体長34~42mm、幼虫は80mmに達する。日本最大のゲンゴロウである。
捕れる時期
成虫は一年中、幼虫は5~7月に見られる。
捕まえるコツは?
タモ網で水底の泥ごとすくう。生魚の切り身などをエサにすると寄ってくるので、トラップの利用も有効。水田から水が落ちる秋以降になると、溜め池や沼などの水が残っている場所に集まってくるので、採集しやすくなる。また夏の夜間には強い光の灯火に飛来することもある。
生活史
溜め池や沼など、ずっと水があるような水域で越冬した成虫は、5~7月に水田や池の岸辺の抽水植物の茎の中に産卵する。孵化した幼虫は1ヵ月から1ヵ月半で3回の脱皮を経て急激に成長する。岸辺の土中で繭(マユ)を作りそこで蛹(サナギ)になり、その2、3週間後に成虫になる。
エサ
成虫は腐肉食者で、動物の死体や弱った魚類や動きの鈍い昆虫などを襲うこともある。幼虫は完全な肉食性で、トンボの幼虫、マツモムシなどの水生昆虫を捕食する。一般的な図鑑では、メダカやオタマジャクシがエサとして候補に挙げられるが、野外ではほとんどの幼虫が昆虫類に依存している。3齢幼虫になるまで、メダカやオタマジャクシは食べない。飼育下でも、オタマジャクシのみでは上手く成長できないが、昆虫類を与えると生存率が高くなる。
特徴
緑色か暗褐色で、側縁部は黄色になっている。オスはメスに比べ光沢が強い。オスの前脚は吸盤状になっていて、これをメスの背中に付着させ交尾する。
その他
水田への残留性農薬の散布、水田耕作の放棄、それに伴う溜め池の埋め立て、愛好家による乱獲、外来魚による捕食などにより個体数を激減させている。環境省レッドデータブックには準絶滅危惧種、地方版レッドデータブックでは絶滅宣言を出した東京、千葉、神奈川を始め、沖縄と山形を除く44都道府県で絶滅危惧種に指定されている。特に西日本での減少が著しい。
  • 幼虫も80mmと大型。鋭い大アゴを持つので、手で触るのは危険。「田ムカデ」と呼ぶ地域もある

  • 田のあぜなどの土中で蛹になる

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)