アキアカネ

学 名
Sympetrum frequens
分 類
トンボ目トンボ科
アカネ属
似たような種類
ナツアカネ、マユタテアカネ、ノシメトンボ、タイリクアキアカネなど、国内に20種前後がいると考えられている。
見つかる場所は?
平地や丘陵地の池、水田の周辺。
分布
北海道・本州・四国・九州。
大きさ
体長33~46mm。
捕れる時期
6月ごろに水田周辺で若い成虫を見かけるが、夏は高山地に移動する。秋になると再び低山地に戻ってくる。
捕まえるコツは?
写真のように草などに定位した個体を、網を使って素早く捕まえる。
生活史
日本の稲作文化に適応した、代表的なトンボ。水田に水が入ると土中に産みつけられていた卵が孵化し、幼虫が急激に成長して6月ごろにイネなどにつかまって羽化する。羽化した成虫は、水田周辺の樹林、植栽木などに集合して群れとなり、4、5日間を摂餌に費やす。さまざまな小昆虫を空中で捕まえて食べる。7、8月になると避暑のため高原ですごす。通常、秋雨前線の通過を契機に大群になって山を降り、平地や丘陵地、低山地へ移動する。イネ刈りの終わった水田の水溜まりなどに産卵し、卵のまま冬を越す。
エサ
空中を飛びながら、ハエやカ、稲害虫のウンカやヨコバイなどの小さな昆虫を捕食する。幼虫は、いわゆるヤゴと呼ばれ、水田の中でミジンコや小さな水生昆虫を食べて育つ。
特徴
一般の人にもなじみ深く、童謡にも登場する「赤とんぼ」。日本では普通に見られる。前述のような季節的な長距離移動をすることがよく知られている。長距離移動に際しエネルギーを必要とするため、多くの害虫などを食べてくれる益虫(えきちゅう)の側面を持つ。
その他
普通によく見かける「赤とんぼ」として知られているが、2000年ごろを境に各地で急激に個体数を減らしている。そのおもな要因は、1990年代後半から広く普及し始めた、環境にやさしい農薬の育苗箱施用剤(箱処理の殺虫剤)であることが最近判明した。また、中干しにより死滅することも減少要因と考えられる。未来の子どもたちにも童謡「赤とんぼ」の情景がイメージできるような環境を維持し続けるには、殺虫剤使用や水田の管理方法も模索する必要がある。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)