日本最大の水生昆虫をねらえ!
【昆虫採集入門】タガメの採り方

更新日:2012.07.31

昼間は泥の中や水草の間に潜っていることが多いタガメですが、運がよければこんな姿勢でエサを待っているのが見られるかも。採集するには、水草などの周辺をすくうとよいでしょう

タガメは夜行性の昆虫ですが、日中は岸辺の植物の茎などにつかまっていることも多いので、それを捜していくといいでしょう。日没後なら、行動範囲が広がって見つけやすくなります。しかし、畔(あぜ)などを移動する際に、足音を立てると隠れてしまうので注意。あんないかつい顔をしていて、結構、神経質なんです。

カブトムシ同様、光に集まる性質があるので、外灯周りを捜すのもいいでしょう。山間を走る高速道路のサービスエリアなどでタガメを見ることがありますが、結構、遠方まで飛んでいくようです。また、梅雨の頃は、水中の草の茎に産んだ卵をオスが守っている姿を見ることもできるでしょう。

タガメは、カエルや魚をあの前脚で捕まえ、とがった口吻(こうふん)を刺し込んで体液を吸います。手で触る時に油断すると、それで刺されることがあるので、親指と人差し指で胴体を左右からはさむようにします。

タガメは現在、生息数がかなり減っている昆虫です。そのため見つけた時の喜びもひとしおなのですが、できれば捕まえても観察するだけに留め、もといた場所に逃がしてあげるとよいでしょう。タガメは大食漢であるうえに肉食なので、飼育は結構たいへんですから……。もっとも、外灯に飛んできて車道などを歩いているタガメは、保護してあげたほうがよいでしょうが……。

網に入ったタガメを取り上げる時には、口のハリで刺されることもあるので胴体の左右をつまむように保持します

※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。