子ども用ナイフの選び方は?
安全に使わせるには?
はじめてのナイフ

肉や野菜を細かく切ったり、ロープを短く切ったり、ナイフという道具を扱えるようになるとキャンプ生活がとても便利になります。子どもにナイフは危ないと思うかもしれませんが、正しい使い方を教えてあげれば安全に扱えるようになります。今回は、子ども用ナイフの選び方や安全に使わせるための練習法など、子どもにはじめてナイフを経験させる際のポイントをご紹介。危なさを知った上で正しい使い方を会得すれば、キャンプにおいてとても便利な道具になり得ることを体感できます。ナイフの習得は、キャンプを通して子どもに生きる力を伝えられる大事な要素のひとつです。

更新日:2020.08.05

子ども用ナイフの選び方

子どもの小さな手にあうナイフを選ぼう!

ナイフにはいろいろな種類があります。
写真の右側3本は折りたたんで刃をしまう「フォールディングナイフ」、一番左はシースというケースにいれて持ち運ぶ「シースナイフ」です。

フォールディングナイフを選ぶときには「子どもの指先でも刃の出し入れがしやすいもの」かを確認しましょう。また、「使っているときに刃が勝手にたたむことのないロック付き」だとさらにベターです。刃を取り出す/しまう操作が複雑だったり、硬くて操作しづらいものは、子どもが無理にこじあけようとしてケガをする危険があります。なるべく取り出し/折りたたみがシンプルで、確実にロックできるものを選びましょう。

シースナイフは刃先が勝手に閉じることはありません。シースに出し入れしやすく、かといって勝手にシースから飛び出ることのないものを選ぶといいでしょう。

こちらは子ども用の木工向きナイフ。刃先が丸くなっているので、誤って刃先に触れてもケガしづらいようになっています。また、刃とハンドルの間にフィンガーガードが付いているので、万一手が滑っても刃先には届きません。

こちらは子ども用のフォールディングナイフ。小学校高学年くらいになったらマイファーストナイフとして持たせるのもいいかもしれません。刃先が丸まっていて、9種類のツールがついているので、さまざまな用途に使えます。ストラップをつけて、キャンプ中は常に持たせると自信にもつながります。
ともあれ、ナイフを自分で管理させるのは後述の使い方をきちんと理解してから。それまでは大人と一緒の時だけ持たせるようにしましょう。

同じブランドの大人用(写真下)と子ども用(写真上)ナイフを比べてみました。刃の長さはほぼ同じですが、ハンドルは太さも長さも小ぶりで、子どもの小さな手でもにぎりやすくなっています。

扱いやすい刃の長さは、手の大きさ(中指の先から手首までの長さ)の半分くらいが目安です。子どもの手は、5〜6歳で12cm程度、10歳で14cmくらいなので5〜7cm程度の刃のナイフを選びましょう。

写真のフォールディングナイフはどちらも子ども用ではありません。
けれども、刃の長さが5〜7cmでにぎりやすい太さのハンドルであれば、子どもであっても持て余すことはありません。写真下のナイフは大人と子どもで兼用を検討している場合は候補となります。ただし、刃先がとがっているのでその点は十分注意しましょう。

安全にナイフを使うためのルール

刃にそっと触れるだけではケガをしませんが、刃の上で指を動かすと簡単に皮膚が切れてしまいます。
一度ナイフで木や肉などを切るデモンストレーションをした後、親が子どもの手を添えて刃に触れて「刃を動かすと危険」だと教えましょう。
その上で、「ナイフを持っている人や使っている人に触らない、声をかけない」「ふざけない」「ナイフを使っているときは歩き回らず、座って作業しよう」ということを伝えることも重要です。

使い終わったナイフは必ずシースに入れるか、折りたたんでおきます。
シースに入れるときは、ナイフが抜けることのないよう奥までしっかり入れるようにしましょう。
また、1本のナイフを家族で使い回す場合は、「シースに入れて(または折りたたんで)テーブルに置いて渡す」のが第一歩。ナイフに慣れたら、「シースに入れて(または折りたたんで)、刃先を自分のほうに向けて手渡し」に。

ナイフの練習法

まずは細くて角張った木(割り箸でもOK)を使って、薄く削る練習をしましょう。
テーブルがあれば、テーブルの上で作業すると足を傷つけることがありません。

ナイフを持つ手を力任せに素早く動かすのではなく、親指でナイフをゆっくりそっと押します
子どもはつい「早く、早く」と動かしたくなりますが、ナイフを扱うときはゆっくりと。たっぷり時間をかけてあげましょう。

基本の削り方を覚えたら、続いてBBQ用の串を作ってみましょう。
角張った木の角に刃を当て、そっとナイフの刃を押し出すと角が取れます。これを繰り返すだけ。木の繊維に沿えばスルスルと刃が進み、そうでない場所では刃がなかなか進まないことも実感できます。

木工キットが販売されているので、ナイフに慣れたらこうしたキットを利用しておもちゃや箸を作ってもいいですね。自分で作ると愛着がわいて、大切に扱えます。

できる範囲でいろいろなことに挑戦しましょう。

水分が豊富な生木や竹は削りやすく、木工ビギナーの大人、力の弱い子どもが扱いやすい素材です。キャンプ場で竹や木が手に入ったら、親子で木工に挑戦してみるのもいいですね。

取材協力:サンタヒルズビクトリノックス・ジャパン
モデル:ミコト&オトハ姉妹
※このコンテンツは、2020年8月の情報をもとに作成しております。