現地調達で楽しむ!魚介バーベキューの基本テクニック

自然豊かなキャンプ場ですから、近くに新鮮な魚介を販売する市場があることや、釣り場が隣接していることも珍しくありません。となるとやっぱり、とれたての新鮮魚介でバーベキューを楽しみたいですよね。そこで今回は、現地調達した魚介類でバーベキューを楽しむ際のポイントを解説。内臓を取ったりおろしたりする手間がかかりますが、基本を知ればさほど難しくありません。1尾まるごと手に入れて新鮮魚介のバーベキューを楽しみましょう。

更新日:2019.04.24

魚によって適切に
下処理を

下処理の方法は魚によって違います。焼く前にしっかり調べておきましょう。市場で処理してくれる場合もあるので、購入時に聞いてみるのもいいでしょう。
例えばアジ(写真上)の場合は、うろこ、ぜいご、内臓を取り、そのまま、または二枚や三枚におろしてから焼きます。一方、アユ(写真下)やイワシ、秋ならサンマなど、内臓も食べられる魚は、下処理せずにそのまま塩焼きにしても美味しくいただけます(内臓が苦手な方や、味にこだわる方は下処理を行なってください)。これらの魚なら、現地調達でも手間なく魚介バーベキューを楽しめますね。
ともあれ、大半の魚介で下処理が必要になりますので、代表的なやり方は覚えておきましょう。

魚の下処理のやり方(例:アジの三枚おろし)

うろこを取り、アジの場合は側面にあるぜいごを取り除きます。包丁を斜めに入れると簡単に取れます。

斜めに包丁を入れて頭を落とし、腹びれを落としてから内臓を取り出します。軽く流水で汚れを落としておきましょう。

背と腹にぐるりと包丁を浅く入れます。

背骨に包丁を沿わせて切り分けます。この状態で二枚おろしです。

反対側も同様に背骨から身を離します。

三枚おろし完成です。塩をサッとふって数分おき、流水で流せば臭みも消えます。

イカの下処理のやり方

イカの胴とワタがくっついているので、指を差し込みはがします。

そっと引っ張ると軟骨と内臓が抜けます。親指の先に見えるシルバーの部分が墨袋です。パスタや塩辛に使うときは、手で墨袋をつまみ、ゆっくり引っ張りだしましょう。

ゲソの中心部にくちばしがあるので、これを取り除きます。ゲソに塩をふって指でしっかりしごき、吸盤を取り除きましょう。

残った軟骨と皮をむき取ります。皮むきはエンペラ側からが定石ですが、むきやすい方向から引っ張って大丈夫です。指先ではうまく皮がとれない場合は、キッチンペーパーを使うとすべりにくくなり、むきやすくなります。 最後に胴とゲソを流水で洗い流して下処理は終了です。

エビの下処理のやり方

エビは、殻の上からようじなどを差し込んで背ワタを抜き出します。たったこれだけ。簡単です。写真は、あとで出汁に使うために頭を落としてありますが、有頭の場合でも下処理は同じです。

魚は強火の遠火で
じっくり焼く

バーベキューグリルは木炭の量を変えて、強火、弱火、保温エリアを作っておきましょう。

まるごと炭火で焼く場合は、ヒレに塩をたっぷりまぶして焼け落ちないようにしておきます。表面への塩はパラパラとムラなく振りましょう。

魚は強火の遠火でじっくり焼くのが基本ですが、バーベキューグリルによっては木炭と網の距離が近く、強火の遠火が困難な場合も。そんな時は、木炭の真上ではなく、弱火〜保温エリアにのせて、アルミホイルなどで蓋をしてじっくり焼きましょう。
網の高さを変えられるバーベキューグリルなら、網の位置を高くしてたっぷりの木炭の上で焼いてもいいですね。

なお、ちょっとクセのある魚はスモークで香り付けしても美味しく食べられます。水に漬けたスモークチップを木炭の上にパラリとのせ、網に魚をのせたらアルミホイルなどで蓋をします。たったこれだけですがほんのりスモーキーな香りがして美味しくなりますよ。

BBQのシメはアラで取った
具だくさんスープ&パスタ

自分で魚を釣ったり、現地の市場で魚介を手に入れたりする場合は、魚の骨やエビの頭などのアラが大量に出ます。これを捨てるのはもったいない! いい出汁が出ますし、このスープこそ、下処理をしたりさばいたりと、現地で手間をかけた魚介バーベキューならではの“ぜいたく”です。

作り方は簡単。
メインの魚介バーベキューをしている脇でサッとアラを網焼きしてから、鍋でじっくり煮出すだけ。出汁が出たら骨やエビの頭を取り除き、野菜を加えて塩やコンソメ、ミソなど好きな調味料で味を調えれば完成です。
パンやおにぎりを添えればシメの一品にぴったり。パスタの乾麺を鍋に入れて、やわらかくなるまで煮るとスープパスタになりますよ。

【おまけ】サザエをきれいに取る方法

サザエはブツブツと汁が沸騰したら、トングで持ち上げて汁が落ちないように左右に振ります。

たったこれだけで、サザエがお尻まできれいに取れるようになります。

ちなみに、ホタテやハマグリはあらかじめナイフを差し込み、殻から身を外すか、上の殻を開けて焼くと汁と身を無駄なく食べられます。

※このコンテンツは、2019年4月の情報をもとに作成しております。