火の掛けすぎに注意!
パーコレーターの仕組みと
美味しい淹れ方

コーヒーをセットして火に掛けるだけという手軽さや、焚き火との相性の良さが魅力のパーコレーター。しかし、香りが飛びやすく、時間をかけすぎると雑味が出やすくなるため、タイミングを逃すと「油っぽくて香りがないコーヒー」になってしまうという注意点も。そこで今回は、パーコレーターで美味しいコーヒーを淹れる方法や、抽出の仕組みを解説。ポイントを押さえて、ペーパードリップで淹れたものとはひと味違う、オイル量の多いガツンとストロングな味わいを楽しみましょう。

更新日:2018.05.16

セットして火を掛けるだけ
オートマチックにコーヒーを抽出

パーコレーターにもいろいろなデザインがありますが、アウトドア用パーコレーターは、縦型ケトルにバスケットを装着するスタイルが主流です。バスケットの中にコーヒー豆を入れて使用します。

ケトル内の沸騰した湯がパイプ(バスケットを支えるスタンドでもあります)を通ってバスケット上部へと汲み上げられ、複数開いたフタの穴からシャワーとなってバスケット内のコーヒー豆に降り注ぎます。コーヒー豆を通った湯は、バスケットの底の穴から再びケトルの中に戻り、また汲み上げられ、戻る、を繰り返す仕組みです。

湯を汲み上げてコーヒー豆と混ざるので、サイフォンやイタリアで好まれるマキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)に似ていますが、サイフォンは湯が豆を通過するのは1回きりですし、マキネッタは蒸気でコーヒーを抽出し、煮出すことはありません。

一方、パーコレーターはコーヒー豆を煮出します。たいてい、フタに透明の取っ手が付いていて、色づきを見て火から下ろすタイミングを見極めます。コーヒー豆をセットしたら、あとは火に掛けるだけ。ある意味オートマチックですし、冷え込む高原の朝でも温かいコーヒーを飲めることが、パーコレーター=キャンプ向きと言われるゆえんです。

さて、肝心の味わいはというと、コーヒーオイルが残るので力強いコーヒーを淹れられます。反面、香りが飛びやすく、時間をかけすぎると雑味が出やすくなるため、タイミングを逃すと「油っぽくて香りがないコーヒー」になってしまいます。

抽出までの目安は3~4分
火の掛けすぎに注意!

コーヒー豆は深煎りで粗挽きにします。一般に細挽きになるほど苦みが増します。また、自分で豆を挽くと、どうしても微粉が混ざってしまいます。この微粉は、苦みや渋みの原因となる場合もあるので、挽いた豆を一度茶こしなどでふるいにかけるとベターです。

バスケットに、一杯分(湯160cc程度)12~15gを目安に、少し多めに豆を入れます。豆を入れたら、写真の右下に見えているフタをセットしておきます。

続いてケトルに水を入れます。メモリが付いていないパーコレーターの場合は、カップ等を使い、分量を計って入れましょう。

バスケットは入れずに、まずは湯だけを沸騰させます。

湯が沸騰したら、一度火を消して、コーヒー豆の入ったバスケットをセットします。このまま1~2分、火に掛けず蒸らしましょう

蒸らしのあと弱火に掛けます。次第にコポッ、コポッと噴き上がり、透明の取っ手部分から湯の色が濃くなっていく様子がわかります。気温や火力によって異なりますが、抽出までの時間は3~4分が目安です。長時間、火に掛けると香りがなく、濁ったコーヒーになってしまうので注意してください。

できあがったコーヒーは、ペーパードリップで淹れたものよりもまったりとした口触りで、繊細というよりは、どっしりとした味わいです。
今回は扱いやすいバーナーを使いましたが、焚き火に掛けるのもおすすめです。焚き火に掛けたパーコレーターは美しく、実に写真映えします。

同じ豆を使っても同じ味を再現しづらかったり、タイミングを逃すと美味しくなくなってしまったりと、決して万人向けではありませんが、毎回、味を模索するのもパーコレーターでコーヒーを淹れる楽しみのひとつと言えます。

※このコンテンツは、2018年5月の情報をもとに作成しております。