ちょっとした工夫で冬が快適に!
冬キャンプを快適に過ごす重ね着術

いよいよ冬本番。
冷え込みも厳しくなりますから、野外で遊ぶには、寒さ対策が必要になります。スキーやスノーボードなら専用のウエアがありますが、キャンプなどちょっとライトな外遊びでは、手持ちのウエアを上手に活用すれば快適に過ごせちゃいます。

更新日:2013.01.10

自然は移り気!小まめな対応で快適に

レイヤードさえしっかりしておけば、銀世界の中でのキャンプも全然寒く感じません!

野外の環境はめまぐるしく変化します。日が強くなったり陰ったり、風が吹きつけたり和らいだり…。雪も雨も湿気も気まぐれですね。たった10分でガラリと変わってしまうことだって珍しくありません。
そんな時、ちょっと対応が遅れると、汗でびっしょりになってしまったり、身体がすっかり冷えてしまったり…。そして、風邪をひいたり、関節を痛める原因になったりと、健康を害することにもなりかねません。

そこで、気温などの急変に適応できる衣服の工夫が必要になります。
そのベースになるのが重ね着という考え方です。これはレイヤードシステムなどと呼ばれ、かつてのアウトドアブームの際に広がりました。厚いウエア1枚では、着た場合と脱いだ場合の差が大きくなりますが、何枚かを重ねて着ていれば、状況に合わせたきめ細やかな対応ができることになります。暑くなったら1枚ずつ脱いでいけばいいし、寒さを感じたら重ねればいいわけです。分厚い1枚より、何枚かの合わせ技…なんですね。

3つの部分に分けて考えよう

最近では、インナー(肌着)からアウター(外套)まで、それぞれの素材や特性を考えて組み合わせることでさらに効果を高めるようになったので、ますます快適になりました。
とはいえ、あまり難しく考えると面倒くさくなってしまうので、ここでは原則だけをご紹介します。

1. アウター いちばん外側の衣料は、風雨や雪を防ぎ、外気をシャットアウトする機能が求められます。
2. ミドル 外着との間に着る衣料は、温度調節を担います。
3. インナー 肌着など身体に直接触れる部分には、汗を吸収して効率よく拡散させる役割が求められます。

ダウンジャケットなどのような防寒衣料では1と2を兼ねたものも少なくありませんが、ここではレイヤードシステムを前提に説明しています。

さて秋から春にかけていちばん気をつけたいのは汗対策。夏期などは、汗をかくことによって熱を放出し、熱射病から身体を守っているのですが、そうでない場合は放置してはなりません。汗は体温で乾いていきますが、蒸発が間に合わなくなると体が濡れたままになってしいます。
そうなると不快なだけではなく、体温がどんどん奪われます。
ですから、寒い時期はできるだけ肌をドライな状態に保つことを心がけなければなりません。

トレッキングなど動きのあるアクティビティを楽しむ場合、汗をできるだけ外に逃がしてあげるレイヤードが大切です

着脱しやすい服装にしておくと、さまざまな状況に対応できます

普段は、シャツの下にコットンの肌着を着ることが多いと思いますが、木綿は繊維の中に水分を取り込んでしまうので乾きにくい素材です。北欧の漁師がフィッシャーマンセーターと呼ばれる未脱脂の羊毛衣料を愛用したのも、水が掛かってもギュッと絞ってしまえば保温機能が回復するからだと言われています。コットンはこうはいきません。寒い時期は、できるだけコットンの肌着は避けたいものです。
以前は、肌触りのやさしいメリノウールなども多用されましたが、最近は汗の拡散に優れ、保温効果の高い化学繊維のインナーが手ごろな価格で販売されるようになりました。
ミドルには、フリースやウールのセーターなどがオススメです。フリースも繊維の密度や厚さのバリエーションが豊富になっていますので、便利です。
アウターにおいてゴアテックスのような透湿性素材の人気が高いのは、身体から出た水蒸気が中にこもりにくいからです。ゴムのような素材だとせっかく汗が水蒸気になっても、中にたまってしまい、冷えて結露し、再び身体や衣服を湿らせることになります。インナーを工夫して汗を蒸散させても、中にこもったのでは意味がありません。インナーとアウターのバランスが大切なんです。

これからは、クルマから1歩出ただけで、20℃近く変わることも珍しくない季節。レイヤードシステムで外遊びを快適に楽しみましょう。

※このコンテンツは、2013年1月の情報をもとに作成しております。