既製品にはない新発想!
おしゃれでワイルドな
軽量コンパクト陣幕

更新日:2022.08.31

戦国時代に活用されていた陣幕が、現在ではキャンプシーンで注目を浴びています。本来は目隠し・風よけが主用途ですが、キャンプスタイルの多様化により、タフな素材を採用した焚き火に対応する陣幕も多くリリース。また大人数向きのものからソロ向きのものまでサイズも豊富に揃っています。

しかし、機能面では多様な選択肢があるものの、デザインはというと市販品はシンプルな形状&カラーが主流。個性的なデザインのものはあまり見かけません。そこで今回DIYした陣幕では、ちょっとした“遊びゴコロ”をプラス。収納サイズや重量面でネックとなるフレームには、ブッシュクラフトさながら現地調達の枝を使用するという、既製品にはない発想を取り入れ、焚き火にもある程度対応するタフさを備えつつ、自分の好みで生地を選べる!
そんな実用性とデザイン性を兼ね備えた、個性的な陣幕を考えてみました。

詳しい作り方や必要な材料は次のページでご紹介!
おしゃれでワイルドな軽量コンパクト陣幕の作り方

デザイン性と強度・耐熱性を両立するために、生地は表と裏で異なる2種を採用。表生地用には好みの柄でツリーカモ柄(ナイロン・1000デニール)を、裏生地用には燃えにくい素材であるデニム(コットン・12オンス)をセレクトしました。
小さくカットした生地はポケット用です。裏側の左右に表用の生地を使ってポケットを作り、デザインにアクセントを加えます。

作業はひとつの直線ごと、ズレないようにダブルクリップを活用しながら縫っていきました。

使用するフレームが決まっている既製品の場合は、フレームを通すスリーブ(筒状の部分)が生地に配されていますが、今回DIYした陣幕は、細い棒から太い枝など多彩な素材に対応する仕様のため、スリーブは不要としました。代わりに採用したのは見た目もオシャレなGフック。フレームの太さに応じてフレキシブルに対応できます。

特徴的なイエローのループを縫い付けたら、最後にポケットのサイズを手持ちの道具に応じて調節。取り付けるポケットの位置やサイズを好みで調節できるのも、DIYならでは。今回は向かって左側のポケットのセンターに、1本縫い目を入れてみました。
これでオリジナル陣幕が完成です。

それでは、適度な枝をフレームにして、組み立ててみましょう。

今回は検証も兼ねて、あえて太さ、形状の違う枝を2本用意しました。長さはノコギリで多少短く調節します(長さはどちらも100cmほどにしました)。

生地を地面に広げたら、イエローのループ2カ所(下側・枝を支柱にする2カ所)にペグダウン。

まずは枝フレームを1本固定し、各イエローループにガイロープを結んでテンションをかけて自立させます。
※一度に2本の枝フレームを自立させるのは困難です。

別角度から見てみましょう。枝フレームを中心にしてガイロープを伸ばし、三角形をイメージしてペグダウンをすると安定して自立させやすいです。
続いてもう1本の枝フレームを自立させれば設営完了です。

Completed -完成-

太さ違いの枝でしたが、どちらも上手く固定できました。アースカラーの生地が大半を占める陣幕ですから、デニム&ツリーカモ柄の組み合わせというだけでも唯一無二。イエローのループもいいスパイスを効かせています。また、ワンポイントのポケットも、ビジュアルのよさはもちろん小物の出し入れがしやすく、大変実用的!

生地は火の粉による穴が開きにくい素材で、焚き火の風除け&リフレクターとしても機能しますが、防炎加工は施されていません。焚き火をする場合は炎から十分な距離を保ちましょう。

では反対側から見てみましょう。まさに枝フレームと一体感を成すツリーカモ柄は見事。無機質に見えがちな陣幕が、この通りワイルド感を演出してくれるアイテムになりました。自然に溶け込むデザインでありながらも、ガイロープのイエローが視認性を確保し、周囲を歩く際に脚の引っ掛かりを予防します。

サイドの固定法は、約30cmのペグ1本でビシッと決まることもありますが、地面が柔らかいと、そうもいかないこともあります。

そういった場面では、ループにガイロープを結び、このようにテンションがかかる張り方にして調節してみましょう。

今回は枝を使ったブッシュクラフト風の使い方を試してみましたが、ほかにもトレッキングポールでもいいですし、川旅だったらカヌーのパドルでも対応可能です。使用するフレームはスタイルに応じて自由自在。

折り畳むとこんなに小さくなりました。重量はわずか約450gなので、バックパッキングでも楽に持ち運べます。

思い切ってフレームを自由に選べる構造にしたことで、軽量化&デザインに幅を持たせることに成功しました。今回作った陣幕は「どこでも持ち運べる」のも利点なので、オートキャンプのみならず、バックパッキングなど様々な旅のスタイルの相棒として活躍してくれるでしょう。

状況に応じたフレーム素材選びのほか、地質や傾斜によっては美しく張るためのテクニックが必要になり、実用面でも試行錯誤をしながらDIYを楽しめます。タープと同様、一枚の生地でフィールドに展開するアイテムには、応用展開のロマンが詰まっています。好きな生地を選び、サイズも用途に応じてお好みで作ってくださいね。

今回DIYしたギアの作り方はこちら