モバイルバッテリーを活用した「シェアサイクル用2電源システム」を開発

~電動アシストシェアサイクルの充電切れを解決し、利便性向上に貢献~

ユーザーが普段持ち歩くモバイルバッテリーを繋ぐことで、充電残量の少ない電動アシスト自転車でも安心、便利にシェアサイクルとして利用可能

ユーザーの利便性向上に加え、シェアサイクル事業者の充電コスト削減にも貢献

2022年中にシェアサイクル事業者と共同で実証実験を行い、将来の事業化を目指す

Hondaは、モビリティサービスの新たな取り組みとして、モバイルバッテリーを活用し、シェアリングサービス用の電動アシスト自転車の充電残量低下を解消する「シェアサイクル用2電源システム※1」を開発しました。

2電源システム利用イメージ

シェアサイクルへのシステム搭載イメージ

 昨今、都市部ではクルマや公共交通機関ではカバーできない「ラストワンマイル」の移動を担うシェアサイクルが注目され、拡大しつつあります。Hondaは「自由な移動の提供」の実現にあたり、「シェアサイクル」も重要なモビリティのひとつと考えています。

 一方、シェアサイクルの普及拡大に向けては、以下の課題が存在します。
 ● 電動アシスト自転車の充電不足で「ユーザーが乗れない」不便が発生していることの改善
 ●シェアサイクル事業者が車両を充電するためにかかるコストの削減

 こうした課題解決に向け、Hondaは普段からモバイルバッテリーを持ち歩く方が多いことに着目しました。そして、モバイルバッテリーをシェアサイクル用電動アシスト自転車に接続し、車両本体のバッテリーに加えて2つめの電源として使うことで、走行時のアシストと車両本体のバッテリー充電に使用できるシェアサイクル用2電源システムを開発しました。

 これにより、ユーザーはコンパクトなモバイルバッテリーを持ち歩くだけで、安心してシェアサイクルを利用でき、シェアサイクル事業者も充電作業に関わるコストを大幅に削減できるようになります。

 Hondaは、このシェアサイクル用2電源システムを用い、2022年中にシェアサイクル事業者と共同で実証実験を行い、将来の事業化に向けた検討を進めていきます。

シェアサイクル用2電源システムの概要

・スマートフォンやPCの充電に活用できるモバイルバッテリーを、シェアサイクル用の電動アシスト自転車に接続することで、バッテリー残量や充電切れを心配することなく走行が可能です。
・停車中もモバイルバッテリーから給電し続けるため、自転車本体のバッテリー残量低下を抑えることができます。
・車両の充電を含めたシェアサイクル事業者のオペレーションコストは、売上の半分以上を占めるというデータ※2があります。本システムの導入により、これらのコストを大幅に削減することが可能となり、事業収益改善に貢献できます。

本田技研工業株式会社 執行職 モビリティサービス事業本部長 高見 聡のコメント

「現在、都市における移動手段として利用が拡大するシェアサイクル領域ですが、事業者のオペレーションコスト削減が課題となっています。シェアサイクル用2電源システムはシンプルなアイデアから生まれましたが、ユーザーには利便性を高め安心して利用いただくことができ、事業者の課題である充電切れ解消や電池交換コスト削減にも貢献することができると考えています。Hondaは、こうした課題解決を通じ、モビリティサービスの更なる充実にチャレンジしていきます」

ネーミングの由来:モバイルバッテリーと車両本体のバッテリーの2つから同時に電力を供給することができるシステムという意味を表現

Honda調べ(車体電池の充電、故障修理やメンテナンス、偏在する自転車の再配置などオペレーション全般のコスト)