<ご参考>
Hondaの技術者が、社団法人自動車技術会の主催・選考による「第61回 自動車技術会賞」の「浅原賞学術奨励賞」「論文賞」「技術開発賞」を受賞しましたのでお知らせします。
授賞式は、本日14時よりパシフィコ横浜で行われます。
「浅原賞学術奨励賞」は、自動車技術に関する優秀な論文等を発表した将来性のある新進の個人会員に、「論文賞」は、自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人会員およびその共著者に、「技術開発賞」は自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人会員および共同開発者に贈られる賞です。
「人体FEモデルを用いた歩行者腰部傷害評価指標の検討」
池田 美和子(いけだ みわこ) 株式会社本田技術研究所
歩行者の腰部傷害発生確率を定量的に評価するための指標の選定を行った研究。現在の試験法は、実際の歩行者事故の衝突状況と異なることが指摘されており、より生体忠実度の高い評価手法の検討が必要とされている。そこで、本研究では、リアルワールドでの腰部傷害発生メカニズムをシミュレーション再現することにより、腰部傷害評価指標を提案した。本成果は、今後の歩行者腰部に対する車両の安全性向上研究への貢献が期待される。
「歩行者ダミーによる膝部傷害予測手法に関する検討」
高橋 裕公(たかはし ゆうこう) 株式会社本田技術研究所 主任研究員
岡元 雅義(おかもと まさよし) 同上 研究員
秋山 朗彦(あきやま あきひこ) 同上 研究員
菊池 裕二(きくち ゆうじ) 同上 研究員
歩行者事故において最も発生頻度が高い脚部傷害を低減するため、後遺症の観点で特に重要度の高い膝じん帯について、車両衝突時の損傷の可能性を定量的に評価する手法を研究。これまでの研究で構築してきた人体モデルとの相関解析により、人体特性データの少ない十字じん帯も含め、独自に開発した歩行者ダミーPOLAR IIIを用いた膝じん帯損傷の可能性の定量評価を可能にした。この成果は、衝突安全における人体傷害評価の高度化を促進し、自動車の歩行者に対する安全性向上に貢献することが期待される。
「プローブ情報を活用したテレマティクスによる環境・安全技術の開発と実用化」
今井 武(いまい たけし) 本田技研工業株式会社 参事
新井 雅之(あらい まさゆき) 株式会社本田技術研究所 主任研究員
野川 忠文(のがわ ただふみ) 本田技研工業株式会社 主任
菅原 愛子(すがわら あいこ) 同上 チーフ
仙石 浩嗣(せんごく こうじ) 同上 チーフ
車両走行情報(プローブ情報)で環境負荷低減と安全運転支援を実現する技術を開発。
環境負荷低減として、プローブ情報で道路燃費データベースをダイナミックに生成。CO2排出量が最少となるルートをサーバーで検索してカーナビゲーションに配信する技術を実用化した。
安全運転支援としては、プローブ情報から道路の潜在的危険ポイントを抽出して交通環境の改善を支援。また、大規模災害発生時にこの情報から通行実績マップを生成し、被災地域の移動を支援する技術を開発。今回の東日本大震災では、Googleマップに通行実績マップを公開し有効性を実証した。
以上