昨年6月の社長就任から1年が経ち、これからは新たな成長戦略を描き、それを実行する段階に入りました。
この数年で、地球規模での環境意識の高まりと、世界経済の構造変化により、世界中の四輪車市場で「小型車志向」が一気に進みました。
Hondaの次の成長・発展には、こうした時代の変化に迅速に対応することが必須です。
先進の環境技術を開発・商品化し、新興国市場の事業強化や、小型化への対応をいち早く進めたうえで利益を確保できる企業体質を構築することが、経営の最重要課題です。
厳しい環境にある今こそ、Hondaの基本思想の「お客様視点」に立ち返り、お客様に喜んでいただける商品を提案し続けることが何よりも大切です。
以上の認識に基づき、Hondaの「次の10年の方向性」を定めました。私が最も大切と考え、従業員に強く訴えたメッセージは、「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」ということです。
「良いもの」とは、お客様が必要なものをHonda独自の技術や知恵・工夫で魅力的な商品として具現化したものです。その「良いもの」を、お待たせすることなく「早く」、そしてお客様に「買って良かった」と喜んでいただける価格でご提供することが、今後のHondaの進むべき道と認識しています。
また、「CO2排出量を大幅に低減しなければ、パーソナルモビリティメーカーとしてのHondaの将来はない」という強い危機感を持っており、「低炭素」にはその想いを込めました。
「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」ために、「環境技術の進化」「生産体制の強化」「新興国事業の強化」という3つの領域で、以下の内容で具体的に取り組んでいきます。
Hondaが経営資源を集中して取り組んできた、先進環境技術の開発の成果が、2012年をめどに「商品」として具現化していきます。
これらの商品を2012年をめどに発売し、今後10年で進化させ、普及を加速します。
以上