ニュースリリース

2008年06月10日ニュースリリース

世界初、スーパースポーツモデル用新ブレーキシステム電子制御式「コンバインドABS」を開発

 Hondaは、二輪車のスーパースポーツモデルに適した先進のブレーキシステムである電子制御式「コンバインドABS」を世界で初めて開発した。

電子制御式「コンバインドABS」搭載車(研究・開発車)

電子制御式「コンバインドABS」搭載車(研究・開発車)

 この電子制御式「コンバインドABS」は、コンバインドブレーキシステム(前・後輪連動ブレーキシステム)とABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の双方を、電子制御化することで、従来のシステムに比べより緻密なコントロールを可能としたシステムである。スーパースポーツモデルは、車両のコンセプト上、ホイールベースが短く車両重量が軽量な設計となっているため、急激な制動時には車体が大きくピッチングする傾向にあり、この車体の挙動を安定させることができるブレーキシステムの開発が求められていた。
 今回の新たなシステムは、従来のスポーツモデルに採用してきた機械制御式のコンバインドブレーキシステムを電子制御化することで、制動時における前・後輪への制動力配分をより緻密にコントロールするとともに、ABSの作動についてもより高度なコントロール技術を採用している。このシステムによって、スーパースポーツモデルでもブレーキング時の安心感を高められるものとしている。
 なお、このシステムは、今後販売するスーパースポーツモデルへの搭載を計画している。

電子制御式「コンバインドABS」の主な特徴

 現行のスポーツモデルに採用している機械制御式コンバインドブレーキシステムは、リア側はPCV(プロポーショナル・コントロール・バルブ)とフロント側はディレイバルブの働きによって、制動力を前輪、後輪に適切に配分している。今回の新システムは、ブレーキの入力状態をECU(エレクトロ二ック・コントロール・ユニット)が検知・演算し、前輪側と後輪側それぞれに配置されたパワーユニット内のモーターを作動させることで、液圧を発生させ前輪と後輪に最適な制動力を発生させている。ライダーの入力は、小型ストロークシミュレーターにより従来システム同様のレバーフィーリングを再現するとともに、より緻密に制動力を制御することで、スーパースポーツモデルに求められるコントロール性に優れたブレーキシステムとしている。
 ABSについては、現行のスポーツモデルに採用しているシステムでは、前・後輪のスリップ率を検知して制動力をコントロールしているが、今回のシステムでは、前・後輪のスリップ率に加えブレーキの入力圧力も検知し、制動力のより緻密なコントロールを可能としている。
 この電子制御式「コンバインドABS」は、Hondaが長年培ったブレーキ技術を基に、電子制御技術をより進化させることで、様々な条件下での急制動時にも車体の挙動安定性を保つための緻密なコントロールを可能としている。

電子制御式「コンバインドABS」システム図

電子制御式「コンバインドABS」システム図

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