ニュースリリース

2007年11月29日ニュースリリース

Honda、航空エンジン事業統括会社の新社屋とジェットエンジン工場の建設を開始

  • Hondaの航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インクは、米国東部時間2007年11月28日(水) 午前10時(日本時間29日午前零時)に、以下の件を発表しましたので、その内容をご案内いたします。

 Hondaの航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インク(Honda Aero, Inc.社長:長谷川 文隆)は、米国ノースカロライナ州バーリントン(Burlington)市において、11月28日午前10時(現地時間)より、新社屋と小型ターボファンエンジンの生産工場の鍬入れ式を行った。生産開始は2010年後半の予定。騒音やエミッション面で環境に配慮した工場の建屋面積は58,400ft2(約5,400m2)で、テスト区画とオフィススペースを合わせた総建屋面積は102,400ft2(約9,500m2)。総投資金額は2,700万ドル。立ち上がり後、約1年以内に従業員70名体制で年産200基の生産規模を目指す。

 世界のビジネスジェット機市場は年間約800機から1,000機と言われ、大多数を米国が占める。また、米国でのチャーターやエアタクシービジネスの拡大により、ベリーライトジェットと呼ばれる従来よりも小型のビジネス機が、総市場をさらに押し上げると見込まれている。Hondaは“需要のあるところで生産する”というポリシーのもと、米国に航空エンジン事業の拠点を築く。

 Hondaは最初の量産エンジンとして、独自開発のHF118をベースに、ゼネラル・エレクトリック社(GE)とHondaが共同で改良を加えたHF120を計画。軽量かつ高出力で、規制を先取りした低エミッションを持ちつつ、クラス一の低騒音性と低燃費を実現し、5,000時間というクラス最長のオーバーホール間隔とともに高い信頼性と経済性を誇り、このクラスのユーザーのニーズに応える新世代エンジンである。

参考

Hondaの航空機エンジン開発の沿革

1986年

基礎技術研究センター設立と同時に小型航空機とジェットエンジンの開発をスタート

1995年

ターボファンエンジンHFX-01の上空での運転テストに成功

2003年 12月

自社開発の小型ターボファンエンジンHF118をHondaJetに搭載し飛行に成功

2004年 2月

ゼネラル・エレクトリック社(GE)と小型ジェットエンジン分野で業務提携

2004年 7月

航空エンジン事業統括会社であるホンダ エアロ インクの設立を発表

2004年 10月

ホンダ エアロ インクとGEの折半出資でGE Honda エアロ エンジンズ(GE Honda Aero Engines, LLC 現社長:ウィリアム・ドワイヤー)を設立

2006年 10月

量産型HF120発表、同時にHondaJetに加え、及び米スペクトラム エアロノーティカル社製ビジネスジェット“Freedom”への採用を発表

2007年 7月

バーリントン市へ新社屋と生産工場の設立を発表

2007年 9月

HF120エンジンの性能実証試験を開始

Hondaの航空エンジン事業体制

会社 概要

社名

ホンダ エアロ インク/Honda Aero, Inc.

社長

長谷川 文隆(はせがわ ふみたか)

所在地

米国ヴァージニア州レストン(ワシントンD.C.郊外)/08年に移転予定

資本

3,575万ドル 本田技研工業株式会社 100%

従業員数

約15名(現地従業員含む)。工場稼動後は70名前後(予定)

業容

Hondaの航空エンジン事業に関わる開発以外の全ての統括。具体的には部品調達やエンジン生産など

会社 概要

社名

GE Honda エアロ エンジンズ/GE Honda Aero Engines, LLC

社長

ウィリアム・ドワイヤー(William J. Dwyer)/GE Aviation ジェネラルマネージャー

副社長

藁谷 篤邦(わらがい あつくに)/ホンダ エアロ インク副社長

所在地

米国オハイオ州シンシナティ

資本

GEとホンダ エアロ インクとの折半出資 資本金40万ドル

従業員数

常勤10名前後

業容

推力1,000から3,500ポンドまでの民生用小型ターボファン領域でのエンジンの認定作業、機体メーカーへの営業活動、カスタマーサポートなど