ニュースリリース

2006年05月23日ニュースリリース

Honda、「第56回 自動車技術会賞」において3件を受賞

ご参考

 社団法人自動車技術会から「第56回 自動車技術会賞」が発表され、「浅原賞学術奨励賞」、「技術開発賞」の計3件にて、Hondaのエンジニア11名が受賞しましたのでお知らせします。

「浅原賞学術奨励賞」は、自動車技術に関する優秀な論文等を発表した将来性のある新進の個人会員に、また、「技術開発賞」は、自動車技術の発展に役立つ新製品または新技術を開発した個人会員及びその共同開発者に贈られる賞である。

「浅原賞学術奨励賞」受賞内容

テーマ

「New Concept Sliding Mode Control for AMT」

受賞者

下城 孝名子(しもじょう かなこ) (株)本田技術研究所

自動マニュアルトランスミッションのギア変速時の緩衝制御に関するものであり、これまで機械的な緩衝機構や変速スピードを遅くする事により、ギア変速時の負荷低減やギア破損を防止していたが、切替え関数の設定により、外乱制御を自在に設定できるスライディングモード制御を適用し、機械的な緩衝機能が不要になる新制御手法を考案した。この新しい制御法適用により、小型化や軽量化を実現できるものとして期待される。

「技術開発賞」受賞内容(2件)

テーマ

「夜間の歩行者認知支援システムの開発」

受賞者

辻 孝之(つじ たかゆき) (株)本田技術研究所 主任研究員
橋本 英樹(はしもと ひでき) 同上 主任研究員
服部 弘(はっとり ひろし) 同上 研究員
渡辺 正人(わたなべ まさひと) 同上
長岡 伸治(ながおか のぶはる) 同上

従来の赤外線カメラによる視覚システムとは異なり、ステレオ遠赤外線カメラを用いて、三角測量の原理で2つの遠赤外線の放射により対象物の位置ばかりでなく移動を検知するアルゴリズムを考案し、対象物の大きさや形状などから対象物が歩行者であるかどうかを判断する独自の歩行者検知技術を開発。また、その検知結果を音と表示によって運転者に知らせることで、夜間でも歩行者の見落としを避ける歩行者検知システムを開発し実用化した。本技術は、2004年に発売されたレジェンドに適用されており、事故を未然に防ぐための技術開発として評価された。

テーマ

「V型6気筒可変シリンダシステムエンジンの開発」

受賞者

浅木 泰昭(あさき やすあき) (株)本田技術研究所 主任研究員
藤原 幹夫(ふじわら みきお) 同上 主任研究員
野口 勝三(のぐち かつみ) 同上 主任研究員
澤村 和同(さわむら かずとも) 同上 研究員
高橋 誠幸(たかはし まさゆき) 同上 研究員

可変シリンダシステムは、走行状況に応じて、全気筒(6気筒)、または3気筒を休止して残る3気筒のみで走行するシステムである。従来の気筒休止技術では、構造の複雑化、休止領域の制限、気筒休止と全気筒作動の切替えショック等の課題があったが、本開発では、低油圧で作動可能な弁の新機構の考案により、エンジン低回転領域でも気筒休止を可能とし、休止運転領域拡大と燃料消費率の大幅低減を達成するとともに、先進的な制御技術の組み合わせにより、切替えショックを低減した。
本技術は、2003年に発売されたインスパイア、2004年に発売されたエリシオンに適用されており、大排気量エンジンの高出力性能と、小排気量エンジンの低燃費、低排出ガス性能を高い次元で両立している。