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ニュースリリース

2005年05月20日

公道走行試験に関する報告

平成17年4月22日に国土交通省から手交された警告書に対し、事実調査結果、発生原因、再発防止対策について、以下のとおりご報告いたします。

1、事実調査結果

(1)事実確認調査方法

公道走行試験の実態について、以下の通り(株)本田技術研究所において保管されている関係書類を精査し、更に関係者へアンケート調査並びにインタビュー調査を実施し、可能な限り調査いたしました。

<前回調査内容>

  • 1)社内文書管理規程に基づき保管されている、2002年3月1日~2005年2月28日の3年間の「国内テスト計画書」より、公道走行試験で使用された試験車両を抽出致しました。
  • 2)1)で抽出された車両に対し、改造及び事故の有無について、関連する全ての書類を調査すると共に、車両管理部門へのインタビュー調査を実施致しました。
  • 3)1)で抽出された車両の内、現在保有している登録車両の実態調査を実施致しました。

<今回追加調査内容>

  • 4)「国内テスト計画書」で確認できなかった2000年~2002年3月の道路運送車両法違反に該当する車両の改造の有無、並びに事故発生の有無について、走行試験実施部門で車両の改造を計画できる立場にあった社員104人へのアンケート調査並びにインタビュー調査を実施致しました。

(2)事実調査結果

  • 1)公道走行試験を実施した事が確認できた車両は、1308台でした。
  • 2)公道走行試験車両において、道路運送車両法違反に該当する車両は以下の通りでした。
  • 1.車検証記載事項の変更申請を怠ったもの 24台(四輪車23台、二輪車1台)
    排気量の異なる原動機もしくは、型式の異なる原動機搭載を行ったにも拘わらず、必要な記載事項変更手続きを怠った。
    走行距離 50km~4,120km
    (該当期間2002年3月26日~2002年11月19日)
  • 2.検査を受けることなく公道走行試験を実施したもの 4台(二輪車)
    走行距離 30km~50km
    (該当期間2002年9月9日~2004年2月27日)
  • 3.保安基準不適合のもの 2台(四輪車)
    かじ取り装置の施錠装置無効化を行った。
    走行距離 約10km
    (該当期間2004年5月6日~2005年2月8日)
  • 3)公道走行試験を実施した1308台の内、現在保有している登録車両734台に関して、道路運送車両法違反に該当する車両はありませんでした。
  • 4)今回、新たに行ったアンケート調査並びにインタビュー調査の結果は以下の通りでした。
  • 1.2000年~2002年3月までに、車両の改造を計画できる立場にあった社員104名を対象にアンケート調査を実施した結果、登録車両の改造について何らかの記憶があるとの回答が4名(4台)の社員からありました。
  • 2.その4名へ詳細なインタビューを実施し、車両の改造目的、改造内容、改造時の申請の有無および公道走行試験実施の有無等に関し、確認したところ以下のとおりでした。
    ・改造目的および内容
    弊社では、開発している次期モデルとの性能比較試験のため、市販されているホンダ車を購入、車両登録し保有している事があります。通常、性能比較試験が終了した後には登録を抹消し廃却を致しますが、今回のインタビューの中では、保有していた4台の車両に同一排気量だったと思われる試作原動機を載せ替え、次期モデルの開発車両として保有を継続した記憶があるとのことでした。
    ・改造申請および公道走行試験
    しかしながらこれらの車両に行われた改造が、申請の必要のない「車両登録を抹消してからの改造」であったかどうか、さらにこれらの車両で、公道走行試験を行ったか否かに関しても定かではありませんでした。
    ・したがって、2000年~2002年3月までに所有した登録車両で、車検証登録事項の変更を伴う内容の改造が行われた可能性はあるものの、それらの車両について改造申請が必要であったか否か、また、それらの車両を使って公道走行試験が実施されたか否かについては明確になりませんでした。
  • 5)今回、新たに行ったアンケート調査並びにインタビュー調査の結果を含め、公道走行試験時の事故発生はありませんでした。

2、発生原因

(1)原因調査方法

事実確認調査、並びに道路運送車両法違反に該当する車両による公道走行試験に関わった従業員へのインタビュー調査を基に、原因分析を行いました。

(2)発生原因分析

  • 1)車検証記載事項の変更申請を怠ったものについて
  • 1.車検証記載事項の変更を伴う改造を実施した場合、車両管理部門から運輸支局へ届出を行うという社内ルールはあったものの、当該車両管理部門へ改造実施の連絡を行う責任を持つ部門が明確でなかったため、運輸支局への届出を行うことなく、改造が実施され得る状況でありました。
  • 2.試験実施部門の担当者は、車両構造に関する法規については精通しているものの、公道走行試験に関係する法令に定められた手続きに関する法規については精通しておらず、また、遵法意識が低く、自己判断の下で変更申請を怠ってしまいました。
発生原因分析
  • 3.国内で車両走行試験を行う際に起票する『国内テスト計画書』には、試験車両の車名と車台番号を記入するようになっていたものの、改造の有無についての記入欄が無く、当該『国内テスト計画書』だけでは、その試験車両に改造が行われていたか否か判断できるものではありませんでした。又、公道走行試験の実施に際して、改造手続きに関する明確な適法性判断が行われていませんでした。
発生原因分析
  • 2)検査を受けることなく公道走行試験を実施したものについて
    短時間、短距離の公道走行試験であった為、担当者が軽率に考えておりました。更に試験実施部門の法令遵守意識が希薄でありました。又、公道走行試験の実施に際して起票される『国内テスト計画書』では、公道走行試験を行うための手続きに関する明確な適合性判断が実施できるようになっていませんでした。
  • 3)保安基準不適合のものについて
    試験実施部門は、当該改造が保安基準に適合しなくなるという認識はありましたが、公道走行試験が短時間で一時的なものであり、担当者が当該車両から離れることがないとの想定のもと、盗難防止装置の一部である施錠装置を無効化し、公道走行試験を行いました。
    また、『保安基準チェックシート』の運用が徹底されていませんでした。

原因のまとめ

試験実施部門では、関連する法規に対する認識はあったものの、遵法意識が不足しており、改造申請等の必要な手続きを怠ったまま、部門独自の判断で公道走行試験を実施してしまいました。
更に、これらを防止する公道走行試験実施に対する社内の業務フローが明確でなく、また適法性審査機能が不十分でありました。
まとめますと、下記2項目が原因と認識致しました。

  • 1)社内規程の不徹底及び一部不備
  • 2)関連部門の道路運送車両法に対する法令遵守の意識不足

3、再発防止対策

(1)社内規程の不徹底及び一部不備に対する取り組み

  • 1)公道走行試験について(平成17年5月末までに完了)
  • 1.事前審査の強化
    社内の部長クラスのポジションの者を走行試験総括責任者として明確にすると共に、公道走行試験実施にあたっては、この走行試験総括責任者がその試験目的、内容を確認し、実施可否の判断を行う手続きを新設します。
  • 2.社内業務手順の明確化
    国内走行試験を実施する場合、「公道走行試験を伴うもの」と「公道走行試験を伴わないもの」に分離し、「公道走行試験を伴うもの」については新たに設けた『公道走行試験計画書』に走行試験車両の詳細情報を明記させ、提出することを義務付けます。
    更に、公道走行試験実施に際して、構造が変更された車両を使用する場合『改造作業記録』等の添付義務付けと同時に、走行試験総括責任者が最終判断します。
再発防止対策
  • 2)試験車両改造について(平成17年5月末までに完了)
  • 1.社内審査機能の強化
    改造における保安基準適合性の判断、及び関連する申請等の要否の判断を確実なものとするため、研究所所長を委員長とする、「改造実施部門」、「試験実施部門」、「車両管理部門」及び「本田技研工業(株)認証部」からなる「車両審査会」を新たに設置し、管理体制、審査機能の強化を図ります。
  • 2.社内業務手順の明確化
    ・車両改造を行う場合の改造申請の必要性の有無を判断するための指針として『車両改造ガイドライン』、保安基準への適合性を判断するためのものとして『保安基準チェックシート』をそれぞれ策定し、試験実施部門に常備します。
    試験実施部門は、改造を行う場合、この『車両改造ガイドライン』と『保安基準チェックシート』を必ず参照し、法規適合性の一次判断を実施することとし、さらに当該改造に係わる『車両改造申請書』を起票し、車両審査会に提出することといたします。
    ・車両審査会は、試験実施部門から提出された『車両改造申請書』の内容を審査し、改造の必要性と法規適合性の判断を行い、改造が適切であると判断した場合には試験実施部門に改造許可を通知し、改造が不適切であると判断した場合には改造不許可を通知します。
    ・改造実施部門は、車両審査会により改造許可を通知された場合、許可された範囲で改造作業を行い、実施した改造作業内容を『改造作業記録』に記録し、車両審査会に通知します。
    ・車両審査会は、『改造作業記録』により『車両改造申請書』に基づいた改造が行われたことを確認し、更に改造終了後の車両自体を『保安基準チェックシート』を用いて法規に適合しているか否か検査します。
    また、当該改造につき車検証記載事項変更届出、又は改造届出の申請が必要な場合は車両管理部門に車検証記載事項の変更届等の申請を指示します。
    ・車両管理部門は、車両審査会の指示を受け、車検証記載事項の変更届出等が必要な場合、改造終了後15日以内に管轄運輸支局への申請を行います。
試験車両改造について

(2)関連部門の法令遵守の意識向上に対する取り組み

  • 1)道路運送車両法に関する教育の徹底(平成17年6月末までに実施)
    研究開発に携わる所員全員を対象に、道路運送車両法に関する教育の再実施を早急に行うと共に、この道路運送車両法に関する教育を定期的な教育プログラムとして実施し、定着化を図ります。
  • 2)新規業務フローの教育と定着化(平成17年6月末までに実施)
    業務フロー並びに社内帳票をまとめた『公道走行試験運用規程』を作成し、関連部門へ配布し、常備します。又、『公道走行試験運用規程』を周知徹底させるため、研究開発に携わる所員にこれら規程の教育を実施します。

4、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの強化について

Hondaではグループ内の各組織が、担当取締役の主導の下で、法令の遵守やリスクの予防に努め、その状況を定期的に検証するなど、コンプライアンスやリスク管理について体系的に取り組む仕組みを整備しております。
また、企業倫理やコンプライアンスに関する事項を審議する「企業倫理委員会」や、企業倫理に関する問題について提案を受け付ける「企業倫理改善提案窓口」が設置されておりますが、この度の法規違反とその調査結果を踏まえて、これらの確実な運用と従業員に対する周知徹底を図って参ります。

以上