Hondaは、知能化したVTEC機構(可変バルブタイミング・リフト機構)により、低回転・高回転・気筒休止の3段階でバルブ制御を行う「3ステージ i-VTEC」エンジンと、大幅に小型高効率化した「IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」を組み合わせた「新Hondaハイブリッドシステム」を新開発、今秋発売予定の新型シビック ハイブリッドに搭載する。
新Hondaハイブリッドシステムは、エンジンの知能化制御とIMAシステムの高効率化により、従来システム※1から、システム出力を約20%高め1.8Lエンジンクラスの力強い走りを実現しながら、燃費を5%以上向上するとともに※2、システムサイズの5%の小型化や世界最高レベルの排出ガスクリーン性能を達成。走行性能、燃費とも以前より大きく進化させたシステムとして完成した。
「3ステージ i-VTEC」エンジンは、3系統の油路で5つのロッカーアームの連結と解除を行い、走行状況にあわせて3段階でバルブを制御、レスポンスの良い走りと低燃費を両立している。また減速時などの気筒休止では4気筒すべての燃焼を休止させシリンダー内を密閉に保ち、吸・排気に伴うポンピングロスを低減、減速エネルギー回生量を従来モデル※3にくらべ約10%向上した。熱膨張が少なく高温時の摩擦抵抗を低減するアルミダイキャスト・ピストンやイオンプレートピストンリング、シリンダー側壁をなめらかに仕上げるプラトーホーニングを採用するなど、エンジンの摩擦抵抗も低減している。
Honda独自開発のモーターは、コイル巻き線の高密度化や高性能磁石の採用などにより、従来モデル※3と同じサイズで出力を約1.5倍に向上。モーターの回転を制御するインバーターも独自開発・生産とし、モーターECUと一体化することで、より高精度のデジタル制御を実現、モーターの効率を高め一層の低燃費化に貢献している。バッテリーは、従来モデル※3から出力を約30%向上。バッテリーを納めるボックスを専用設計とし、小型化するとともに、冷却性能や耐振動性を高め、長期の信頼性をさらに向上した。
また、ブレーキペダルの踏み込み量にあわせたなめらかな減速と最大限の減速エネルギー回生を可能にするため、減速エネルギー回生量にあわせたブレーキ油圧制御を行う、協調回生ブレーキを採用。さらにエンジンとモーターで駆動するハイブリッドコンプレッサー搭載のエアコンディショナーにより、アイドルストップ時にはモーター駆動、急速冷房時はエンジンとモーター両方の駆動、温度安定時はモーターのみの駆動を行い、快適性の向上と低燃費化に寄与している。
原動機 | エンジン | エンジン種類 シリンダー数 |
水冷直列4気筒 |
総排気量(cm3) | 1,339 | ||
内径×行程(mm) | 73.0×80.0 | ||
電動機 (モーター) |
電動機種類 | 交流同期電動機(薄型DCブラシレスモーター) | |
定格電圧(V) | 158 | ||
性能 | エンジン | 最高出力 (kW[PS]/rpm) |
70[95]/6,000 |
最大トルク (N・m[kg・m]/rpm) |
123[12.5]/4,500 | ||
電動機 (モーター) |
最高出力 (kW[PS]/rpm) |
15[20]/2,000 | |
最大トルク (N・m[kg・m]/rpm) |
103[10.5]/0~1,160 | ||
システム 出力 |
最高出力 (kW[PS]) |
70+15[95+20] | |
最大トルク (N・m[kg・m]) |
167[17.0] |
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