ニュースリリース

2003年02月03日ニュースリリース

2003年 Hondaモータースポーツ活動

 Hondaは「人々とともに夢を求め、夢を実現していく」という意志をグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams」に込め、企業活動を推進している。
 モータースポーツ活動は、「チャレンジングスピリット」の原点であり、常に自らの夢や志を高く掲げ、「先進創造へのチャレンジ」を続けることで、お客様に夢と感動を提供していく。

Hondaのモータースポーツ活動における3つの分野

1.レース活動

「お客様と夢の共有」「世界に挑戦し若手技術者を育成」「ブランドロイヤリティーの確立」を目的にレース活動を展開する。4輪レース活動は、参戦4年目となったF1世界選手権において、エンジンを新開発し、B・A・Rとの連携を更に深め、新たにジェンソン・バトン、佐藤琢磨をチームに迎え入れる強力な体制で挑む。インディカー・シリーズへは本年度より参戦を開始する。米国のホンダ・パフォーマンス・ディベロップメントはイルモア・エンジニアリングとテクニカルパートナーシップを組み、新開発されたHonda V8「HI3R」エンジンを供給する。全日本GT選手権は、(株)無限と(株)童夢のマシン開発プロジェクト「NSX-GTプロジェクト」のもと、5チーム5台にて参戦する。2輪レース活動については、WGP最高峰クラスで2連覇を成し遂げているロードレースやモトクロス、トライアルの世界選手権、各国の選手権に参戦する。

2. モータースポーツを「観て、参加して、楽しむ」場、機会の提供

本年より、インディカー・シリーズ史上初の海外レース「INDY JAPAN 300mile」をツインリンクもてぎにて開催する。また、インディ500の「世界的モータースポーツの祭典の楽しさ」を日本で実現させるべく、本場の参加・体験型のコンセプトを取り入れ、4月5日からレース決勝日までの一週間を、「Indy Week」として運営する。
(株)鈴鹿サーキットランドと、(株)ツインリンクもてぎ、ホンダ・セーフティ&ライディングプラザ九州での、世界の頂点レースの開催や様々な普及活動をより多くのお客様に楽しんでいただくべく、支援活動を一層強化する。
また、昨年に引き続き「ベルノエキサイティングカップ インテグラ ワンメイクレース」を開催、さらに、Honda車で楽しみながらサーキットで安心して操る楽しさと競い合うことを幅広く提供することを目的とした「コンセプト・ミーティング」をはじめ、各種スクール活動や、参加型イベントを開催する。

3. 世界のトップレベルのレースで表彰台を争う人材の育成

世界の頂点レースで表彰台を争うライダー、ドライバーなど、将来を担う人材の育成を目的に、トップアスリートとしてのフィジカル面からメンタル面まで多方面にわたるアドバイスをしながら、「鈴鹿サーキット」「ツインリンクもてぎ」と連携し、長期的な視野で継続した活動を推進する。また本年も、鈴鹿レーシングスクール(SRS-J、SRS-K、SRS-F)をはじめとする各種スクールやレース、さらにフォーミュラドリーム、フォーミュラドリームのスカラシップによるF3参戦支援など、各カテゴリーにおける人材を育成するためのプログラムを継続して行なう。

二輪参戦計画概要

Hondaワークスチーム及びHRCワークスマシン参戦計画

FIM2003年ロードレース世界選手権シリーズ MotoGPクラス

 Hondaは、FIM2003ロードレース世界選手権(モトGP世界選手権)シリーズにMotoGPクラスの3連覇(注:1)を目指し、以下の体制で参戦する。
 MotoGPクラスには、昨年参戦1年目で16戦中14勝し、ライダーとメーカー部門でシリーズチャンピオンを獲得したHonda RC211Vを7台投入する。
 昨年のチャンピオンチーム「Repsol Honda Team」(レプソル・ホンダ・チーム)は、バレンティーノ・ロッシ(#46 Valentino Rossi イタリア)とニッキー・ヘイデン(#69 Nicky Hayden アメリカ)が参戦。ロッシは、昨年シリーズ11勝を挙げ圧倒的な強さで2年連続のシリーズチャンピオンを獲得し、3連覇を目指す。ヘイデンは、昨年AMAスーパーバイク選手権シリーズのチャンピオンを史上最年少で獲得。今年は活躍の場をMotoGPクラスに移し、チャンピオン獲得を目指す。
 「Camel Pramac Pons」(キャメル・プラマック・ポンス)は、ライダーを一新。昨年最終戦まで激しい2位争いを展開した、マックス・ビアッジ(#3 Max Biaggi イタリア)と宇川 徹(#11 Tohru Ukawa 日本)を起用。共に昨年度優勝経験のあるビアッジと宇川が、今年は同じチームでチャンピオン獲得を目指す。
 「Team Telefonica Movistar Honda」(チーム・テレフォニカ・モビスター・ホンダ)は、参戦1年目ながら表彰台を獲得するなどの活躍をし、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(注:2)を受賞した加藤 大治郎(#74 Daijiro Kato 日本)を起用。また、新たにセテ・ジベルノー(#15 Sete Gibernau スペイン)を起用し、2台体制でMotoGPクラスのチャンピオン獲得を目指す。
 「Pramac Honda Team」(プラマック・ホンダ・チーム)は、FIMスーパーバイク世界選手権シリーズ日本大会で、2001年、2002年と2年連続で総合優勝した経験のある玉田 誠(#6 Makoto Tamada 日本)を起用。玉田は、活躍の場をMotoGPに移し、ブリヂストンタイヤで(注:3)参戦する。

 (注:1)2001年は500ccクラス。2002年は名称がMotoGPクラスに変更。 
 (注:2)ルーキー・オブ・ザ・イヤーとは、参戦1年目に最も活躍したライダーに贈られる賞。
 (注:3)レプソル、キャメル、テレフォニカの3チームは、ミシュランタイヤを使用。

FIM2003年トライアル世界選手権シリーズ

 昨年、3年連続でライダーとメーカー部門のシリーズタイトルを獲得した、トライアル世界選手権には、HRCのワークスマシンmontesa COTA315Rを3台投入する。
 チャンピオンチームの「montesa HRC」(モンテッサ・エイチアールシー)から、シリーズ6年連続チャンピオンのドギー・ランプキン(#1 Dougie Lampkin イギリス)が参戦。また昨年ランプキンと最終戦まで激しいチャンピオン争いを展開した、ランキング2位の藤波貴久(#2 Takahisa Fujinami 日本)がチャンピオン獲得を目指し参戦を、また、新たにランキング7位のマーク・フレイシャー(#7 Marc Freixa スペイン)をチームに迎え、3人体制でシリーズ4連覇を目指す。 

2003年MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ

 昨年、2シーズン振りにタイトル獲得を逃した全日本モトクロス選手権シリーズの250ccクラスには、ワークスチームの「TEAM HRC」(チーム・エイチアールシー)より、2ストロークマシンHonda RC250Mと4ストロークマシンHonda CRF450Rを各1台投入する。ライダーは2000年チャンピオンの高濱龍一郎(#3 Ryuichiro Takahama 日本)をCRF450Rで起用し、新たに勝谷武史(#111 Takeshi Katsuya 日本)をRC250Mで起用する。
 また125ccクラスでは、4ストロークマシンHonda CRF250Rの開発を兼ね、「TEAM HRC」(チーム・エイチアールシー)より、芹沢直樹(#1 Naoki Serizawa 日本)が参戦する。 

Honda日本人ライダー世界選手権参戦計画

FIM2003年ロードレース世界選手権シリーズ 125ccクラス

 昨年のロードレース世界選手権シリーズ125ccクラスに参戦し、ブラジルグランプリで優勝を飾っている東 雅雄(#8 Masao Azuma 日本)が、今年はHonda RS125Rで「Ajo Motorsports」(アジョ・モータースポーツ)より参戦する。

FIM2003年モトクロス世界選手権シリーズ

 昨年、モトクロス世界選手権シリーズ250ccクラスに参戦しながら、ケガの影響で不本意なシーズンに終わったHRCの契約ライダー熱田孝高(#78 Yoshitaka Atsuta 日本)が、マシンを4ストロークのHonda CRF450Rに変更し、再び「CAS Honda Racing」(キャス・ホンダ・レーシング)よりモトクロス世界選手権シリーズ250ccクラスに参戦する。

各国のHonda参戦計画

日本

2003年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ

 今年の全日本ロードレース選手権シリーズは、Hondaの販売店が運営母体となるチーム参戦が中心となり、株式会社ホンダ・モーターサイクル・ジャパン(HMJ)が、これをサポートする形態となる。
 JSB1000クラスには市販モデルHonda CBR954RRレースベース車を中心に、昨年のシリーズチャンピオン山口辰也(Tatsuya Yamaguchi 日本)「Castrol Honda Dream RT」やST600クラスチャンピオンの清成龍一(Ryuichi Kiyonari 日本)「チーム高武RSC」らが参戦する。
 昨年、2連覇を達成したST600クラスには、フルモデルチェンジを施したCBR600RRレースベース車を市販するなど、戦闘力を向上させたマシンで3連覇を目指す。 

  • *2003年より、スーパーバイククラスはJSB1000クラスを主体とし振興・活性化することとなる。 

欧州

FIM2003年スーパースポーツ世界選手権シリーズ

 スーパースポーツ世界選手権シリーズでは、ホンダ・ヨーロッパ・モーター・サイクル(Honda Europe Motorcycle S.R.L.)がサポートし、Honda CBR600RRを8台投入する。
 ライダーは、「Ten Kate Honda」(テン・ケイト・ホンダ)より、クリス・バーミューレン(Chris Vermeulen オーストラリア)とカール・マガリッジ(Karl Muggeridge オーストラリア)。「Klaffi Honda」(クラフィ・ホンダ)より、ロバート・ウルム(Robert Ulm オーストリア)とジアンルイジ・スカルビニ(Gianluigi Scalvini イタリア)。「BKM Honda Racing Team AG」(ビーケーエム・ホンダ・レーシング・チーム・エージー)より、クリストフ・コーギャン(Christophe Cogan フランス)とパーカー・ブロク(Parker Broc オーストラリア)。「Van Zon Honda」(バン・ゾン・ホンダ)より、ワーナー・ディーメン(Werner Deamen ベルギー)とイアン・マクファーソン(Iain MacPherson イギリス)が参戦する。 

FIM2003年モトクロス世界選手権シリーズ

 スーパースポーツ世界選手権同様、HEMがサポートするモトクロス世界選手権シリーズでは、「CAS Honda Racing」(キャス・ホンダ・レーシング)より、ジョシュア・コピンズ(Joshua Coppins ニュージーランド)がHonda CR250Rで、ゴードン・クロッカード(Gordon Crockard アイルランド)とジュシ・フェビライネン(Jussi Vehvilainen フィンランド)がCRF450Rで参戦する。 

米国

2003年AMAスーパークロス/ナショナルモトクロス・シリーズ

 AMAスーパークロスとナショナルモトクロスには、アメリカン・ホンダ・モーター(American Honda Motor Co., Inc.)がサポートし、Honda CR250Rを5台とHonda CRF450Rを1台投入する。
 チャンピオンチームの「AMERICAN HONDA」(アメリカン・ホンダ)からは、昨年16戦中11勝の圧倒的な強さで2年連続シリーズチャンピオンを獲得した、リッキー・カーマイケル(Ricky Carmichael アメリカ)とエルネスト・フォンセカ(Ernesto Fonseca コスタリカ)が、CR250Rで参戦。また、昨年第13戦で初優勝を獲得したネイサン・ラムゼイ(Nathan Ramsey アメリカ)がCRF450Rで参戦する。
 また、「FACTORY CONNECTION HONDA」(ファクトリー・コネクション・ホンダ)からは、マイク・ラロッコ(Mike LaRocco アメリカ)、トラビス・プレストン(Travis Preston アメリカ)、マイケル・バーン(Michael Byrne オーストラリア)がCR250Rで参戦する。 

四輪参戦計画概要

F1世界選手権

第三期F1活動は4年目を迎え、今季はB・A・Rと1チーム2台体制にて参戦する。ニューエンジンHonda「RA003E」は、大幅な軽量コンパクト化を実現しながら、パワー、トルク性能の向上を達成。新たなコーポレート・アイデンティティを発表したB・A・Rとの連携を更に深め、Hondaの技術を活かした車体の共同開発を加速する。ドライバーは、4年目となるジャック・ビルヌーブ(Jacques Villeneuve カナダ)と、新たに加入したジェンソン・バトン(Jenson Button イギリス)の体制でシーズンを戦う。また、サードドライバーとして佐藤琢磨(Takuma Sato 日本)を迎え入れ、万全の体制を築く。 

参戦チーム ドライバー
LUCKY STRIKE B・A・R Honda ジャック・ビルヌーブ(カナダ)
ジェンソン・バトン(イギリス)
サードドライバー 佐藤琢磨(日本)
テストドライバー アンソニー・デビッドソン(イギリス)

インディカー・シリーズ

本年度より、Hondaはインディカー・シリーズに参戦を開始する。ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(Honda Performance Development, Inc.:HPD)が、イルモア・エンジニアリング(Ilmor Engineering, Inc.)とテクニカルパートナーシップを組み、新たに開発されたHonda V8「HI3R」エンジンを、以下の3チーム5台へ供給することが決定している(2月3日現在)。

参戦チーム ドライバー
アンドレッティ・グリーン・レーシング マイケル・アンドレッティ(アメリカ)
ダリオ・フランキッティ(イギリス)
トニー・カナーン(ブラジル)
チーム・レイホール ケニー・ブラック(アメリカ)
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング ロジャー・安川(日本)

全日本GT選手権シリーズ(JGTC)

(株)無限と(株)童夢のマシン開発プロジェクト「NSX-GTプロジェクト」のもと、5チーム5台にて参戦する。マシンは、新レギュレーションに対応し、エンジンを縦置き搭載とした新たなNSX-GT’03スペックを製作し、チームタイトルの防衛、およびドライバーズタイトルの奪回を目指す。

参戦チーム ドライバー
無限 伊藤大輔(日本)/T.B.N
童夢レーシングチーム 道上 龍(日本)/
セバスチャン・フィリップ(フランス)
AUTOBACS RACING TEAM AGURI 土屋圭市(日本)/T.B.N
Mobil 1 Nakajima Racing ラルフ・ファーマン(イギリス)/松田次生(日本)
チーム国光with MOONCRAFT 光貞秀俊(日本)/加藤寛規(日本)