ニュースリリース

2001年07月17日ニュースリリース

シンガポールにおける新地域交通システムICVSの運用概要を発表

 Hondaは、シンガポール共和国において新交通システムICVS(インテリジェント・コミュニティ・ビークル・システム)の運用を、来年初めに開始すると発表した。
Hondaはフィジビリスタディー(実行可能かどうかを見極める調査・検討)を行い、その結果、同国においてICVSの有用性が高いと判断し運用を行なうこととしたものである。
その概要としては、ビジネスの中心地であるCBD(Central Business District)地区内に複数のICVSポート(専用駐車場)を設置し、地区内外の移動のために会員が車両を共同で利用するものである。使用する車両はシビックのハイブリッドカーを予定し、初年度はポート数3~6ポート、車両数50台を目標に運用を行なう。

このシンガポールでのICVSでは、3種類のサービスを会員に提供する。

  • 1)昼間利用サービス:CBD地区内の移動に利用
  • 2)夜間利用サービス:自宅とCBD地区内オフィスとの通勤に利用
  • 3)週末利用サービス:自宅に持ち帰り、マイカーとして利用

これらを組み合わせることによって車両を最大限に活用し、会員が利用しやすい利用料金でサービスを提供する。
尚、スタート時より3ヶ月間は試用期間として位置付け、無料でサービスを提供する。
その他、今回の発表に伴い、CBD地区内で活動しサービスに関心を持っている人々を対象に会員の募集を開始する。

このICVSのサービスは、シンガポール政府の窓口であるEconomic Development Board(経済開発庁)の協力を受けて行う。
同国での展開は、国土が狭く限られた土地しか持たないという事がICVSの目指す車両の共同利用に相応しい国情であることや、高い制御技術を要する本システムに対し先進技術立国を目指す同国政府の理解、協力により実現したものである。

現地法人Honda ICVS Singapore Pte Ltdの概要

会社名

Honda ICVS Singapore Pte Ltd
(ホンダ アイシーブイエス シンガポール プライベート リミテッド)

代表者

中内 敏夫

所在地

シンガポール市

設立日

2001年2月6日

資本金

400万シンガポールドル(約2.76億円)
(3月22日現在 1シンガポールドル=約69円)

資本構成

本田技研工業株式会社 100%

事業内容

ICVSの研究開発、運営実験

HondaのICVSに対する取り組み

1994年10月

デトロイトでICVSのコンセプト発表

1996年4月

『メトロポリス'96東京』でICVS車両のコンセプトモデルを公開。

1998年10月~ 2000年6月

ツインリンクもてぎにおいて4種類の車両を使い、ICVSの公開運用を行う。

1999年2月~11月

米国カリフォルニア州サンフランシスコ近郊のBART(Bay Area Rapid Transit)のダブリン-プレザントン駅で12台のCIVIC天然ガス車を使い、ステーションカーシステム「Carlink」の実験運用をUC Davis校と共同で行う。

1999年3月~

米国カリフォルニア州のUC Riverside校の構内において、EVプラス15台を使い3ポートどこでも貸し出し、返却できるマルチポートシステム「Intelli Share」の実験運用をUC Riverside校と共同で行う。