二輪製品ニュース
2001年8月22日
1800ccの米国製大型スポーツツアラー「ゴールドウイング」を新発売
Hondaは、米国の生産拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチュアリング(HAM)で生産する、大型スポーツツアラー「ゴールドウイング」を13年振りにフルモデルチェンジし、排気量を1,800ccにアップして8月23日(木)より発売する。
このゴールドウイングは、Honda二輪車ラインアップの最高峰モデルであり、1975年米国でGL1000(輸出仕様)として販売を開始した。1980年のGL1100より米国での生産に切り替え、1988年ゴールドウイング(1,500cc)より日本で輸入・販売を始めた。これまでも、大排気量と充実した装備などで大変好評を得ているモデルである。
今回、低重心の新設計水冷4ストロークOHC水平対向6気筒1,800ccエンジンを搭載することで、余裕あるパワーを実現するとともに、三元触媒システム「HECS3※1」の採用で世界最高水準の環境性能を実現している。さらに、軽量、剛性に優れた新設計のアルミフレームの採用や、最適なライディングポジションなどにより、取り回しのよい操作性を可能としている。パッセンジャーシートは、ファーストクラス感覚の乗り心地を追求し、ロングツーリングでも疲労の少ない設計としている。
また、国内専用仕様として、量産二輪車世界初※2の電動式光軸調整機能付きのディスチャージ式ヘッドライトや、間欠機能付き電動ワイパー、盗難抑止システム「H・I・S・S※3」を採用している。
車体色は国内専用色の「パールグレイシャーホワイト」と、北米、欧州と共通色の「パールキャニオンレッド」の2色を設定している。
※1. |
Honda Evolution Catalyzing System 3 |
※2. |
Honda調べ |
※3. |
Honda Ignition Security System |
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ゴールドウイング |
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販売計画台数(国内・年間) |
700台 |
● |
メーカー希望小売価格 |
ゴールドウイング |
3,000,000円 |
(地域希望小売価格の一例:北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く。) |
(参考価格。消費税を含まず。) |
=ゴールドウイングの主な特徴=
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国内専用装備 |
(1) |
ディスチャージヘッドライト |
従来のハロゲン式ヘッドライトに比べて約2倍の明るさを誇り、視認性に優れた量産二輪車世界初の電動式光軸調整機能付きディスチャージヘッドライトを装備。 |
(2) |
間欠機能付きワイパー |
雨天時にフロントスクリーンの視界を確保するワイパーは、雨の強弱に合わせて動きを選べる間欠機能付きとしている。電動ウォッシャー用のタンク容量は1.9L。 |
(3) |
先進のセキュリティーシステム「H・I・S・S」 |
Honda独自開発の盗難抑止システム「H・I・S・S(Honda Ignition Security System)」を搭載。オリジナルキーに内蔵のチップがエンジンコントロールユニットからの信号を認識。信号を受けたチップはあらかじめ設定されているIDをエンジンコントロールユニットへ返信し、信号が合致しない限りエンジンが始動しない先進のシステムを採用。また、イモビアラーム(販売店オプション)用の専用配線を装備。セコム(株)の位置情報提供サービス、ココセコムにも対応している。 |
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低重心の新設計1,800cc水冷4ストローク水平対向6気筒エンジン |
1,800ccの大排気量による余裕あるパワーと、水平対向6気筒エンジン特有のなめらかな走りに磨きをかけるとともに、PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)の採用により、全回転域をカバーする俊敏なレスポンスとスムーズな出力特性をもたらしている。また、直押し式の吸・排気バルブを、燃焼室上方へ並列に配置することにより、ライダーのフットスペースを確保し、乗車位置を前方へ50mm移動させ最適なライディングポジションを実現している。さらに、自動調整式サイレントカムチェーンを採用してメンテナンスフリーを実現している。 |
● |
世界最高水準の環境性能 |
排出ガス浄化システムは、精密な空燃比制御によって浄化効率を高めるPGM-FIや、未燃焼ガスの酸化反応を促す、エアインジェクションシステムに加え、O2センサーを組み合わせた小型で軽量な円筒型の三元触媒システム「HECS3」を採用することで、排出ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を大幅に低減している。
国内規制値に対してのレベルは、CO(一酸化炭素)は1/10、HC(炭化水素)は1/10、NOx(窒素酸化物)は1/4にまで低減している。
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アルミ製ツインチューブフレーム |
エンジン自体をフレームの強度メンバーとして組み込み、最適の剛性と柔軟性を両立した、新設計のマルチボックスセクション式アルミ製ツインチューブフレームを採用。ライディングポジションを考慮したフレームレイアウトは、大排気量車であることを感じさせない、軽快な操作性と快適な乗り心地を実現している。 |
● |
高次元の制動性能 |
ハンドブレーキまたは、フットブレーキのどちらか一方を操作すれば、前・後輪のブレーキが適切な制動配分で作動する、前・後輪連動ブレーキシステム「デュアル・コンバインド・ブレーキシステム(Dual CBS)」に、急制動時などに前・後輪のロックを回避するABS(アンチ・ロック・ブレーキ・システム)を組み合わせた「前・後輪連動ABS」を国内モデルとして初めて採用。大型スポーツツアラーにふさわしい安定した制動力を発揮させるとともに、使い勝手に優れたものとしている。 |
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力強さと機能美を追求したスポーティーなスタイリング |
スポーティーなフロントフェイスと、力強さと軽快さを主張するリアフォルム。エアロダイナミクスを追求したボディーは、美しさと機能性を両立しており、ライダーを風圧から守るとともに空気抵抗を減少させている。上質さと逞しさ、さらに機能性を併せ持つ風格あるスポーティーなスタイリングとしている。 |
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走りの楽しさと、最上級の乗り心地を追求したシート |
従来モデルに比べてエンジンを25mm前方へ搭載し、ライディングポジションを50mm前方へ移動したことで、前後輪の重量バランスを最適化でき、よりモーターサイクルらしいスポーティーな操縦性を可能としている。
また、シート高は、より良い足つき性を考慮し740mmに設定。パッセンジャーシートは、従来モデルに比べ前後50mm拡大するとともに、幅も左右に70mm拡大。ロングツーリングの疲労を軽減するためのバックレストとサイドサポートを装備するなど、ライダー、パッセンジャーともに快適な乗り心地を実現している。 |
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液晶マルチディスプレイと、視認性の高いメーター類 |
スピードメーター下に122×250ドットの液晶マルチディスプレイを新装備。オドメーター/トリップメーターをはじめ、気温、オーディオ・モード、リアサスペンションの状態や、トランクの開閉状態を知らせるなど、数々の機能・状態を明確に表示。
さらに、始動時のオープニング画面で、あらかじめ入力した名前が登場する、オーナーだけが楽しめるスペシャルモードなども採用している。
また、アナログ表示のメーター類は中央にスピードメーター、左側はデジタル時計が組み込まれたタコメーター、右側には水温計と燃料計を見やすくレイアウト。メーターランプの輝度調節機能と自発光の赤い指針を採用することで、高い視認性を確保している。 |
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乗車したまま手軽に操作できる、扱いやすいスイッチ類 |
コクピット中央のコントロールパネルは、AM/FMチューナーやCDプレーヤーなどのオーディオ類を大きなボタンでスムーズに操作が可能。左下のパネルにはヘッドライト光軸調整ダイヤル、リアサスペンション調整スイッチ、ハザードランプスイッチ、フォグライトスイッチを配置。ハンドル左グリップ部には、コントロールパネルと連動したオーディオコントローラーを装備。ボリューム調整、ラジオの選曲、CDの選択などが簡単に行える。ハンドル右グリップ部には、電動リバースシステムとクルーズコントロールのスイッチを配置。プッシュボタン式の電動リバースシステムは、狭い場所での方向転換などの際にスムーズな取り回しを可能としている。また、高速走行時に便利な電子制御のクルーズコントロールは、ボタン操作により、スロットルを回すことなく一定の速度を保ち続ける便利な機能である。 |
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総容量142L※のトランクスペースと電波式トランクオープナー |
大容量61Lのリアトランクは、フルフェイスヘルメット2個を収納可能。サドルバッグは片側40L強、合計81Lの容量。リアトランク/サドルバッグともに、中の荷物を保護するトランクマットが敷かれ、サドルバッグにはリッドがスムーズに開閉する油圧ダンパーを装備している。また、リアトランクとサドルバッグの施錠/解錠を離れた場所から操作できる、電波式キーレストランクオープナーを標準装備。施錠/解錠時にはハザードランプが点滅、半開きの場合には液晶マルチディスプレイの画面中で開いている部分を点滅表示で知らせる。 |
※トランクの容量はすべてHonda測定値 |
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その他の装備 |
・ |
6連奏CDチェンジャーを、リアトランク床下にビルトイン。スピーカーは前後に計4個の25Wステレオスピーカーを搭載。 |
・ |
リアビューを引き締める、LED式ハイマウントストップランプ付きスポイラーとトランクスポイラー。 |
・ |
高い被視認性を確保したウインカー内蔵バックミラー |
・ |
マルチリフレクタータイプのフォグライト |
・ |
ランプ付きバニティーミラー |
・ |
アクセサリーソケット |
・ |
サドルバッグスポイラー |
・ |
ゴールドヘッドカバーエンブレム |
・ |
サドルバッグ内に安心の装備、上質と信頼のKTC社製ミラーツール「ネプロス」を付属。 |
・ |
各種メッキパーツ |
(1) |
スクリーンガーニッシュ |
(2) |
フロントディスクカバー |
(3) |
サイドモール |
(4) |
サイドスタンド |
(5) |
フロントロアカウル |
(6) |
エキゾーストパイププロテクター |
(7) |
サドルバッグモール |
(8) |
トランクモール |
(9) |
パッセンジャーステップカバー |
(10) |
パッセンジャーアンダーステップカバー |
(11) |
エンジンヘッドカバー |
(12) |
プラグカバー |
(13) |
エンジンフロントカバー |
(14) |
グリップエンド |
(15) |
ウォッシャータンクキャップ |
(11)〜(15)については、国内専用仕様。 |
主要諸元
通称名 |
ゴールドウイング |
車名・型式 |
ホンダ オブ アメリカ・BC-SC47 |
全長×全幅×全高(m) |
2.635×0.945×1.500 |
軸距(m) |
1.690 |
最低地上高(m) |
0.125 |
シート高(m) |
0.740 |
車両重量/乾燥重量(kg) |
415/386 |
燃料消費率(km/L) |
20.0(60km/h定地走行テスト値) |
最小回転半径(m) |
3.3 |
エンジン型式 |
SC47E(水冷・4ストローク OHC水平対向6気筒) |
総排気量(cm3) |
1,832 |
内径×行程(mm) |
74.0×71.0 |
圧縮比 |
9.8 |
最高出力(kW[PS]/rpm) |
85[116]/5,500 |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) |
167[17.0]/4,000 |
燃料噴射装置形式 |
PGM-FI(電子制御燃料噴射式) |
始動方式 |
セルフ式 |
点火方式 |
フルトランジスタ式バッテリー点火 |
潤滑油容量(L) |
4.6 |
燃料タンク容量(L) |
25 |
クラッチ形式 |
湿式多板ダイヤフラムスプリング式 |
変速機形式 |
常時噛合式5段リターン |
変速比 |
1 速 |
2.375 |
2 速 |
1.454 |
3 速 |
1.068 |
4 速 |
0.843 |
5 速 |
0.685 |
減速比(1次/2次) |
1.591/1.028×2.750 |
キャスター(度)/トレール(mm) |
29°15´/109 |
タイヤサイズ |
前 |
130/70R18 63H |
後 |
180/60R16 74H |
ブレーキ形式 |
前 |
油圧式ダブルディスク(デュアルCBS+ABS) |
後 |
油圧式ベンチレイテッドディスク(デュアルCBS+ABS) |
懸架方式 |
前 |
テレスコピック式(コイルバネ) |
後 |
スイング・アーム式 (コイルバネ、プロリンク、プロアーム) |
フレーム形式 |
ダイヤモンド |
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