ニュースリリース

2000年10月24日ニュースリリース

NTTと本田技術研究所、車両・ネットワーク協調型情報流通技術に関する共同研究を開始

-利便性と、さらなる安全性を両立させる次世代車載情報提供システムを目指して-

 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮津純一郎)と本田技研工業株式会社の研究開発子会社である株式会社本田技術研究所(本社:埼玉県和光市、代表取締役社長:福井威夫)は、2000年11月から、車載情報提供システム(1)の高度化を実現するため、「車両・ネットワーク協調型情報流通技術」に関する共同研究を開始します。

 「車両・ネットワーク協調型情報流通技術」共同研究は、本田技術研究所の有する車両内情報技術とNTTの有する通信ネットワーク制御技術を連携・融合させることにより、これまで別々に開発されてきた車内システムと通信ネットワーク機能の協調を図り、利便性・快適性を兼ね備えた次世代車載情報提供システムを開発しようという試みです。

 具体的には、車の現在位置・時刻に応じて運転者が求める各種情報を絞り込んで提供する技術、あるいは運転者の運転状況に応じて通信制御を行う技術などの開発を通じて、運転者個々の嗜好や運転状況に即した情報を適切なタイミングで提供する車載情報提供システムの実現を目指します。また、より使い勝手がよく機能性の高いシステムを実現すべく、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)の高度化についても研究を行います。

本共同研究で実現される次世代車載情報提供システムおよび車内通信環境は、車両とネットワークが協調動作することにより、利便性とさらなる安全性の両立を目指している点で、従来のシステムを一段と進化させるものです。本共同研究の成果は、今後のITS(2)における車載装置と情報通信ネットワークのあり方を決定する基本技術として発展させていく所存です。両社は「車両・ネットワーク協調型情報流通技術」のコンセプトの明確化と、基本技術の有効性を確認するため、2001年末を目途にデモシステムを構築する予定です。

以上

  • *1車載情報提供システム
    経路案内を始めとした運転情報等、車内でドライバーが必要とする情報を提供するためのシステム。初期の車載装置はスタンドアロンで動作し、地図および経路情報を提供するのみであったが、最近では、通信機能を持ち(ただし、単なるセンタ-車載装置間の通信接続のみ)、センタからネットワークを介して情報提供を受けるものが広まりつつある
  • *2ITS:Intelligent Transportation Systems
    世界各国で開発が進められている高度交通システム。人・道路・車両を一体のシステムとして構築し、安全性、輸送効率、快適性の飛躍的な向上とともに、渋滞の低減などによる交通の円滑化を通して環境保全に役立つことを目的とする