ニュースリリース

2000年05月26日ニュースリリース

ホンダ、2003年度までの事業展開を発表

 本田技研工業(株)は、二輪、四輪、汎用製品の販売台数を'99年度(2000年3月期)の年間 約1100万台から、2003年度(2004年3月期)を目処に1600万台へと大幅に拡大させ、同時に生産体質改革や、ITを活用したビジネスプロセス革新などの企業進化を図ることで、企業価値の増大を目指す方針と主要な事業施策を発表した。

 2003年度 1600万台時の製品別内訳は、'99年度に比べ、二輪車 約260万台増の700万台、四輪車 約50万台増の300万台、汎用製品 約200万台増の600万台。大幅増を目指す二輪事業では、主にアジアを中心とした進展国での需要拡大、四輪事業は北米のライトトラック市場や日本、欧州を中心としたスモールカー市場など成長市場での取り組みを強化する。汎用事業はエンジンビジネスの拡大を計画している。

 ホンダは、「需要のある所で生産する」という理念のもと、32カ国109拠点に上る海外での生産拠点展開を進めてきた。今後の展開にあたっては、こうした布石を活かし、二輪、四輪、汎用製品ともに海外生産のさらなる拡大や現地調達率の向上を図る計画である。また、世界規模で展開する生産体質改革により、生産機種のフレキシビリティは高まり、他地域への輸出などを行うグローバルな製品補完体制が強化される。

四輪事業地域別

 四輪の地域別には、

  • 北米 約15万台増の145万台、
  • 日本 約20万台増の90万台、
  • 欧州 約10万台増の35万台、
  • その他地域 約8万台増の30万台

を目指す。
 北米は、半年前倒しで2001年後半より稼動を開始するアラバマ工場の生産能力12万台を活用し、市場が拡大するミニバン、SUVの供給体制を整えるとともに、商品ラインナップをさらに強化する計画。
 日本は、20機種以上の新型車投入やフルモデルチェンジを行い、RVシリーズや、軽、スモールカーなどの新製品の積極投入で拡販を狙う。来年以降、新たに投入するスモールカーは、世界戦略車として育てる計画である。
 欧州では、2001年春 英国第二工場が新型シビックで生産を開始し、2002年には、Bカテゴリー車の生産もスタートする。第一工場と合わせた生産能力は、現在の15万台から、2002年には、25万台へと増強され、販売台数に占める現地生産車比率を7割程度へと高める計画である。また、英国工場をこれまでの域内向け生産工場との位置付けから進化させ、他地域への輸出も担うグローバル生産補完体制に組み込み、域外輸出を行う予定。

生産体質改革

 主要協力メーカーを含み国内外の工場で展開している生産体質改革では、ホンダグループの内作領域の資源効率2倍を目標に展開する。新機種投資効率化や製造費用削減などのコストダウン効果は、今年度後半より段階的に実現し、2003年度におけるホンダの国内外の主要生産拠点での効果は、新機種投入数などを従来と同程度とした前提で、'99年度と比較して約1000億円と試算している。この成果を用い、ホンダは、積極的な新機種投入や商品の競争力向上を図る。これに加え、ホンダグループの内作領域以外でもコストダウン努力も続けることで、台当たりの収益性の向上を目指す。
また、二輪、汎用事業においても、本年より 同様な生産体質改革を推進する計画である。

開発システム

 開発領域では、Digital Manufacturing Circle と呼ぶ ITを活用した開発システムがグローバルな規模で本格稼動。デザインから生産までの製造業の根幹部分をネットワーク化し、データプロト上で製品熟成を行ってゆく。このシステムにより、設計工数を削減し開発期間の短縮や試作車削減を目標にした取り組みを展開する計画である。

環境

 環境の取り組みにおいても、第一ステップとして、ガソリンエンジンの効率を最大化し、第二ステップとして、そのエンジンをベースに、ハイブリッドシステムを進化させ、第三ステップとして、インフラ整備にあわせて燃料電池車に移行する方向性を明らかにした。
 こうした方向性に基づき、今年の秋には、2005年を目標にした次世代エンジンシリーズへの切り替えがスタートする。次いで、2001年中には、新型シビックに、次世代エンジンと組み合わせた新ハイブリッドシステムを塔載し日本を皮切りとして発売する計画である。また、二輪においても、実用燃費を3割以上高めたモデルを2002年に、進展国を中心に投入する予定である。

吉野社長は、会見において
「ITなどの新技術を効果的に活用することで、開発・購買・生産・販売効率を大幅に高めながら各事業でのビジネスを量的にも拡大し、今以上に高い収益体質を実現していきたい。人々の生活にお役に立てる商品を開発・生産し、優れたサービスのもとにお届けするという、製造業の本分を全うしながら『時代の要請に先駆け、新しい価値を創造する』というホンダブランドを世界レベルで高め、企業価値の拡大を図っていきたい。」と語った。

以上