本田技研工業株式会社は、クリーンなエネルギーとして注目されている天然ガスを燃料とした、空調システム“家庭用吸収式ヒートポンプエアコン” 、動力源として応用性の高い“ガスエンジン「GF160V」”、給湯と発電が行える “家庭用コージェネレーションシステム”を開発し、その概要を発表した。
電力やフロンに依存しない新しい空調システムとして、世界初の超小型「家庭用吸収式ヒートポンプエアコン」を開発した。これは、冷媒と吸収剤に最適な物質の組み合せを開発し、ラジエターを用い間接空冷式とすることで、吸収式エアコンとしては初めて寒冷地での使用やヒートポンプ暖房を可能としながら、一般家庭で使用できるサイズ、重量を実現している。
新開発のガスエンジンは、これまで培ってきた高効率なエンジン技術などを活かし、コンパクト・低騒音・ロングライフ・クリーンな排気を実現した世界最小サイズのガスエンジンであり、家庭用ガスヒートポンプエアコンやコージェネレーションシステムの動力源として、応用性の高いものとなっている。このガスエンジンは火力発電所よりもクリーンな排出ガスレベルを実現し、環境への影響も十分に配慮している。
給湯と発電を行えるホンダのコージェネレーションシステムは、動力として新開発のガスエンジン「GF160V」を採用し、エネルギー利用効率で80%を達成し、しかも一般家庭でも使用できるサイズを世界で初めて実現した。また、こうしたエネルギーの有効利用に加え、ガスエンジンでの発電により電力を自給することにより夏季の電力ピーク緩和の効果も期待できる。
なお、これらの新技術は、3月21日にツインリンクもてぎ内に、オープンするホンダファン ファンラボに展示される。
技術概要
電力やフロンに依存しない新しい空調システムとして、世界初の家庭用超小型「吸収式ヒートポンプエアコン」を開発した
凝縮器と吸収器により加熱された冷却水をバルブの切り替えにより室内機に導き、暖房として利用するヒートポンプエアコンとして作動する。
気温摂氏0度以下に下がった場合は、バーナーで直に冷却水を加熱し室内機に導く、直火暖房システムに切り替わる。
この3つのモードは、外気温や室内機の設定温度などにより、自動的に切り替わり、通年使用を可能にしている
研究用モデル機 | |
冷房能力(kW) | 2.5 |
暖房能力(ヒートポンプ時:kW) | 4.0 |
暖房能力(直火時:kW) | 4.5 |
室外機サイズ(全巾×奥行×全高 mm) | 800×250×680 |
盛夏時のピーク電力需要を低減する家庭用ガスヒートポンプエアコンのパワーユニットや家庭用マイクロコージェネレーション等のパワーユニットとして最適な、世界最小サイズを達成したガスエンジン「GF160V」の主な特徴
名 称 | GF160V |
形 式 | 4サイクル水冷単気筒OHV |
サイズ(全巾×奥行×全高 mm) | 408×235×422 |
総排気量(cc) | 163 |
ボア×ストローク(mm) | 62×54 |
通常回転数(rpm) | 1,500~3,300 |
使用燃料 | 都市ガス(13A)/ LPG |
ライフサイクル | 20,000時間 |
メンテナンスインターバル | 6,000時間 |
使用燃料 | 天然ガス(都市ガス13A) |
エンジン型式 | GF160V |
エンジン形式 | 4サイクル水冷単気筒OHV |
総排気量(cc) | 163 |
発電機形式 | 多極式正弦波インバーター発電機 |
発電出力(kW) | 1.8 |
給湯能力(kcal/hr) | 4,100 |
サイズ(全巾×奥行×全高/mm) | 480×520×1,000 |