ニュースリリース

1997年02月17日ニュースリリース

ホンダクリーンエアビークル第1弾 シビックフェリオLEV/パートナー1.6LEVを発売

本田技研工業(株)は、排出ガス中に含まれる有害物質を、従来の1/10レベルまで低減した、ガソリンエンジンによる世界最高水準の低公害車「シビックフェリオLEV」及び「パートナー1.6LEV」を発表。本日、2月17日より「シビックフェリオLEV」を全国のプリモ店、「パートナー1.6LEV」をホンダ全四輪ディーラーから発売します。

シビックフェリオLEV

シビックフェリオLEV

ホンダは、地球環境の保全に積極的に対応するため、ガソリン自動車における排出ガスの更なるクリーン化のため研究開発。また、これからの時代を見据え、圧縮天然ガス自動車、電気自動車などの代替燃料機関を用いた自動車の研究を含め、様々なエネルギー特性を活かした環境にやさしいクルマを「ホンダクリーンエアビークル」と名付け、今後、積極的な展開を図る計画です。
まず、ガソリン自動車において環境への影響を最小限とするため、「HONDA LEV」という独自の低公害基準を設定し開発。光化学スモッグ、酸性雨など環境汚染の原因となっている有害物質CO、HC、NOxの排出量を、日常クルマが使用される状況において、従来の1/10レベルまで大幅に低減することに成功しました。
今回のシビックフェリオLEV及びパートナー1.6LEVは、従来の優れた走行性能や快適性、安全性はそのままに、充実した装備内容としながらも、市場への普及拡大を目指し、お求めやすい価格設定としています。

パートナー1.6 LEV

パートナー1.6 LEV

シビックフェリオLEV/パートナー1.6LEV諸元値

シビックフェリオLEV/パートナー1.6LEVの諸元値と国内排出ガス規制値との比較

    CO HC NOx
11モード シビックフェリオLEV
パートナー1.6 LEV 諸元値
4.5 0.55 0.20
国内自動車排出ガス規制値 (最大規制値) 85.0 9.50 6.00
国内自動車は移出ガス規制値 (平均規制値) 60.0 7.00 4.40
平均規制値との比較 ▲92.5% ▲92.1% ▲95.5%
10・15モード シビックフェリオLEV
パートナー1.6 LEV 諸元値
0.37 0.02 0.03

国内自動車排出ガス規制値 (最大規制値)

2.70 0.39 0.48
国内自動車は移出ガス規制値 (平均規制値) 2.10 0.25 0.25
平均規制値との比較 ▲82.4% ▲92.0% ▲88.0%

単位:
11モード g/テスト
10・15モード g/km

11モードとは、

コールドスタートによる、郊外から都心に向かっての走行形態として構成されたものです。

10・15モードとは、

東京都内の幹線道路における平均的な走行形態の10モードと、高速走行や渋滞など、大都市における走行形態を反映させた15モードを組み合わせたものです。

「HONDA LEV」の主な技術特長

「HONDA LEV」としての高い目標を達成するためには、エンジン始動直後のコールドスタート時から、加速、減速が頻繁に行われる走行中まで、さまざまな状況下でCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)など有害物質の排出量の低減を図ることが必要となります。
そこで、ホンダ独自の高効率エンジンをベースに、

  • エンジン始動直後から安定した燃焼を可能にするタンブルポート (1)
  • 走行中の空燃比を高精度にマネジメントする付着燃料補正空燃比制御 (2)
  • エンジン始動直後から効率よくキャタライザーの浄化性能を発揮させる直下型キャタライザー一体薄肉エキゾーストマニホールド (3)
  • 触媒への排出ガスの接触面積を拡大した400セルタイプ・キャタライザー (4)

などの採用により、エンジン冷機時の最適空燃比の希薄化、コンピュータによる高精度な最適空燃比制御、さらに触媒による高効率な浄化という3段階のシステムで、ガソリンエンジンによる世界最高水準の低公害車を完成しました。

HONDA LEV

「HONDA LEV」の4つの主要技術

  • 1.タンブルポート
    必要以上に濃くしない混合気のままで、エンジン冷機時の安定した燃焼を実現するためタンブルポートを採用。これは、シリンダーヘッドのポート形状を、燃焼室内の混合気が縦渦(タンブル)を発生するように設計したもの。これにより、燃焼室内の混合気の乱れが強くなり、燃焼速度が早くなると同時に、低温時の着火性が高まるため、エンジンが暖機過程においても、比較的薄い混合気で安定した燃焼が可能となり、CO、HCの排出量を低減。
  • 2.付着燃料補正空燃比制御
    キャタライザーの浄化性能を最大限引き出すためには、空燃比制御を高精度におこなうことが必要となります。しかし通常の場合、噴射された燃料の一部は、吸気ポートの壁面に付着し、その一部が次の行程の燃焼で使われ、その付着比率は運転状態により変化するため加減速時などの空燃比制御に乱れを生じる原因となります。そこで、壁面付着燃料量までも高性能ECUにより予測し、燃料噴射量を決定。燃焼室内の実際の空燃比を高精度にコントロールすることで、HC、CO、NOxの排出量を徹底して低減。
  • 3.直下型キャタライザー一体薄肉エキゾーストマニホールド
    キャタライザーの浄化性能をエンジン始動直後からフルに発揮させるため、キャタライザー本体を暖まりやすいエキゾーストマニホールドのすぐ下の部分に配置。エンジンからの熱い排出ガスがすぐに到達し、キャタライザーを素早く暖めるよう設計。
    また、さらに、エキゾーストマニホールドの軽量化、キャタライザーの直接溶接による接続方法の簡素化などにより、効率的な廃熱の活用と、軽量化を実現。エンジンスタート直後から、キャタライザーの素早い温度上昇を可能とし、コールドスタート時でも優れた排出ガス浄化性能を実現。
  • 4.400セルキャタライザー
    従来の300セルから400セルタイプへと触媒のセル数をアップ。これにより、キャタライザー本体を大型化することなく反応面積を約20%拡大。排出ガス成分の触媒接触率を高め、浄化性能を大幅に向上。

その他、シビックフェリオLEV/パートナーLEVの主な商品特長

1.6リットルエンジンを搭載し、最高出力105PS/6,400rpm、最大トルク14.3kgm/4,600rpmを達成。また、10・15モード燃費において、シビックフェリオLEVで17.6km/L(5MT車)、パートナー1.6LEVで15.4km/L(5MT車)と高い経済性も実現。加えて、シビックフェリオLEVは、運転席用&助手席用SRSエアバッグシステムやCDチェンジャーコントロール機能付AM/FMフルロジックカセットデッキの標準装備をはじめ、ボディ同色の電動ドアミラーやドアハンドル、リアライセンスガーニッシュなど外観における高い魅力を付加。また、パートナーLEVは、マニュアルエアコンディショナーをはじめ、全面グリーンガラスやリアワイパーなど充実した標準装備としました。

希望小売価格

消費税含まず、単位千円

  東京 名古屋 大阪 福岡 仙台 札幌 沖縄
シビックフェリオLEV 1,318 1,313 1,316 1,332 1,330 1,347 1,375
パートナー1.6 LEV 1,196 1,191 1,194 1,210 1,208 1,225 1,253
  • 価格は5速マニュアル車
  • 4速オートマチック車は80千円高